薄型ボディとタッチ液晶にこだわる新ホームノートPC――「VAIO Fit」実力診断(前編)15.5型と14型をまとめてチェック(3/4 ページ)

» 2013年05月08日 07時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

タッチ操作に最適化したフルHD液晶ディスプレイを搭載

1920×1080ドット表示の15.5型ワイド液晶ディスプレイは、LEDバックライトを搭載。表面仕上げは光沢があるグレアだ

 液晶ディスプレイのサイズは15.5型ワイドで、1920×1080ドットのフルHD表示に対応する。画素密度でいえば約142ppiで、標準的な13.3型の1366×768ドット(約119ppi)表示などと比べて、ドットの粗さが目立たず、品のあるきめ細かな表示だ。

 広視野角のIPSパネルではないが、TNパネルとしては左右の視野角は広めで、輝度も十分にあり、見た目の印象は良好だ。上下の視野角は狭いが、ヒンジの角度は約140度まで開くので、調整して使えば実用上困らないと思われる。表面は光沢あるグレアタイプで映り込みがあり、色味はやや青が強く見える。

 10点マルチタッチに対応した静電容量式タッチセンサーを搭載しており、指で画面に直接触れて操作でき、Windows 8の特徴である、タッチによる軽快なUIエクスペリエンスをフルに楽しめる。指の滑りや感度などは標準的だ。

 タッチパネルの搭載は事実上の先代モデルであるVAIO Tシリーズ15からだが、一部のユーザーから「タッチ操作で画面を触れることによってヒンジや画面が動いてしまう」という指摘が寄せられたことを受けて、ヒンジの構造を見直している。ヒンジ軸に固定された本体側と天面側の構造板を延長して、液晶画面全体をしっかり支える構造にするとともに、開いたトップカバーの端が接地した状態でチルト角度を微調整できるようにデザインされている。

 実際に評価機を使ってみると、やや強めに押し込むようにタッチしても画面の角度は変わらず、最初に調整した通りの角度のままだった(触れた際に揺れるような動きがまったくないわけではないが)。タッチパネルの操作性に難はない。

ヒンジの構造板を延長しつつ、開いたトップカバーの端が接地した状態でチルト角度を調整できるようにすることで、画面をタッチしてもディスプレイ部がふらつかず安定した操作が可能だ。液晶ディスプレイ部は約140度まで開く

 キーボード奥のヒンジ近くにはステレオスピーカーを内蔵している。2スピーカーだけで仮想サラウンド空間を再現できる「S-Forcce Front Surround 3D」に対応するほか、細かい調整なしで簡単にいい音を楽しめる「Clear Audio+」機能が用意され、音楽、映画、それぞれのコンテンツに最適化した音が味わえる。最近は音質にこだわったPCが多くあるので、特筆するほど高品質というわけではないが、大画面ノートPCの平均以上にあるサウンドだ。

ステレオスピーカーはデザインのノイズにならないよう、ヒンジ部に内蔵されている(写真=左)。2スピーカーだけで仮想サラウンド空間を再現できる「S-Forcce Front Surround 3D」に対応する。「Clear Audio+」機能により、細かい調整なしに音楽、映画、それぞれのコンテンツに最適化した音が楽しめる(写真=右)

テンキー付きのゆとりのあるキーボードを搭載

テンキー付きのアイソレーションキーボードは、ゆとりのあるデザインだ

 キーボードは、キートップのみを露出させたアイソレーションキーボードを採用。バックライトを内蔵しており、自動調光機能はないものの、点灯の仕方を「VAIOの設定」から指定できる。「常に点灯する」「いずれかのキーを押したときに点灯する」「点灯しない」の3つから選択でき、ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時で点灯の仕方を変えることも可能だ。

 配列はテンキーを備えた6段仕様を採用しており、キーピッチは実測値で約19(横)×18.5(縦)ミリを確保する。Enterキーと右のテンキーとの間隔は約5ミリと、広く空いているわけではないが、キーボード全体のサイズにゆとりがあり、Enterキーも大きめに確保されているので、ミスタイプしやすいほどではない。

 キーストロークは1ミリ程度と浅い。入力時に意識して強く押せば、Enterキー周辺が軽くたわむ感覚があるものの、スイッチの感触は適度でタッチ感は良好だ。

 キーボードの奥には「ASSIST」ボタンがあり、これを押すとサポート情報の表示やVAIOの状態診断などが行える「VAIO Care」を起動できる。

キーボードバックライトの点灯の仕方は、「VAIOの設定」から行える

 キーボードの手前のポインティングデバイスは、タッチパッドの左下と右下がそれぞれボタンとして機能する、いわゆるクリックパッド型だ。実測で105(横)×65(縦)ミリと大型のパッドで、複数の指を置いても狭い印象はない。パッド表面の滑りも良好だ。

 シナプティクス製のドライバが導入されており、2本指をなぞることでの上下/左右スクロール、2本指の開閉による拡大/縮小、2本指をパッド上で回すことによる回転などのマルチタッチジェスチャー機能が利用できる。また、ユーティリティには特に記載がないが、パッドの右端からのスワイプ動作によるチャームバー表示も可能だ。

クリックパッドにはNFCが内蔵されており、開封した状態ではNFCロゴ入りの透明フィルムが貼られている(写真=左)。使用時はこれをはがす。クリックパッドにはシナプティクス製ドライバが導入されており、マルチタッチジェスチャー機能が利用できる(画像=右)

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