世界規模のPC関連見本市「COMPUTEX TAIPEI」。メインの会場となる台北世界貿易センター南港展覧館にはさまざまなパーツベンダーのブースが並ぶ。それらを見て回るだけでも、あっという間に1日が終わってしまうような楽しい場所なのだが、会場内ではPCゲームのイベントや、周辺機器がもらえる抽選会といったお楽しみイベントも数多く開催されている。
そんな中、本来の趣旨とは別の方向(?)で盛り上がっているブースがあった。巨大なルーレットの円盤が気になり中をのぞいてみると、なんとそこには本格的なカジノが広がっていた。来場者はみなテーブルにチップを置き、バニー姿のお姉さんとブラックジャックで勝負している。
もちろん筆者はカジノなど行ったことがなかったのだが、なんとこのハウスでは名刺を出せば誰でも参加できるという。ちょうど連日の取材に疲れていたころだ。思いっきり儲けて海外出張の思い出にして帰りたい……というか仕事をしなくても生活できるくらい儲けられるかもしれない。早速、生まれて初めてのカジノにチャレンジしてみた。
ブラックジャックのルールを簡単に説明すると、手札の合計値が21に近づくように目指すゲームだ。ディーラー(カードの配り手)よりも近ければ勝ち、ディーラーよりも数が少なかったり、手札の合計が21を超えると負けだ。勝てば賭けたチップが2倍になり、負ければチップが没収される。
参加者には最初に2枚カードが配られる。参加者は手札の合計が21ギリギリになるように、カードをもう1枚もらうか、または止めるかをディーラー(配り手)に伝えればよい。ジェスチャーでも問題なく通じるので、英語も中国語もさっぱりな記者でもなんとかゲームに参加できた。ルールも分かりやすく、多くの人が知っていることから、世界各国から人が集まる展示会では最適なゲームだろう。
名刺を出して10枚のチップをもらい、半分の5枚を賭けていざ勝負。最初の2枚のカードは「4」と「J」(J、Q、Kは10という扱い)で合計は14。次の1枚を引いてバスト(21を超える=負け)する確率はほぼ半分だ。周りで見ていたときは簡単そうに見えたが、自分が卓につくと意外と悩んでしまうもの……というか運が悪いだけな気がする。
結局、意を決してもう1枚引いたら4が出て合計は18。これなら勝負できるかと思ったが、ディーラーのお姉さんがあっさりと20を出して負け。ギャンブルの世界は甘くなかった。この後も勝負は続いたが、どうにも勝ちを確信するようなカードが引けず、勝ちと負けを交互に繰り返し、最後はディーラーのお姉さんが1枚目で「A」(1にするか11にするか選べる強いカード)を引いたところで負けを確信した。初めてのカジノはたった4ゲームで終わってしまった。
カジノの景品は、ハーゲンダッツやポストイット、オリジナルのノートやポロシャツなど。100枚までチップを増やすと8GバイトのUSBメモリがもらえる。少しずつチップを増やし、女の子にハーゲンダッツを配り続ける猛者もいた。
このブースを出したのは、メモリやSSDといった記憶媒体を扱うメーカー「Strontium」だ。来場者を楽しませるため、そして名刺を集めるために行っている企画だという。ここまでの規模は求めないが、日本で行われている展示会でもこういうイベントがあれば面白い。COMPUTEX TAIPEIはPCにあまり詳しくない人が来ても楽しい“お祭り”として、幅広い年齢層の客を集めていた。
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