ついにというかようやくというか──デスクトップPC向けTrinityのグラフィックス性能をチェックするイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2012年09月27日 20時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

ノートPC向けTrinityから高クロック設定に

 AMD AシリーズAPUで自作PCユーザー向け(本当はメインストリーム向けというらしいが、実感としては自作PC向けといいたい)第1世代の「Llano」に続き、2012年5月には第2世代の「Trinity」をAMDは発表している。なお、その時点ではノートPC向け製品のみだった。

 デスクトップPC向けに関しては、6月のCOMPUTEX TAIPEI 2012の段階で各マザーボードメーカーがSocket FM2、および、AMD A85チップセットを搭載したサンプルマザーボードを展示しており、「間もなくか?」という状況だったが、結局9月も終わろうとする現在まで登場していない。しかし、どういう理由からか、グラフィックス性能だけを検証できる評価機材を入手できた。非常に限られた情報になるが、その範囲において性能検証を行ってみた。

 今回評価で使ったCPUは、既に発表済みのノートPC向けモデルと同じく、CPUコアは、Bulldozer系アーキテクチャの「Piledriver」を採用している。

型番 A10-5800K A10-5700 A8-5600K A8-5500 A6-5400K A4-5300
開発コード名 Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity
CPUコア数 4 4 4 4 2 2
スレッド数 4 4 4 4 2 2
動作クロック 3.8GHz 3.4GHz 3.6GHz 3.2GHz 3.6GHz 3.4GHz
ターボ時最大クロック 4.2GHz 4GHz 3.9GHz 3.7GHz 3.8GHz 3.6GHz
1次キャッシュ (64+64)×4KB (64+64)×4KB (64+64)×4KB (64+64)×4KB (64+64)×2KB (64+64)×2KB
2次キャッシュ 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2 2048KB×2
プロセスルール 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル
TDP 100ワット 65ワット 100ワット 65ワット 65ワット 65ワット
DDR3メモリ 1866MHz 1866MHz 1866MHz 1866MHz 1866MHz 1600MHz
チャネル数 2 2 2 2 2 2
グラフィックス Radeon HD 7660D Radeon HD 7660D Radeon HD 7560D Radeon HD 7560D Radeon HD 7540D Radeon HD 7480D
GPUコアクロック 800MHz 800MHz 760MHz 760MHz 760MHz 723MHz
DirectX 11 11 11 11 11 11
ビデオ再生支援 UVD3 UVD3 UVD3 UVD3 UVD3 UVD3
ソケット FM2 FM2 FM2 FM2 FM2 FM2
GPU Cores 384 384 256 256 192 128

 コアの数は2〜4基で、今回明らかになったラインアップでは、2コア、または、4コアモデルが登場する見込みだ。Llanoでは3コアモデルもあったが、2つの整数ユニットに対し1つの浮動小数点ユニットを共有するBulldozer系アーキテクチャのTrnityの場合、3コアは難しいとみられる。また、こうしたレイアウトのため、Llanoでは各コア毎に搭載していた2次キャッシュメモリを、Trinityでは2コアで共有することになる。容量は2コアあたり2Mバイト、4コアのモデルでは4Mバイトとなる。

 Bulldozer系の第2世代となるPiledriverではCPUのコアクロックが向上した。Llanoで最上位モデルのA8-3870Kは、定格で3GHz動作だったのに対し、デスクトップPC向けTrinityの各モデルは、ハイエンドのA10からローエンドのA4ですべて3GHzを超えている。また、Turbo CORE機能もバージョン3.0となり、A10-5800K、A10-5700の2製品で最大4GHzを超える。

 統合するグラフィックスコアは、Radeon HD 7000Dシリーズになる。LlanoであhRadeon HD 6000Dシリーズだったので、型番的には1世代新しい。ただし、Graphiccs Core Next(GCN)ではなく、Radeon HD 6000世代で採用したVLIW 4アーキテクチャだ。新旧最上位モデルで比較すると、TrinityのA10-5800KはRadeon HD 7660D、LlanoのA8-3870KがRadeon HD 6550Dとなる。GPUコア数はA10-5800Kが384基に対し、A8-3870Kは400基だったため、世代が新しくなって数を減らしたこととなる。一方で、GPUのコアクロックを引き上げている。A10-5800Kは800MHzに対し、A8-3870Kは600MHzだった。

 プロセスルールは、32ナノメートルのHigh-Kメタルゲートで変更はない。また、TrinityのTDPレンジもLlanoと同等だ。今回公表されたモデルでは、100ワット、または、65ワットとなる。

CPUの姿は特に変わらず。今回評価するのはA10-5800K(写真=左)とA8-5600K(写真=右)だ

CPU-Zで、A10-5800K(写真=左)とA8-5600K(写真=中央)のスペックを確認して、Liano世代のA8-3870K(写真=右)と比べる

同様に、VISION Engine Control CenterでA10-5800K(写真=左)とA8-5600K(写真=中央)でグラフィックス関連のスペックを確認して、Liano世代のA8-3870K(写真=右)と比べる

マザーボードはSocket FM2に移行

 Trinityへの移行を考えているLianoユーザーが一番気をつけたいのはCPUソケットの変更だ。Llanoでは、同時に立ち上がったSocket FM1に対応していたが、TrinityではSocket FM2を採用している。Socket FM1とSocket FM2はピン数が異なり互換性がない。Socket FM1はLiano限りで使命を終えることとなり、Trinityにアップグレードする場合は、CPUに加えマザーボードも交換しなければならない。

CPUを裏にしてLlanoとTrinityを並べた。左がFM1に対応するA8-3870で、右がFM2に対応するA10-5800Kだ。中央の島に対し、右上、右下、左上の3カ所で異なる。トータルではFM2のピンが1本だけ少ない(写真=左)。Socket FM1(写真=中央)とSocket FM2(写真=右)。レバー式で固定するのは共通で、CPUクーラーの装着方法も同じだ。AM3+/FM1用のクーラーユニットがそのまま装着できる

 デスクトップPC向けTrinityをサポートするチップセットとして、3モデルを用意する。すでにAシリーズをサポートしていたAMD A75、AMD A55と、今回登場するAMD A85Xチップセットだ。AMD A85XチップセットをA75と比較すると2点が異なる。1つはPCI Expressレーンの構成で、16レーンを8レーン2本に分割できるようになり、AMD A75では公式にサポートしていなかったCrossFireXをA85Zはサポートする。もう1つは、Serial ATA 6Gbpsのサポート数だ。AMDチップセットは、これまででもSerial ATA 6Gbpsに6ポートが対応するなどライバルに先行していたが、AMD A85Xではこれが8ポートまで拡大した。接続できるストレージの数を生かしてファイルサーバ的な用途を狙う場合も、これまでより大容量化が可能になるだろう。

 ただし、CrossFireXや8ポートのSerial ATA 6Gbpsといった点を考えると、Mini-ITXやmicro ATXといった従来のAシリーズで人気だったフォームファクタではなく、ATXフォームファクタでの活用がメインとなる。

今回の評価で用いたマザーボードは、AMD A85チップセットを搭載するGIGABYTE「GA-F2A85X-UP4」だ。3基のPCI Express x16スロットを搭載し、このなかの2基でCrossFireXをサポートする(写真=左)。マザーボードに搭載する映像出力インタフェースは、DisplayPort、HDMI、DVI-D、アナログRGBを用意する(写真=中央)。データストレージ用のインタフェースでは、Serial ATA 6Gbps対応の7基を搭載する。6ポート一組で、1ポートは離れた場所にある(写真=右)

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