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米軍調達基準を満たすタフな14型Ultrabook――「HP EliteBook Folio 9470m」に迫る薄いだけじゃ満足できぬ(2/3 ページ)

» 2013年02月19日 13時30分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

見やすい広さの14型ワイドディスプレイ、打ちやすいキーボードを装備

 液晶ディスプレイのサイズは14型ワイドで、解像度は1366×768ドットだ。昨今のUltrabook製品は1600×900ドットやフルHD(1920×1080ドット)対応の製品もあるが、実売価格帯が10万円未満のビジネス向けPCとしては標準的な解像度といえる(本機は7万9800円)。画面を長時間見続けても疲れにくいように、表面はノングレアとなっている。輝度は21段階の調整が可能だが、最大輝度にすると少々明るすぎるので、14〜16段階程度で使用するとちょうどよい。

photophoto 14型ワイドディスプレイは1366×768ドット表示に対応する。目視では青みが強い印象を受けた(写真=左)。液晶ディスプレイは約135度まで開く(写真=右)

 キーボードは6段配列のアイソレーションタイプを採用し、バックライトも搭載する。主要キーのキーピッチは19ミリと十分な間隔を確保しているが、右端にHome/Page UP/Page Down/Endキーを配置したことで、Enterキーや右Shiftキーなどのサイズが小さくなったことは気になる。特にEnterキーは横幅が10ミリ程度しかない部分もあり、慣れないうちは誤操作することが多かった。また、BackSpaceキーの右、Deleteキーの下にあるHomeキーも誤って押しやすいので注意したい。

photophoto キーボードは6段配列のアイソレーションタイプ。キーストロークは約2ミリとUltrabookとしては深いので、押し心地がよい。タッチパッドのサイズは105(幅)×59(奥行き)ミリだ(写真=左)。キーボードの右上にはワイヤレス通信のオン/オフを切り替えるボタンと消音ボタンを配置する(写真=右)

 キーストロークは約2ミリとUltrabookとしては深い部類に入る。キーに適度な反発力もあり、確かな押下感があるため心地よくタイプできる。意識して強めにタイピングしてもたわまないなど、打ちやすさは高く評価できる。なお、キーボードの右奥にはワイヤレス通信のオン/オフを切り替えるボタンと消音ボタンを配置している。

photo タッチパッドのドライバはシナプティクス製で、2本指や3本指のジェスチャー操作に対応する

 ポインティングデバイスはタッチパッドとスティックの2種類を搭載する。Webブラウズでは2本指でのスクロールなどが楽に行える大型のタッチパッドを使い、文章作成時はホームポジションから手を動かさずスティックで素早く操作するなど、デュアル仕様ならではの使い分けが可能だ。

 タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバが導入されており、2本指でのスクロールやつまみズーム、回転に対応する。左上をダブルタップすると、タッチパッドの有効/無効を切り替えられるのは、HPのノートPCではおなじみの機能だ。通常はUSBマウスを接続して使うときに有用な機能だが、本機はスティックだけを使う場合にも役立つ。

個人向けUltrabookと性能を比較

 下位モデルとなる評価機の構成は、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i3-3217U(1.8GHz)、メモリが4Gバイト(4Gバイト×1、PC3-12800)、ストレージが320GバイトHDDとキャッシュ用の32GバイトSSD(mSATA、Intel Smart Response Technology対応)、グラフィックスがCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000、プリインストールOSが64ビット版Windows 7 Professional(64ビット版 Windows 8 Proダウングレード権を使用)となる。

photophotophoto デバイスマネージャで評価機の構成を確認した

 Windows 7標準のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、CPU統合グラフィックスを利用したグラフィックスが最も低く5.0だった。データストレージもキャッシュ用SSDの効果は出ないため、プライマリハードディスクのスコアは5.9にとどまっているが結果は上々だ。

photophoto Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(画面=左)。CrystalDiskMark 3.0.2のスコア(画面=右)

 ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、PCMark Vantage、3D系ベンチマークテストの3DMark06、3DMark Vantage、ストリートファイターIV ベンチマーク、モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】で行った。参考として、HPの15.6型Ultrabook「ENVY6-1000」(2012年夏モデル)と13.3型Ultrabook「HP Folio 13-1000」(2012年春モデル)のスコアを併記する。

 ENVY6-1000はCPUがCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)や8Gバイトメモリ(4Gバイト×2、PC3-12800)、500GバイトHDD+32GバイトSを搭載している。HP Folio 13-1000のスペックはCore i5-2467M(1.6GHz/最大2.3GHz)、4Gバイト(PC3-10600、4Gバイト×1)、128GバイトSSDだ。

photophotophoto PCMark 7のスコア(グラフ=左)、PCMark Vantageのスコア(グラフ=中央)、3DMark06(写真=右)。PCMark Vantageの総合スコアはFolio 13-1000が突出しているが、これはSSDを搭載していることでストレージのスコアが高いためだ
photophotophoto 3DMark Vantageのスコア(グラフ=左)。ストリートファイターIV ベンチマークのスコア(写真=中央)と、モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】(写真=右)のスコア。3D系のテストでは、CPU統合グラフィックスにIntel HD Graphics 4000を採用しているFolio 9470mとENVY6-1000のスコアが高い

 HP EliteBook Folio 9470mは搭載するCPUがCore i3ということもあり、性能面に不安はあったものの、“Sandy Bridge”世代のCore i5を搭載するUltrabook「Folio 13-1000」と同等のスコアを出すなど健闘している。さらに高いスペックを求めるならば、Core i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)やCore i5-3427U(1.8GHz/最大2.8GHz、vPro対応)を搭載する上位モデルを選べばよい。

HP EliteBook Folio 9470mの主な仕様
OS 32ビット版 Windows 7 Professional(SP1)
CPU Core i3-3217U(1.8GHz) Core i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz) Core i5-3427U(1.8GHz/最大2.8GHz、vPro対応)
メモリ 4Gバイト×1(PC3-12800、最大8Gバイト)
ストレージ 320GバイトHDD+32GバイトSSD(mSATA) 180GバイトSSD
価格(税込み) 7万9800円 9万9750円 12万6000円

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