続いて、PCMark 7の一世代前のベンチマークテストであるPCMark Vantageの結果も見てみよう。一転して、こちらのスコアはかなり得意、不得意がはっきりしている。Windows Defender、gamingではほかの3台に大きく見劣る一方、application loadingはほかの3台を圧倒するスコアをマークしている。スコアのよくない2項目はほぼリードオンリーの処理という点で共通している。ほかのテストの傾向からすれば、細かいサイズの単発のランダムリードが頻繁に含まれているのかもしれない。
最後に消費電力を見てみよう。アイドル時のほか、テキストファイルと静止画(JPEG)で構成した合計500Mバイトの読み/書きの時の消費電力と、2〜3Gバイトの動画ファイル(MP4)で構成した合計約10Gバイトの読み/書き時の消費電力を計測した。
結果は、アイドル時が少し高めな点はやや気になるが、128Gバイトモデルということを考えても、リード時最大1.6ワット、ライト時最大2.5ワットという数字は優秀。同容量のm4に比べて確実なアドバンテージがあり、19ナノメートルNAND採用の最新世代ならではの低消費電力といえる。
これまでの検証結果をまとめると、シーケンシャルリード/ライトはトップクラスといってよい性能を持っている。ランダムアクセスを含めた総合的なパフォーマンスは、トップ集団よりは一歩見劣る、といったところだろうか。ただ、今回テストしたのは、128Gバイトモデルであり、シリーズ中最速の512Gバイトモデルならまた少し違う結果が出るかもしれない。
もっとも、128Gバイトモデルでもこれだけの性能を持っているということは、本製品の大きなアドバンテージでもあるだろう。下の表に現行最速クラスを含めて128Gバイトクラスのモデルの公称スペックをまとめたが、シーケンシャルライトにおいては公称値でも本製品の実測値に及ぶ製品は存在しない。
各社120GバイトクラスSSDの公称スペック | |||||
---|---|---|---|---|---|
メーカー | CFD販売 | Samsung | OCZ | PLDS | Micron |
シリーズ名 | CFD-S6TNHG5Q | Samsung 840PRO | OCZ Vector | Plextor M5Pro | Crucial M500 |
型番 | CSSD-S6T128NHG5Q | MZ-7PD128B/IT | VTR1-25SAT3-128G | PX-128M5P | CT120M500SSD1 |
シーケンシャルリード | 530MB/s | 530MB/s | 550MB/s | 540MB/s | 500MB/s |
シーケンシャルライト | 490MB/s | 390MB/s | 400MB/s | 330MB/s | 130MB/s |
大容量のSSDを求めるニーズがある一方で、SSDとHDDを積極的に使い分けているユーザーからの「小容量でいいから高速なSSDが欲しい」というニーズも確実に存在する。システム用、あるいはキャッシュ用と割り切って使うならば、128Gバイトはまだまだ十分な容量だ。大容量化とともに小容量モデルの性能は軽視されがちな傾向にある中で、128Gバイトでこれだけの性能をもつSSDは貴重な存在といえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.