インテルは、これまでもUltrabookを訴求する説明会を繰り返し行ってきた。海外の大規模イベントでも、インテルが行う基調講演やクライアントPC関連の説明会では、Ultrabookを必ず取り上げている。従来は、性能面での訴求が多かったUltrabookだが、今回の説明会では、生活シーンを中心にした活用方法という、これまでとは異なる視点で“Ultrabookがユーザーにもたらすメリット”を紹介した。
インテル代表取締役社長の吉田和正氏は、Ultrabookの普及について、いまは一気に広がりを見せる直前の状態と位置づけている。2011年5月のインテルによるUltrabookコンセプトの提唱に続いて、2011年8月のUltrabook基金設立で、インテルはUltrabookに本気であると、多くのパートナー企業やPC市場関係者が考えるようになったと吉田氏は説明する。さらに、2011年秋の製品が登場、そして、現在は“Ivy Bridge”こと第3世代Coreプロセッサー・ファミリーでTDP 17ワットクラスのラインアップをUltrabookに搭載することで、Ultrabookは、CPUがもたらす付加価値も備えるようになったとした。
吉田氏は、第3世代Coreプロセッサー・ファミリーが、“Sandy Bridge”世代のCPUから最大22パーセントの性能向上と最大15パーセントの低消費電力化を実現したことを説明したうえで、“Sandy Bridge”世代のCPUを搭載するUltrabookが21機種だったのが、“Ivy Bridge”世代のCPUを搭載するUltrabookは110機種以上が登場する予定で、画面サイズも従来の13.3型から11〜15型と増え、ビジネス向けのUltrabookも用意するなど、ユーザーに選択できる幅が広がったことを訴求した。
また、日本におけるUltrabookの展開も速く、PCメーカー各社もUltrabookに期待しているとした上で、Ultrabookという、薄くて軽くて高性能で、さらにスタイリッシュというこれまでなかったフォームファクタの登場で、初めて可能になるアプリケーションやネットワークサービスが生まれると述べた。
吉田氏は、生活におけるUltrabookの活用について、従来の据え置きで家族の共有利用が中心だった家庭のPCが、家から持ち出すモバイル利用の普及や、それに伴う、1人一台というパーソナル化によって、薄くて軽くてバッテリーが持ち、高性能で起動が速く、かつ、デザインがいいPCをユーザーが求めるようになったとし、Ultrabookは、これらの要求に応える性能を持つことで、ユーザーの体験をよりよくすることを重視していると述べた。さらに、将来のUltrabookでは、タッチパネルや各種センサーを内蔵して、直感的な操作で使いやすい方向に進化することで、生活に密着したコンパニオンとしてユーザーを支えるだろうと説明した。
インテル マーケティング本部長の山本専氏とインテル 技術部長の土岐英秋氏は、Ultrabookが日常生活でユーザーにもたらすメリットと、そのメリットを可能にする技術について、休日の日帰り旅行にUltrabookを持参したケースを想定して紹介した。
朝起きてPCで情報を確認したい場合、起動7秒以内のUltrabookは、すぐに情報を参照できるが、これは、「インテル ラピッド・スタート・テクノロジー」によって、スリープ状態において、メモリデータを、Ultrabookに搭載するキャッシュ用のSSDに退避することで、消費電力を休止状態と同等に抑えつつ、復帰をスリープ状態と同じ短時間で可能にしていることや、移動中にスリープ状態にしてカバンにいれているときでも、「インテル スマート・コネクト・テクノロジー」でスリープ中でも一定時間の間隔で無線接続で利用できるアクセスポイントを探し、見つかった場合は、省電力モードでネットワークにアクセスして、最新のデータに更新できること、さらに、長時間になったバッテリー駆動のおかげで、帰宅の移動でもUltrabookが使えることなどを紹介した。
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