薄型ボディとタッチ液晶にこだわる新ホームノートPC――「VAIO Fit」実力診断(前編)15.5型と14型をまとめてチェック(2/4 ページ)

» 2013年05月08日 07時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

低電圧のCPUとメモリを採用、ストレージはハイブリッドHDD

 基本スペックはUltrabookと同様に、超低電圧版のIvy Bridge/Chief Riverプラットフォーム(開発コード名)を採用している。据え置き型を前提にした大画面ノートPCでありながら、通常電圧版でなく超低電圧版のCPUと低電圧仕様のメモリを採用している点は、VAIO Tシリーズ15と共通だ。

 CPUにはCore i7-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz)を搭載する。2013年1月にIntelが発表し、その後登場したUltrabookの多くに採用されているCPUだ。TDP(熱設計電力)は17ワットと低く抑えられている。グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を利用する。

 メモリは低消費電力(1.35ボルト)のPC3L-12800(DDR3L-1600)を採用し、容量は8Gバイトを搭載する(オンボード4Gバイト+メモリモジュール4Gバイト)。メモリは専用スロットで交換不可とされている点は注意したい。2組のメモリに同時アクセスすることで転送速度を高速化する、デュアルチャンネルアクセスに対応している。

CPU-Zの情報表示画面。CPUにCore i7-3537Uを採用している(画像=左/中央)。デュアルコアでHyper-Threadingに対応しており、4スレッドの同時実行が可能だ。定格クロックは2.1GHzだが、Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大3.1GHzで動作する。TDPは17ワットだ。メモリは低電圧駆動(1.35ボルト)のPC3L-12800(DDR3L-1600)を採用し、容量は8Gバイトを搭載する(画像=右)。2組のメモリに同時アクセスすることで転送速度を高速化するデュアルチャンネルアクセスに対応し、メモリ帯域は25.6Gバイト/秒と高速だ

データストレージには、8GバイトのNANDフラッシュメモリを内蔵した1TバイトのハイブリッドHDD(5400rpm)を採用。フラッシュメモリをHDDのキャッシュとして利用する仕組みにより、低コストでSSDに近いレスポンスと大容量の両立実現した。デバイスマネージャで確認したところ、評価機に搭載されていたハイブリッドHDDは「TOSHIBA MQ01ABD100H」だった

 データストレージは、8GバイトのNAND型フラッシュメモリをキャッシュ用として搭載した2.5インチ/1TバイトのハイブリッドHDD(Serial ATA対応/5400rpm)だ。ハイブリッドHDDは、小容量のNANDフラッシュ(SSD)をHDDのキャッシュとして利用することにより、低コストで高レスポンスと大容量を両立できる。

 ボディ右側面にはトレイ式のBD-REドライブ(BD-XL対応)を搭載している。

 通信機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0+HSを標準装備。端子類は左側面にすべてまとめられており、HDMI出力、2基のUSB 3.0(うち1基は電源オフ時の給電に対応)と1基のUSB 2.0、ヘッドフォン/マイク兼用端子、SDXC対応SDメモリーカードスロットという内容だ。カードスロットについては、これまでVAIOでサポートし続けてきたメモリースティックが非対応となった。

 また、タッチパッド部分にNFCセンサーを内蔵し、NFC搭載のスマートフォンで閲覧していたWebサイトをタッチするだけでVAIOに転送して大画面で表示したり、VAIOで聴いている音楽をNFC対応のスピーカーやヘッドフォンにタッチしてワイヤレス再生したりと、対応機器と手軽に連携できる。液晶ディスプレイの上部には、高感度特性に優れた"Exmor R for PC" CMOSセンサーを採用した有効画素数92万画素のWebカメラを搭載している。

 プリインストールOSは64ビット版のWindows 8だ。オフィススイートとして「Microsoft Office Home and Business 2013」を導入しているほか、「Imagination Studio VAIO Edition」に「Adobe Photoshop Elements 11」といった動画/静止画編集ソフトが標準で付属する。

前面の中央にはインジケータを配置(写真=左)。利用時にディスプレイ部が回り込む背面にインタフェース類はない(写真=右)
左側面にSDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力、2基のUSB 3.0、1基のUSB 2.0、HDMI出力、開閉式の有線LANポート、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ(写真=左)。右側面にはトレイ式のBD-REドライブ(BD-XL対応)を内蔵している(写真=右)
2基のUSB 3.0ポートのうち奥側のポートは、電源オフ/スリープ/休止状態での充電にも対応する。標準ではオフになっており、「VAIOの設定」で設定が行える(画像=左)。店頭モデルの「Adobe Photoshop Elements 11」は体験版でないフルバージョンが付属している(画像=右)

 なお、直販サイトのソニーストアで購入できるVAIOオーナーメードモデルでは、OSや付属ソフトのほか、CPUやメモリ容量、データストレージなどをいくつかの選択肢から選んで柔軟に構成してオーダーできる。

 CPUの選択肢としてCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、Core i3-3227U(1.9GHz)、Pentium 2117U(1.8GHz)が用意されており、グラフィックス機能もCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000のほか、GeForce GT 735M(グラフィックスメモリは2Gバイトもしくは1Gバイト)を選択可能だ。メモリは最小4Gバイトから最大12Gバイトまで、ストレージは最大512GバイトのSSDや、ハイブリッド型でない通常のHDD(750Gバイト/500Gバイト)も選べる。

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