←・15.5型と14型をまとめてチェック:薄型ボディとタッチ液晶にこだわる新ホームノートPC――「VAIO Fit」実力診断(前編)
前回に引き続き、ソニーが5月18日から順次発売するホームノートPC「VAIO Fit」のレビューをお届けする。
今回はエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」を用いて、「VAIO Fit 15」と「VAIO Fit 14」が搭載する液晶ディスプレイの表示を計測してみた。VAIO Fit 15は1920×1080ドット表示の15.5型ワイド液晶、VAIO Fit 14は1600×900ドット表示の14型ワイド液晶と、いずれも十分な解像度を備えているのが特徴だ。
計測結果は下表にまとめた。
i1 Display Proで計測したVAIO Fitの液晶ディスプレイ表示 | ||
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製品名 | VAIO Fit 15 | VAIO Fit 14 |
液晶パネル | 15.5型ワイド | 14型ワイド |
解像度 | 1920×1080ドット | 1600×900ドット |
駆動方式 | TN(編集部調べ) | TN(編集部調べ) |
輝度(最大) | 290カンデラ/平方メートル | 285カンデラ/平方メートル |
色温度 | 7381K | 7647K |
輝度は最大値に設定。後述する「色モード」は適用していない状態(色モードを適用した状態では計測できない)。液晶ディスプレイの表示を安定させるため、全画面に白を表示して1時間程度待ってから計測した |
輝度はVAIO Fit 15のほうが少しだけ高いが、どちらも十分に明るい。色温度はVAIO Fit 15が7381K、VAIO Fit 14が7647Kと出ており、PCで標準的な色規格であるsRGBの6500Kに比べて少し高い。レビュー前編では、やや青っぽい色味と表現したが、それを裏付ける計測結果だ。
続いて、計測結果に示されるRGBガンマカーブの補正状況は以下の通りだ。
このグラフは入力と出力の関係が1:1の直線であることが望ましいが、どちらのモデルも青のラインだけが大きく下がっている。これは青の入力信号に対して出力が強いのを弱める補正がなされたことを意味する。つまり、初期状態では青みが強めに出ていることが分かる。また、VAIO Fit 15は赤のラインがやや上振れしており、こちらは逆に赤の出力が弱いのを強める補正が行われた。
次にi1 Display Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、それぞれの色域を比べてみた。結果は以下の通りだ。
VAIO Fit 15のほうが色域は広く、色鮮やかな表示となっている。参考までにsRGBの色域をグレーで重ねたが、VAIO Fit 15は緑から黄色にかけてsRGBの色域を少し上回る一方、そのほかの部分はsRGBより一回り狭い。VAIO Fit 14は青のピークを除いて、全体的にsRGBよりかなり狭い色域となっている。
特にVAIO Fit 14はsRGBプロファイルの画像を正確な色で再現したり、鮮やかな赤や緑を表現するには力不足だが、高画質のディスプレイを並べて見比べなければ、不満は感じないレベルだろう。スタンダードなノートPC用の液晶パネルとしては、標準的な発色といえる。
なお、VAIO Fit 15/14は独自の画質設定機能を持つ。「VAIOの設定」の「画質」メニューにある「ディスプレイの色モード」から、好みや用途に応じた色モードを選択することが可能だ。
色モードがオフになる「色モードを指定しない」、高彩度域の色とコントラストが強調される「鮮やか」、オフに近いがわずかに色温度が下がる「ナチュラル」、暖色系から寒色系までスライドバーで色味を調整できる「テキスト」の4つの設定が用意されている。色温度が高く青っぽい表示が気になるならば、テキストモードで赤っぽく微調整してもよいだろう。
ほかのVAIOノートには、表示するコンテンツに応じて色モードが自動で切り替わる機能を備えた製品もあるが、VAIO Fit 15/14は手動での選択に限られる。
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