「事業統合は今が絶好の時期」――米HPトッド・ブラッドリー上級副社長が語るHPのPC&プリンティング事業はどうなる(2/2 ページ)

» 2012年06月25日 21時13分 公開
[後藤治,ITmedia]
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今後はWindows 8搭載タブレットを展開

 以下、グループインタビューで出た質問と回答をピックアップした。

―― 統合の効果について「今が絶好の機会と言っていたが、数字で効果は出ているのか?

ブラッドリー 業績結果は4半期に1度提示している通り。1つ言えるのは、順調に推移しているということ。具体策としては、サプライチェーンの統合と、コマーシャルマーケットの施策だ。

―― 5月に2万7000人の人員削減を発表しているが、内訳は?

ブラッドリー ビジネスユニットごとの内訳は出していない。

―― PCとプリンタで今後急いでやらなければならない課題は何だと考えている?

ブラッドリー 今年の後半はWindows 8のためにどのような準備を進めるかだ。Windows 8が登場したら、Windows 8のタブレットを出すとすでにアナウンスしている。その製品はユニークな機能を持ち、特定市場向けにフォーカスしている。成功に対する自信を持っている。

―― 今後HPが注力していく国、地域は?

ブラッドリー ロシア、中国、ブラジルといった国々になる。日本で実施している東京生産のように、地域ごとの生産も検討していく。中国ではすでに重慶で行っている。

―― 事業の統合で販売や部材調達以外の、製品開発でのメリットは? 例えば、PCとプリンタの両方にENVYがあるようにブランドの統一化も進むのか。

ブラッドリー 製品間でのより良い接続性や、顧客の目に映る共通のデザイン言語などでメリットがあるだろう。単純にはプリンタドライバの開発でもそうだ。

―― ePrintなど「クラウド」への注力を挙げたが、スマートデバイスのラインアップが弱いと感じる。Windows 8(のタブレット)とUltrabookだけでいいのか?

ブラッドリー 質問が具体的にスマートフォンを指しているのなら、そこにフォーカスはしていない。いまフォーカスしているのはあくまでコンピューティングプロダクトであり、それはWindows 8タブレットになる。

―― ソリューションビジネスについて、アップルのように、iPhoneで撮影した写真がiCloudを通じてほかのデバイスでもすぐに見られるようなサービスの展開は?

ブラッドリー 我々はすでに世界で最大手のクラウドプロバイダーであり、これまでドキュメントのクラウドアクセスやセキュリティなどに注力してきた。他社はコンシューマーでアグレッシブに展開しているかもしれないが、我々はエンタープライズにフォーカスしている。

(注:かつてHPはPalmを12億ドルで買収し、Appleの「iOS」、Googleの「Android」に続くモバイルOSとして「Web OS」をPSGの中核に置いた時期があったが、同部門の再編検討の段階でwebOS端末事業を打ち切った経緯がある)。


 現在HPは、174カ国でビジネスを展開し、1秒あたり4台のペースでPCとプリンタを出荷する世界有数の大企業だが、グローバルでの存在感に比べると日本においてのブランド認知はまだ低いのが現状だ。ただし、企業向けのPCビジネスにおいては堅実に成長を続けており(15%ほどのシェアを持つ)、単にコンシューマーにおける一般層にはその勢いが見えづらいという側面もある。

 岡氏は「ブランドの構築は3年程度の短い期間ですぐにできるというものではない。より薄く、より軽く、長いバッテリー持続時間を持つノートPCのような“キラープロダクト”をタイミングよく取り上げるのが重要になる。以前に比べれば(HPの製品は)特にデザインで面白くなってきていると感じる。これはHPが“キラープロダクト”に投資しようという姿勢の現れなので期待している」とコメントしている。今後登場予定のWindows 8搭載タブレットも含めて、新しい体制に移行したHPのPC&プリンティングビジネスがどのような製品を生み出すか楽しみだ。

5月に上海で披露された国内未発表のUltrabook「HP ENVY Spectre XT」や、バッテリー内蔵のモバイルインクジェット複合機「HP Officejet 150 Mobile」、特殊なギミックで話題を集めたワークステーション「HP Z1」など、最近のHPは“尖った”製品を相次いで投入している

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