ソニーは6月10日、軽量モバイルノートPCの新機種として、11.6型モデル「VAIO Pro 11」および13.3型モデル「VAIO Pro 13」を発表した。店頭販売向けの標準仕様モデルと、購入時に仕様が選択できるソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデルを用意し、2013年6月22日に発売する。
VAIO Pro 11とVAIO Pro 13は、11型クラスと13型クラスのタッチパネル搭載Ultrabookにおいて世界最軽量(2013年6月10日時点、同社調べ)をうたう、クラムシェル型モバイルノートPC。Ultrabookで最軽量クラスの薄型かつ高剛性のボディ、入力しやすいキーボード、ソニーの高画質技術を盛り込んだディスプレイが特徴だ。
ハイエンドモバイルノートPC「VAIO Z」の長所(薄型軽量、ハイスペック)と短所(タイミングが軽い、高価格)、Ultrabook「VAIO T」の長所(充実の基本性能、タッチ対応)と短所(厚い、重い、液晶のフレーム部が太い)をユーザー調査した結果から、長所を維持しつつ、短所を克服することで、完成度の高いモバイルノートPCを目指した。
店頭モデルのラインアップは、VAIO Pro 11のタッチパネル付き上位機「SVP11219CJB・S」(ブラック、シルバー)、タッチパネルなしの下位機「SVP11218CJBI」(ブラック)、VAIO Pro 13のタッチパネル搭載機「SVP13219CJB・S」(ブラック、シルバー)と、3機種5モデルを用意。価格はオープン、実売価格はそれぞれ17万円前後、16万円前後、15万円前後の見込みだ。


VAIO Pro 13のカラーバリエーション。タッチパネル付きのブラック(天面にヘアライン入り)、タッチパネル付きのシルバー、タッチパネルなしのブラック(天面にヘアラインなし)。VAIO Pro 13でタッチパネルなしの構成が選べるのは直販モデルのみ11.6型のVAIO Pro 11は、タッチパネル非搭載で約770グラム、タッチパネル搭載で約870グラムの軽量ボディを実現。13.3型のVAIO Pro 13も、タッチパネル非搭載で約940グラム、タッチパネル搭載で約1060グラムと軽量だ(タッチパネル非搭載の構成は直販モデルのみ)。ボディの天面と底面には、一般的なクロスカーボンより軽くて剛性が高い東レ製の「UDカーボン」を採用し、軽量と堅牢性の両立を図っている。
本体サイズは、VAIO Pro 11のタッチパネル搭載時で285(幅)×197(奥行き)×13.2〜17.2(高さ)ミリ、タッチパネル非搭載時で285(幅)×197(奥行き)×11.8〜15.8(高さ)ミリ、VAIO Pro 13のタッチパネル搭載時で322(幅)×216(奥行き)×12.8〜17.2(高さ)ミリだ。
なお、第4世代Core搭載のUltrabookでは、タッチパネル付きディスプレイの搭載が要件に含まれるため、タッチパネル非搭載の構成はUltrabook準拠の製品とならない。
軽量ボディながらバッテリー駆動時間にもこだわっており、VAIO Pro 11は約11時間、VAIO Pro 13は約13時間としている。さらに別売の外付けバッテリーを装着すれば、それぞれ約23時間、約26時間まで駆動時間を延長することも可能だ。


断面を六角形状にした「ヘキサシェルデザイン」で堅牢性を強化しているのはVAIO Z譲りだが、フルフラットボディではなく、前面に向かって薄くなるデザインを採用した。底面にもVAIOロゴを入れ、ネジ穴や余計な凹凸がないデザインに仕上げているキーボードのキーピッチはVAIO Pro 11で約17ミリ、VAIO Pro 13で約19ミリ、キーストロークはどちらも約1.4ミリだ。ゆとりのあるキーピッチと、薄型ノートPCのキーボードとしては深めのキーストロークを確保しつつ、パームレストの手前を低くして設置面との段差を抑えることで、クラムシェル型ノートPCに求められる文字の打ちやすさに配慮した。暗所で点灯するキーボードバックライトも備えている。
液晶ディスプレイのヒンジは可変トルクを採用。閉じた状態から垂直くらいまで開けるのには軽い力で済み、そこから固くなる仕様だ。ヒンジが本体の下に回り込みつつ、ヒンジが固くなることで、画面へのタッチ操作で液晶ディスプレイがぐらつかないよう工夫している。
液晶ディスプレイはIPS方式で1920×1080ドット(フルHD)表示に対応。広色域、高輝度、高解像度をうたう「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用している。
独自のカラーフィルターで色域を広げたほか、バックライトの光を正面に集中させるようプリズムや導光板を変更して省電力に配慮した「集光バックライト」、低ビットレート映像などのノイズを抑えて高画質化する「X-Reality for mobile」、用途別の「色モード」設定(あざやか、ナチュラル、テキスト)などの機能を盛り込んだ。
ボディにはステレオスピーカーとデュアルマイクを内蔵し、CLEAR PHASE、xLOUD、S-FORCE Front Surround 3D、ClearAudio+モードといった音響効果に対応する。
店頭モデルの基本スペックは共通化されており、3機種とも第4世代Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)、4Gバイトメモリ(DDR3L-1600/オンボード)、128GバイトSATA SSDを搭載。グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphics 4400を使用する。
通信機能は、IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0+HS、NFCを標準装備。インタフェース類は、2基のUSB 3.0、HDMI出力、音声入出力端子、SDXC対応SDメモリーカードスロット、有効92万画素のHD Webカメラ(“Exmor R for PC” CMOSセンサー内蔵)を搭載する。OSは64ビット版Windows 8、オフィススイートはOffice Home and Business 2013だ。
さらにソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデルでは、第4世代Core i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)、8Gバイトメモリ(Pro 13のみ)、256GバイトSATA SSD(Pro 11のみ)、512Gバイト/256GバイトPCIe SSD(Pro 13のみ)、内蔵セキュリティチップ、液晶保護フィルム貼り付けサービス、64ビット版Windows 8 Proなどが選択可能だ。VAIO Pro 13のみで選択できるPCIe接続のSSDは、6GbpsのSATA SSDより高速な20Gbpsのデータ転送速度に対応する。
主なカスタマイズメニューは以下の通り。VAIOオーナーメードモデルの直販価格はVAIO Pro 11(SVP1121A1J)が12万8800円から、VAIO Pro 13(SVD1321A1J)が15万2800円からだ。
純正アクセサリは、底面に装着するシートバッテリー「VGP-BPSE38」(9980円)、付属品と同じUSB給電機能搭載のACアダプタ「VGP-AC10V9」(7980円)、純正ACアダプタ対応のUSB接続Wi-Fiルータ「VGP-WAR100」(3980円)を用意している。VGP-WAR100は、ホテルなど有線LANでのインターネット接続を無線LANで共有できるようにするWi-Fiルータだ。2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに準拠し、純正ACアダプタにUSBで接続して(電源を得て)使用する。


