第3回 性能はUltrabook並だがスタミナに不安あり?――「Surface Pro」「Surface Pro」の“ここ”が気になる(2/2 ページ)

» 2013年07月12日 17時30分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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バッテリーは“持たない”のか?

photo Surface Proの公式ページ。仕様にバッテリー動作時間についての記載はない

 Surface Proを評価する際に、バッテリー動作時間は避けて通れない話題だ。製品の公式ページでは動作時間を公表していないが、製品発表会で「体感で4時間くらい」(日本マイクロソフト執行役リテールビジネス統括本部長 横井氏)という情報が出ている。パフォーマンスと引き換え――という見方もできるが、持ち運びに有利なタブレット形状を採用しているのに、バッテリー動作が4時間では確かに心もとない。

 低電圧版とはいえ、Atomに比べればCore i5は消費電力が大幅に高い。ボディも小型であるため大きなバッテリーを内蔵できないことも、Surface Proの動作時間が短くなった原因だろう。本機のバッテリー容量は42ワットアワーであるのに対し、一回り大きな11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載するICONIA W700はそれより30%ほど多い、容量54ワットアワーのバッテリーを内蔵している(バッテリー動作時間も実測で7時間程度)。

 これでは、消費電力を抑えた第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)のCPUを搭載するUltrabookの方が、動作時間の面では魅力的に映るのも納得できる。Surface Proが発表されたときに、TwitterなどのSNS上では「Haswell搭載モデルが出るまで待つ」と反応したユーザーも多かった。

 本当にバッテリーは“持たない”のか。バッテリー動作時間を、BBench 1.01(海人氏・作)で調べてみた。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定、本体は無線LAN常時接続、Bluetoothオン、電源プランは「バランス」で、バッテリー動作時のディスプレイの輝度は50%に設定した。

 この条件で、バッテリー満充電の状態から残量7%で休止状態に移行するまで4時間54分だった。5時間程度バッテリーが持つなら、ちょっとした外出程度ならば、ACアダプタなしでも安心して使えるはずだ。また、工夫次第で多少バッテリー動作時間は伸ばせる。Surface Proは十分な輝度があるので、輝度が50%でも室内で使うには十分すぎるほど明るい。輝度を最低まで落として同条件でテストを行ったところ、バッテリー動作時間は約5時間40分まで伸びた。

 もちろんこれはWebブラウジングなど、比較的マシンへの負荷が少ない使い方をするときを想定している。写真編集や動画の連続再生など、負荷がかかる作業をする場合はACアダプタを持ち歩いたほうがいいだろう。ACアダプタの本体サイズは50(幅)×94(奥行き)×29(厚さ)ミリで、重量は実測で250グラムだった。

 Surface ProのACアダプタはSurface RTのものよりも一回り大きいが、ケーブルが2ピンでかさばらないところは評価できる。USBポートを搭載しており、他のUSB機器を充電できるところもよい。5ワット(出力5ボルト/1アンペア)の出力が可能で、Surface Proを充電しつつ、スマートフォンを充電するのも簡単だ。ただ、本機もSurface RTと同じくUSB充電に対応せず、ACアダプタ以外の充電方法がないことには注意したい。USBバッテリーなどが使えれば、いざというときの対策となるだけに惜しい部分だ。

photophoto Surface Proに付属するACアダプタのサイズは50(幅)×94(奥行き)×29(厚さ)ミリ。USBポートを1つ備える(写真=左)。Surface RTのACアダプタ(右側)よりも一回り大きく、ケーブルも2つに分かれている(写真=右)

 Surface ProはUltrabook並のスペックを持っているが故に(価格も含め)、バッテリー動作時間もUltrabookと比較されがちではある。しかし、本機はあくまで小型のタブレットだ。Windows 8タブレットとして見れば、ボディをコンパクトにまとめつつ、高いパフォーマンスとバッテリー動作時間をギリギリのところでバランスさせた注目製品と言える。

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