もちろんPCは今後もなくならない。ただ、PCを軸に、ほかの機器も使い方に応じて使い分け・使いこなすスタイルが一般的になっていく。機器の進化・ニーズの移り変わりとともに、客層も変わりつつある中、PC単体が/タブレット単体が──といった商品単体でなく、このようなスマートデバイスとの連携を意識した製品群を積極投入することでそれがPCの付加価値になり、総じてユーザーの付加価値になるというのが同社の「PC+」戦略の考え方としている。
客層が変わりつつあるというのはどういうことか。(日本は少し違うが)ワールドワイドで見ると、人口の60%が30歳以下。2012年はThinkPad誕生20年だったことも含め、、35歳前後とする主力のターゲットは「物心ついたときからデジタル機器を使っていた層」である。そんな“肥えた”層には、PCを軸に据えつつもプラスαの何かがないと響かない。PC+は、「ニーズに合わせた豊富なラインアップ(=選べる)」「使用目的に合わせたスペックを提供(=高性能)」「ニーズとスペックに合わせた価格(=コストパフォーマンス)」をテーマに推進する。また、PC世界シェア2位のコストメリットを生かし「プライスについてもどんどん追求してきたい。これがレノボの使命」(レノボ・ジャパン コンシューマ製品事業部製品統括の櫛田弘之部長)という。


NEC レノボ・ジャパングループが推進する「PC+」の事業戦略。成長の鍵として「どこを守り(PC製品販売とシェア)、どこを攻めるか(PC+対象のデバイス)。そしてNEC協業ならではの“日本ユーザーに向けたていねいな製品づくりができるシナジー効果”を最大限に活用」を据える「PC+の提案は、PCがなくなるので──ではもちろんない。ただ、現在の市場はスマートデバイスがPCを侵食するというより、明確にカテゴリが分けられて販売されている現状がある。NEC レノボ・ジャパン グループとしてはそうではなく、それぞれのデバイスのあり方を改めて定義し、その使い方まで含めた点をPCトップメーカーとして提案し、それを大きな価値と感じてもらえるよう今後活動したい。
特にタブレットは“PC+”を具現化する製品群とする位置付け。だが、レノボとしても“どう使うと一番いいか”を提案できていなかった。うまく適切に伝わっていなかった。今後、“PC+”戦略として国内シェアトップのきめ細かさ、外資系企業としてのラインアップの広さを武器に、日本ユーザーへ積極的に価値提案を行いたい。“消費者がワクワクする”ような製品、このグループであればできると思う」(レノボ・ジャパンの留目執行役員専務)


PC+提案の1例、27型“タブレット”(テーブルPC)「IdeaCentre Horizon」を参考展示。エアホッケーゲームではタッチ操作を拡張するマレット型スタイラスが、モノポリーでは実際に転がして画面と連動する“電子さいころ”とともにプレイできる。これは、、かなり楽しそうだ
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