GeForce GTX 650 Tiは、「GK106」コアを用いている。GeForce GTX 660もGK106コアで、GeForce GTX 650はGK107コアを用いているので、コアでいうとGeForce GTX 650 TiはGTX 660と同じになる。製品名とコアが一致しないが、“Kepler”世代のGeForce GTXでは、GeForce GTX 660 TiもGeForce GTX 680シリーズと同じGK104を用いているので、その流れと考えればよいだろう。
型番 | GeForce GTX 660 Ti | GeForce GTX 660 | GeForce GTX 650 Ti | GeForce GTX 650 | GeForce GTX 640 |
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コードネーム | GK104 | GK106 | GK106 | GK107 | GK107 |
GPC | 4 | 3 | 2or3 | 1 | 1 |
SM | 7 | 5 | 4 | 2 | 2 |
CUDA Core | 1344 | 960 | 768 | 384 | 384 |
テクスチャユニット | 112 | 80 | 64 | 32 | 32 |
ROPユニット | 24 | 24 | 16 | 16 | 16 |
GPUクロック(MHz) | 915 | 980 | 925 | 1058 | 900 |
Boost Clock(MHz) | 980 | 1033 | - | - | - |
テクスチャフィルレート | 102.5 | 78.4 | 59.2 | 33.9 | N/A |
グラフィックスメモリクロック(MHz) | 1502 | 1502 | 1350 | 1250 | 900 |
グラフィックスメモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | DDR3 |
グラフィックスメモリ接続バス幅(ビット) | 192 | 192 | 128 | 128 | 128 |
グラフィックスメモリ帯域幅 | 144.2 | 144.2 | 86.4 | 33.9 | 28.5 |
グラフィックスメモリ容量(MB) | 2048 | 2048 | 1024 | 2048 | 2048 |
2次キャッシュメモリ(KB) | 384 | 384 | 256 | 256 | 256 |
最大消費電力(TDP)(ワット) | 150 | 140 | 110 | 64 | 65 |
補助電源レイアウト | 6+6 | 6 | 6 | 6 | − |
DirectXサポート | 11 | 11 | 11 | 11 | 11 |
PCI Express Gen. | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
トランジスタ数(億) | 35.4 | 25.4 | 25.4 | 13 | 13 |
プロセスルール(ナノメートル) | 28 | 28 | 28 | 28 | 28 |
Thermal Threashold(摂氏) | 98 | 98 | 98 | 98 | 98 |
GeForce GTX 650が搭載するCUDAコアは768基で、SMXは4基だ。同じGK106のGeForce GTX 660は、CUDAコアが960基、SMXが5基という構成であるため、SMXの1基分に相当する192基のCUDAコアを削減したという計算で合っている。一方、GPCは「2、または、3」という説明となっている。これは、5つあるブロックのうち、どのブロックをDisable化するかで変わるのだろう。GPCが2基であれば、2基のSMXが2セットとなるし、GPCが3基であれば、2基のSMXが1セットと1基のSMXが2セットで計3セットになると考えられる。この2つのコンフィギュレーションで性能に差がでるのかどうかは不明だ。また、製品がどちらの構成をとっているのか、というのも判別は難しいものと思われる。
GPUコアクロックはリファレンスで925MHzに設定している。GeForce GTX 660が980MHzなので、そこから55MHzほど引き下げたことになる。また、GeForce GTX 650 Tiでは、GeForce GTX 660でサポートしていた「GPU Boost」に対応しない。GPUの温度などで余裕があったとしても、動作クロックは925MHzのままだ。
グラフィックスメモリでもGeForce GTX 660と多くの違いがある。GeForce GTX 650 Tiでは、バス幅が128ビットと狹く、グラフィックスメモリの転送レートも5.4Gbps相当に抑えている。GeForce GTX 660のバス幅が192ビットで、転送レートが6008Mbps相当だったため帯域は144.2Gバイト/秒だったが、GeForce GTX 650 Tiでは86.4Gバイト/秒にとどまる。ただし、GeForce GTX 650と比較すると、2倍以上の帯域があり、テクスチャロードなどの性能面でGeForce GTX 650を大きく上回ると考えられる。
GeForce GTX 650 TiのTDPは110ワットで、GeForce GTX 660から30ワット低い一方で、GeForce GTX 650から46ワットも増えた。ただし、補助電源コネクタは6ピン×1基のみだ。むしろ、GeForce GTX 650で6ピン×1基を用意しているのが、かなりマージンをとった仕様であるように思える。
今回の性能評価は、リファレンスデザインを用いて検証する。GeForce GTX 650 Tiを搭載するリファレンスカードは、短めの基板を採用しており、2スロットサイズのシングルファンクーラーが搭載されている。SLI用の端子は搭載していない。また、ディスプレイ出力端子は、mini HDMI、DVI-I、そして、DVI-Dというレイアウトで、GeForce GT 640や、それ以前のGeForce 500世代カードを思い起こさせるデザインだ。
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