底面に装着するシートバッテリーはVAIO Pro 11とVAIO Pro 13で同じものが利用できる(写真=左/中央)。付属のACアダプタは標準でUSB充電機能を備えており、ここに装着して利用するWi-Fiルータ「VGP-WAR100」も用意している(写真=右)| VAIO Pro 11/13直販オーナーメードモデルのCTOメニュー | ||
|---|---|---|
| カスタマイズメニュー | VAIO Pro 11(SVP1121A1J) | VAIO Pro 13(SVD1321A1J) |
| OS | 64ビット版Windows 8、64ビット版Windows 8 Pro | |
| カラー | ブラック(タッチパネルあり)、シルバー(タッチパネルあり)、ブラック(タッチパネルなし) | |
| CPU | Core i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)、Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz) | |
| メモリ | 4Gバイト(オンボード) | 8Gバイト(オンボード)、4Gバイト(オンボード) |
| ディスプレイ | 11.6型ワイド(1920×1080ドット IPS) | 13.3型ワイド(1920×1080ドット IPS) |
| ストレージ | 256GバイトSATA SSD、128GバイトSATA SSD | 512GバイトPCIe SSD、256GバイトPCIe SSD、128GバイトSATA SSD |
| モバイルデータ通信モジュール | なし | |
| バックライト付きキーボード | 日本語配列(かな表記あり)、US配列 | |
| バッテリー | 内蔵+シート、内蔵のみ | |
| VGAアダプタ | あり、なし | |
| ワイヤレスルータ | あり、なし | |
| セキュリティチップ | あり、なし | |
| 液晶保護フィルム貼り付けサービス | あり、なし | |
| Office | Office Professional 2013、Office Home and Business 2013、Office Personal 2013、なし | |
| RAW現像・写真管理ソフト | Adobe Lightroom 4、なし | |
| PDFソフト | Adobe Acrobat、なし | |
| 写真・動画編集ソフト | Adobe Premiere Elements 11&Adobe Photoshop Elements 11、Adobe Premiere Elements 11、Adobe Photoshop Elements 11、Adobe Premiere Elements 11&Adobe Photoshop Elements 11(30日限定版)、なし | |
| 日本語入力ソフト | ATOK 2013(電子辞書セット)、ATOK 2013(広辞苑セット)、ATOK 2013、ATOK 2013(30日限定版) | |
| セキュリティソフト | ウイルスバスタークラウド(36カ月版・保証付き)、ウイルスバスタークラウド(36カ月版)、ウイルスバスタークラウド(24カ月版)、ウイルスバスタークラウド(15カ月版)、ウイルスバスタークラウド(90日限定版) | |
| 保証 | 3年ベーシック、3年ワイド | |
| VAIO Pro 11/13店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
| VAIO Pro 13 | SVP13219CJB・S (2色) | ゼロスピンドル (Ultrabook) | 新シリーズ | Core i5-4200U (1.6GHz/最大2.6GHz) | 4GB (DDR3L) | 128GB SSD | 64ビット版 Windows 8 | 17万円前後 |
| VAIO Pro 11 | SVP11219CJB・S (2色) | ゼロスピンドル (Ultrabook) | 新シリーズ | Core i5-4200U (1.6GHz/最大2.6GHz) | 4GB (DDR3L) | 128GB SSD | 64ビット版 Windows 8 | 16万円前後 |
| SVP11218CJBI (ブラック) | ゼロスピンドル | 新シリーズ | Core i5-4200U (1.6GHz/最大2.6GHz) | 4GB (DDR3L) | 128GB SSD | 64ビット版 Windows 8 | 15万円前後 | |
| VAIO Pro 11/13店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
| シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV/オフィス | 重量 |
| VAIO Pro 13 | SVP13219CJB・S (2色) | 13.3型ワイド | 1920×1080 (タッチパネル対応) | CPU統合 | − | CPU統合 (HD 4400) | Office Home and Business 2013 | 約1.060キロ |
| VAIO Pro 11 | SVP11219CJB・S (2色) | 11.6型ワイド | 1920×1080 (タッチパネル対応) | CPU統合 | − | CPU統合 (HD 4400) | Office Home and Business 2013 | 約870グラム |
| SVP11218CJBI (ブラック) | 11.6型ワイド | 1920×1080 | CPU統合 | − | CPU統合 (HD 4400) | Office Home and Business 2013 | 約770グラム | |
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