“2画面Ultrabook”はまるで未来のガジェット?――「TAICHI21」徹底検証11.6型フルHD液晶デュアルの衝撃(4/6 ページ)

» 2012年12月06日 11時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

Ultrabookとしても上位の基本スペック

TAICHI21の内部構造。バッテリーの面積が大きく、基板類を奥に集めたUltrabookではよく見られる設計だ。CPUの熱はヒートパイプでつながれたファンで冷却される。ボトムカバーを外すには、底面に露出しているネジと、底面の奥にある2つの丸いゴム足をはがすと現われる隠しネジ2本(いずれもヘックスローブ)を外す必要がある

 基本システムは多くのUltrabookと同様、超低電圧版Ivy Bridge/ChiefRiver(いずれも開発コード名)のプラットフォームを採用しているが、スペックの内容はUltrabookとしては上位クラスだ。

 CPUはCore i7-3517Uを採用。動作クロックは1.8GHz、Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大3.0GHzで動作する。TDP(熱設計電力)は17ワットと低い。グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を用いる。

 チップセットはIntel QS77 Expressだ。メモリはPC3-12800 SDRAMを4Gバイト搭載している。Ultrabookではメモリがシングルチャンネルアクセスの製品も多いが、デュアルチャンネルアクセスによりメモリアクセスを高速化しており、抜かりがない。

 データストレージは、Serial ATA 6Gbps対応のSSDを採用しており、容量は約256Gバイトだ。今回試用した評価機のデバイスマネージャで確認してみると、「SanDisk SD5SE2256G1002E」と表示されていた。

CPU-Zで見たTAICHI 21の情報。CPUには超低電圧版のCore i7-3517Uを採用する(画面=左/中央)。デュアルコアでHyper-Threadingに対応しており、4スレッドの同時実行が可能だ。定格クロックは1.9GHz、Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大3.0GHzで動作する。メモリはDDR3-1600 SDRAMを採用しており、容量は4Gバイトを確保(画面=右)。デュアルチャンネルアクセスに対応しており、メモリ帯域は25.6Gバイト/秒と高速だ

タブレットモードは縦位置での利用も可能だ

 タブレットモードでの活用を考慮し、本体には電子コンパス、加速度センサー、ジャイロスコープといったセンサーも内蔵する。トップカバーを閉じたタブレットモードで本体を縦位置にすれば、表示の向きが縦方向に自動で切り替わる仕組みだ。

 通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を標準装備(Intel Centrino Advanced-N6235)している。有線LANは本体には内蔵していないが、USB接続の有線LANアダプタ(100BASE-TX対応)が付属している。

 本体装備の端子類は、2基のUSB 3.0のほか、Micro HDMI出力、mini VGA出力、マイク/ヘッドフォン共用端子を装備。Webカメラは内と外の両側に装備しており、内側が93万画素、外側が500万画素となっている。そのほか、本体側面には電源ボタンのほか、音量調整ボタン、画面ロックスイッチなどが用意されている。プリインストールOSは64ビット版Windows 8だ。

前面(写真=左)と背面(写真=右)にインタフェース類は用意されていない

左側面に画面ロックスイッチ、音量調整ボタン、mini VGA出力、USB 3.0、マイク/ヘッドフォン共用端子を装備(写真=左)。右側面には電源スイッチ、Micro HDMI出力、USB 3.0、ACアダプタ接続用のDC入力を搭載する(写真=右)。本体の厚さは17.4ミリ、液晶ディスプレイ部の厚さは実測で約7ミリと、2画面を感じさせない薄さだ

左側面のmini VGA出力端子に接続するD-Sub(アナログRGB)変換アダプタと、USBポートに接続する有線LAN(100BASE-TX)アダプタが付属する(写真=左)。ZENBOOKシリーズと同様、本体用と変換アダプタ用のキャリングケースが付属する(写真=中央)。本体用のキャリングケースにはペンを収納するスロットもある(写真=右)

TAICHI21のデバイスマネージャ画面。「汎用 PnP モニター」として2つのディスプレイが登録されているのが分かる。256GバイトSSDは「SanDisk SD5SE2256G1002E」とある

※記事初出時、デバイスマネージャの拡大画面に誤りがありました。おわびして訂正いたします(PC USER編集部/2013年1月20日21時)

Windows 8に最適化したタッチパッドも装備

 キーボードはキートップのみを露出させたアイソレーションタイプで、標準的な6列仕様だ。キーボードには暗所での視認性を高めるバックライトも内蔵しており、Fnキー+F3キー/F4キーで輝度を調整できる。

 主要キーのキーピッチは約19ミリ×16.5ミリで、縦が少し窮屈に感じるが、慣れで対応できるレベルではある。日本語87キーの配列も特にクセはないが、カーソルキーが実測で約8.5×7.5ミリと小さいため、カーソルキーを多用するユーザーは慣れるまでは打ちにくさを感じるかもしれない。

 キーボードのスイッチの感触はまずまず良好だ。また、あえて強めにタイプすると若干たわみを感じたが、気になるほどではない。

日本語87キーのアイソレーションキーボードを採用(写真=左)。F12キーの右隣にTAICHIキーを搭載する以外は自然なレイアウトだ。暗所で操作しやすいように、キーボードバックライトも備えている(写真=右)

 キーボードの手前にあるタッチパッドは、左右のクリックボタンが一体化したデザインを採用する。パッドの左下/右下を押すとパッド全体が沈んでクリックボタンの役割を果たす、いわゆるクリックパッドだ。センサー領域のサイズは105(横)×63(縦)ミリと十分に広い。指の滑りは標準的といったところだ。

 タッチパッドには「ASUS Smart Gesture」ユーティリティが導入されており、2本指での上下/左右スクロールや回転などのほか、Windows 8のチャーム表示/非表示や、Windows 8ストアアプリの切り替えといったジェスチャー機能も利用できる。

タッチパッドには、ASUSオリジナルのドライバが導入されている。使える機能は「ASUS Smart Gesture」ユーティリティで確認できる。パッド右端から内側へのスワイプでチャームの表示、左端から内側へのスワイプでアプリの表示切り替えなど、Windows 8のタッチ操作と対応した機能も備えている

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