Trinityの全体的なスペックやラインアップについては、すでに掲載しているグラフィックス関連の性能を評価したレビュー記事で紹介した。10月2日の正式発表によって、ようやくCPUに関する情報を紹介できるようになった。Trinityが採用する「Piledriver」コアは、Bulldozerの第2世代となるアーキテクチャを採用している。L1 TLB(Translation Lookaside Buffer)の増強や命令セットにおける「FMA3」「F16C」の対応、ハードウェア・プリフェッチャの拡張などによるIPCの向上などを、初代Bulldozerから改良した。このほか、自動オーバークロック機能の「Turbo CORE Technology」のバージョンを3.0に引き上げ、CPUと統合したグラフィックスコアの発熱量を監視しながらTurbo(オーバークロック)幅を制御する。
型番 | A10-5800K | A10-5700 | A8-5600K | A8-5500 | A6-5400K | A4-5300 |
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開発コード名 | Trinity | Trinity | Trinity | Trinity | Trinity | Trinity |
CPUコア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
スレッド数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
動作クロック | 3.8GHz | 3.4GHz | 3.6GHz | 3.2GHz | 3.6GHz | 3.4GHz |
ターボ時最大クロック | 4.2GHz | 4GHz | 3.9GHz | 3.7GHz | 3.8GHz | 3.6GHz |
1次キャッシュ | (64+64)×4KB | (64+64)×4KB | (64+64)×4KB | (64+64)×4KB | (64+64)×2KB | (64+64)×2KB |
2次キャッシュ | 2048KB×2 | 2048KB×2 | 2048KB×2 | 2048KB×2 | 2048KB×2 | 2048KB×2 |
プロセスルール | 32ナノメートル | 32ナノメートル | 32ナノメートル | 32ナノメートル | 32ナノメートル | 32ナノメートル |
TDP | 100ワット | 65ワット | 100ワット | 65ワット | 65ワット | 65ワット |
DDR3メモリ | 1866MHz | 1866MHz | 1866MHz | 1866MHz | 1866MHz | 1600MHz |
チャネル数 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
グラフィックス | Radeon HD 7660D | Radeon HD 7660D | Radeon HD 7560D | Radeon HD 7560D | Radeon HD 7540D | Radeon HD 7480D |
GPUコアクロック | 800MHz | 800MHz | 760MHz | 760MHz | 760MHz | 723MHz |
DirectX | 11 | 11 | 11 | 11 | 11 | 11 |
ビデオ再生支援 | UVD3 | UVD3 | UVD3 | UVD3 | UVD3 | UVD3 |
ソケット | FM2 | FM2 | FM2 | FM2 | FM2 | FM2 |
GPU Cores | 384 | 384 | 256 | 256 | 192 | 128 |
Pildriverコアの採用で注目したいのは、動作クロックの向上だ。LlanoもTrinityも、プロセスルールは32ナノメートルで変わらない。StarsコアにRadeon HD 5000世代(VLIW5)ベースのグラフィックスコアを統合したLlanoは、100ワットというTDP枠内で動作クロックは3GHzが最大だった。一方で、PiledriverコアにRadeon HD 6000世代(の一部でVLIW4対応アーキテクチャ)ベースのGPUを統合したTrinityは、第1弾の製品で3.8GHz、Turbo CORE Technology 3.0有効時で最大4.2GHzを達成した。アーキテクチャが異なるためIPCも異なることに注意が必要だが、動作クロックの向上自体はBulldozerアーキテクチャ本来のメリットだったはずで、それを実現できた点は評価できる。
CPU性能の比較にあたっては、Llanoとの比較に加え“IvyBridge”世代のCPUを加えた。とはいえ、AMD Fusionが比較的低価格帯を対象としているため、比較にはCore i3-3240(3.4GHz)を用意している。マザーボードは、Trinity環境がAMD A85Xチップセットを搭載するハイエンド向け環境であるため、Core i3-3240もIntel Z77 Expressチップセット搭載マザーボードで問題ないだろう。そのほかの評価用システムの構成は同一とした。また、ベンチマークテストに関しては、OpenCL関連のテストを加えている。
評価システム構成 | ||||
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CPU | A10-5800K | A8-5600K | A8-3870K | Core i3-3240 |
動作クロック | 3.8GHz | 3.6GHz | 3GHz | 3.4GHz |
マザーボード | GIGABYTE GA-F2A85X-UP4 | MSI A75A-G35 | GIGABYTE GA-Z77X-UD3H | |
Chipset | AMD A85 | AMD A75 | Intel Z77 Express | |
Memory | Corsair CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1600 4GB×2) | Corsair CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1333 4GB×2) | ||
HDD | PLDS Plextor SSD PX-128M2P 128GB | |||
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1 | |||
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