GeForce GTX 650に“Ti”がつくとなにがどう違うのか?イマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2012年10月12日 16時40分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

スコアはまさにGeForce GTX 660とGTX 550 Tiの間にある

 GeForce GTX 650 Tiの検証は、すでに掲載しているGeForce GTX 660のレビューで用いたシステム構成に統一し、以前測定したベンチマークテストの結果も流用している。さらに、新しい比較対象としてGeForce GTX 550 Tiを追加した。

評価用システム構成
CPU Core i7-3960X(3.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)
マザーボード Intel DX79SI
チップセット Intel X79 Express
メモリ Corsair Memory CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1600 4GB×4枚)
HDD/SSD(1) PLDS Plextor SSD PX-128M2P 128GB
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1

3DMark Vantage:3DMarks
3DMark Vantage:Graphics

3DMark 11
3DMark 11:Graphics

3DMark 11:Physis
3DMarks 11:Combied

 3DMark Vantageの結果は、GeForce GTX 660とGTX 550 Tiとの間に位置するが、どちらかといえばGeForce GTX 550 Tiにやや近い。特に、Performance設定のスコアでは、わずかなオーバークロックで20000 3DMarksを超えそうな値だが、一方で、GeForce GTX 660に対しては1万ポイントほど低いのが気になる。ただし、3DMark 11では、GeForce GTX 660とGeForce GTX 550のまさに中間といったスコアに戻った。Enrtry、Performance、Extremeの各設定でも、同じ傾向を示している。

 テッセレーション性能を評価する「Unigine Heaven 3.0」と「TessMark 0.3.0」では、興味深い結果が出た。DirectXベースのUnigine Heavenでは、2つのGeForce GTXと比べるとGeForce GTX 550 Tiに近いポジションとなったが、OpenGLベースのTessMarkでは、GeForce GTX 550 Tiの23fpsに対し、GeForce GTX 650 Tiは65fpsと高いスコアを示した。これまでも、GeForce GTX 660とGeForcde GTX 560 Tiの比較でGeForce GTX 660が2倍以上のスコアになっていることから、DirectX 11でのテッセレーション性能も高いが、OpenGLのテッセレーション性能より引き上げられているという印象だ。

Battlefield 3(Preset:UltraHigh)
F1 2011

Just Cause 2(Concrete Jungle)
Unigine Heaven 3.0(Tessellation:Extreme)

TessMark 0.3.0
システム全体の消費電力

 ゲームタイトルを用いたベンチマークテストは、今回も3タイトルで測定している。バトルフィールド3での結果において、GeForce GTX 650 Tiは、最高画質にすると検証した三通りの解像度すべてで60fpsを超えることはできなかった。ゲームを行うのがほとんど困難なGeForce GTX 550 Tiより10fps以上高いが、3D負荷の高いゲームタイトルを動かすには力不足だ。ただし、1366×768ドットであれば、画質設定を落とすことでギリギリ60fpsまで引き上げることも不可能ではなさそうだ。

 もう1つのDirectX 11タイトルである「F1 2011」では、1366×768ドットで60fpsを超えた。1680×1050ドット、1920×1080ドットでも50fps台で、レースゲームであることを考慮すればプレイに堪えるフレームレートといえる。ただ、GeForce GTX 660とGeForce GTX 550 Tiのどちらにより近い結果か、という意味ではGTX 550 Ti寄りとなる。

 DirectX 10世代の「Just Cause 2」(標準画質設定)では、1920×1080ドットでも60fpsを超えてきた。これも、GeForce GTX 660のスコアが60fpsに対し十分の余裕を持っているのに対し、GeForce GTX 650 Tiではギリギリだったりするが、FPSでも負荷の軽いタイトルであれば楽しめることを示している。

 消費電力の測定結果は、アイドル時に関してGeForce GTX 650 Tiを組み込んだシステム全体で74.4ワットと、GeForce GTX 660よりも低い値を出している。およそKeplerコアの傾向通りだ。一方、高負荷時は173.9ワットとなった。

 TDPで30ワット差のGeForce GTX 660に対し100ワット近く、10ワット差のGeForce GTX 550 Tiに対しても40ワット近い差が出ているというのは、システム側に何かしら別の要因が加わってしまった可能性が高い。ただし、光学ドライブなし、SSDという最小構成とはいえ、高負荷時で173.9ワットという消費電力は、比較的出力の低い電源ユニットでも動作できることを示している。

 NVIDIAは、400ワットクラスの電源ユニットが望ましいとしているが、最近登場している高効率なSFX対応電源ユニットなどでも動作できそうだ。

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