さて、S2340T最大の特徴であるタッチパネルについて触れていこう。Windows 8のスタート画面やWindowsストアアプリはタッチ操作に最適化されているため、広々とした画面にゆったりと触って快適に操作できる。ソフトウェアキーボードもキーが大きく表示され、小型タブレットのように隣接するキーを押し間違えるようなことはないだろう。
ただし、23型ワイド画面のタッチ操作は手の移動量が多く、短時間の利用でもマウス操作に比べて腕や肩に負担がかかりやすい。画面の位置を設置面近くまで下げ、後ろに倒せば、肘を設置面についた姿勢でタッチできるようになるため、手をいちいち持ち上げてタッチするより楽に使える。
一方、デスクトップUIで使う場合はWindows 7と同様、タッチに最適化された操作画面ではないため、キーボードやマウスを使ったほうが効率がいい。
ディスプレイにUSB 3.0対応の第3世代Core i5搭載PCをつないで試したが、タッチの反応速度はよく、スクロールなどの操作でストレスを感じることはなかった。指紋や皮脂は目立ちにくいものの、長時間触り続けていると、皮脂でだんだんと滑りが悪くなってくるところは少し気になった。
スタンドは無段階で調節可能なものだが、タッチ操作でディスプレイがぐらつくといったことはない。さまざまな角度をつけ、マルチタッチで地図アプリを操作してみたが、いずれの角度でもスタンドは安定していた。
デスクトップPCと接続するほか、ノートPCの外付けディスプレイとしてもS2340Tは有用だ。普段はWindows 8対応のノートPCを持ち歩き、家ではノートPCを本製品に接続し、Webブラウジングや動画などを大画面&タッチ操作でまったりと楽しむといった利用シーンも想定できる。
S2340Tは、23型ワイドとタブレットデバイスよりサイズがかなり大きいため、複数人で大画面を見る/タッチするという使い方が可能だ。水平にせずとも、ディスプレイを設置面に付け、30度くらい傾ければ、複数人で画面を見てタッチしやすくなる。
実際にタッチ対応のゲームで対戦したり、1人がゲームで遊んでいるところを複数人で囲み、アドバイスをするといった使い方を試してみたが、想像以上に盛り上がった。画面を共有していれば、指示も出しやすいし、タッチ対応のゲームならば、手本を見せるのも楽だ。
ディスプレイを囲む人数が4人、5人と増えるのならば、水平にしたほうが見やすくなるが、その場合は本製品の設置場所が、人が集まるリビングのテーブル上などになるので悩ましいところだ。普段は机の上で使いたいとなっても、10.5キロはなかなか重く、動かしづらい。その場合は個人的に使うよりも、家族共用のものにしてしまったほうが運用は楽になる。
S2340Tはデルの直販サイトで販売を受け付けており、価格は5万4980円だ。反応のよい静電容量式の10点マルチタッチに対応し、画面を完全に寝かせることができるなど、ここまでWindows 8向けに設計され、しかもデスクトップPCのメインディスプレイとして十分使える画面サイズとスペックの外付けディスプレイは、現時点でこれくらいしか選択肢がないだろう。23型フルHD液晶ディスプレイとしては少し値は張るが、この仕様なら納得できる。
Windows 8の普及とともに、今後はタッチ対応のディスプレイが、これまで以上に普及すると思われる。これからディスプレイを買い換える、または新しく外付けディスプレイを購入するという方は、S2340Tを検討してはいかがだろうか。
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