これがPiledriverの威力だ!(いろんな意味で)──TrinityのCPUパワーを試すイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2012年10月02日 13時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

デスクトップPC向けPildriverは高クロックが命

 Trinityの全体的なスペックやラインアップについては、すでに掲載しているグラフィックス関連の性能を評価したレビュー記事で紹介した。10月2日の正式発表によって、ようやくCPUに関する情報を紹介できるようになった。Trinityが採用する「Piledriver」コアは、Bulldozerの第2世代となるアーキテクチャを採用している。L1 TLB(Translation Lookaside Buffer)の増強や命令セットにおける「FMA3」「F16C」の対応、ハードウェア・プリフェッチャの拡張などによるIPCの向上などを、初代Bulldozerから改良した。このほか、自動オーバークロック機能の「Turbo CORE Technology」のバージョンを3.0に引き上げ、CPUと統合したグラフィックスコアの発熱量を監視しながらTurbo(オーバークロック)幅を制御する。

型番 A10-5800K A10-5700 A8-5600K A8-5500 A6-5400K A4-5300
開発コード名 Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity
CPUコア数 4 4 4 4 2 2
スレッド数 4 4 4 4 2 2
動作クロック 3.8GHz 3.4GHz 3.6GHz 3.2GHz 3.6GHz 3.4GHz
ターボ時最大クロック 4.2GHz 4GHz 3.9GHz 3.7GHz 3.8GHz 3.6GHz
1次キャッシュ (64+64)×4KB (64+64)×4KB (64+64)×4KB (64+64)×4KB (64+64)×2KB (64+64)×2KB
2次キャッシュ 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2
プロセスルール 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル
TDP 100ワット 65ワット 100ワット 65ワット 65ワット 65ワット
DDR3メモリ 1866MHz 1866MHz 1866MHz 1866MHz 1866MHz 1600MHz
チャネル数 2 2 2 2 2 2
グラフィックス Radeon HD 7660D Radeon HD 7660D Radeon HD 7560D Radeon HD 7560D Radeon HD 7540D Radeon HD 7480D
GPUコアクロック 800MHz 800MHz 760MHz 760MHz 760MHz 723MHz
DirectX 11 11 11 11 11 11
ビデオ再生支援 UVD3 UVD3 UVD3 UVD3 UVD3 UVD3
ソケット FM2 FM2 FM2 FM2 FM2 FM2
GPU Cores 384 384 256 256 192 128

 Pildriverコアの採用で注目したいのは、動作クロックの向上だ。LlanoもTrinityも、プロセスルールは32ナノメートルで変わらない。StarsコアにRadeon HD 5000世代(VLIW5)ベースのグラフィックスコアを統合したLlanoは、100ワットというTDP枠内で動作クロックは3GHzが最大だった。一方で、PiledriverコアにRadeon HD 6000世代(の一部でVLIW4対応アーキテクチャ)ベースのGPUを統合したTrinityは、第1弾の製品で3.8GHz、Turbo CORE Technology 3.0有効時で最大4.2GHzを達成した。アーキテクチャが異なるためIPCも異なることに注意が必要だが、動作クロックの向上自体はBulldozerアーキテクチャ本来のメリットだったはずで、それを実現できた点は評価できる。

今回も性能評価で用いるのはA10-5800K(写真=左)とA8-5600K(写真=右)だ

CPU性能も着実な向上を確認

 CPU性能の比較にあたっては、Llanoとの比較に加え“IvyBridge”世代のCPUを加えた。とはいえ、AMD Fusionが比較的低価格帯を対象としているため、比較にはCore i3-3240(3.4GHz)を用意している。マザーボードは、Trinity環境がAMD A85Xチップセットを搭載するハイエンド向け環境であるため、Core i3-3240もIntel Z77 Expressチップセット搭載マザーボードで問題ないだろう。そのほかの評価用システムの構成は同一とした。また、ベンチマークテストに関しては、OpenCL関連のテストを加えている。

評価システム構成
CPU A10-5800K A8-5600K A8-3870K Core i3-3240
動作クロック 3.8GHz 3.6GHz 3GHz 3.4GHz
マザーボード GIGABYTE GA-F2A85X-UP4 MSI A75A-G35 GIGABYTE GA-Z77X-UD3H
Chipset AMD A85 AMD A75 Intel Z77 Express
Memory Corsair CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1600 4GB×2) Corsair CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1333 4GB×2)
HDD PLDS Plextor SSD PX-128M2P 128GB
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1

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