評価機の構成は、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、メモリが8Gバイト(オンボード4Gバイト+4Gバイト、PC3-12800)、ストレージが1TバイトHDD(5400rpm)、グラフィックスがCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000、プリインストールOSが64ビット版Windows 8となる。ただ、第4世代Coreプロセッサー・ファミリーが発表された現在、CPUが第3世代Coreなのは少し残念だ。
Windows 8エクスペリエンスインデックスのスコアはメモリが7.4と最も高かった。CPU統合グラフィックスとHDDを搭載していることから、グラフィックスとプライマリハードディスクのスコアは5点台となったが、Windows 8を快適に使えるだけの性能であることは間違いない。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(画面=左)とCrystalDiskMark 3.0.2のスコア(画面=右)。なお、CristalDiskInfo 5.0.3で調べたところ、HDDはウエスタンデジタル製の「WD10JPVX」(1Tバイト/5400rpm)だったベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、3D系ベンチマークテストの3DMark、3DMark Vantage、ストリートファイターIVベンチマーク、モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】を実行した。参考として、ソニーのスタンダードノート「VAIO Fit 15」と「VAIO Fit 14」の結果を併記する。各マシンの主なスペックとテスト結果は以下の通りだ。
| テストしたマシンの主なスペック | |||
|---|---|---|---|
| 機種 | Aspire R7 | VAIO Fit 15(店頭モデル) | VAIO Fit 14(直販モデル) |
| CPU | Core i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz) | Core i7-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz) | |
| メモリ | 8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-12800) | ||
| ストレージ | 1TバイトHDD(5400rpm) | ハイブリッドHDD 1Tバイト (5400rpm/8GバイトNAND) | 1TバイトHDD(5400rpm) |
| グラフィックス | Intel HD Graphics 4000 | ||
| 液晶ディスプレイ | 15.6型ワイド | 15.5型ワイド | 14型ワイド |
| 解像度 | 1920×1080ドット | 1600×900ドット | |
| プリインストールOS | 64ビット版 Windows 8 | ||


左からPCMark 7、3DMark、3DMark Vantageのスコア。ストレージがHDDであることから、Aspire R7のスコアは全体的に伸びない。とはいえ、一般的な家庭用ノートPCとしては十分なスコアではあるPCMark 7では、CPUの差よりもストレージの差が結果に大きく影響した。やはりHDDではストレージをはじめ多くのスコアが伸びない。家庭用PCということでストレージ容量が必要ではあるものの、できればキャッシュ用のSSDを搭載してほしかったところだ。実利用でもアプリケーションの起動などで少し待たさせる感覚がある。
排気口は本体後部にあるが、高い負荷をかけるベンチマークテスト中でもファンの風切り音はあまり気にならなかった(環境騒音30デシベルで40デシベル程度、本体手前5センチの位置で計測)。キーボードがタッチパッドの手前にあるため、熱を感じることもない。タッチパッドの右側は35度ほどまで上昇するが、操作中に触れる場面はほぼないので、気にする部分ではない。
本機は4セルリチウムイオンバッテリーを搭載しており、バッテリー動作時間は約4時間としている。バッテリー実動作時間は、BBench 1.01(海人氏・作)で測定した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定、本体は無線LAN常時接続、Bluetoothオン、電源プランは「バランス」で、バッテリー動作時のディスプレイの輝度は40%に設定した。
この条件で、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態に移行するまで5時間28分だった。公称値の約4時間を大きく超える結果であり、家庭用ノートPCとしては優秀な値と言える。長時間動画を見るといった使い方でもなければACアダプタは不要だろう。
Aspire R7-571-N58Gの想定実売価格は13万円前後だ。ストレージがHDDであること、オフィスソフトが付属していないことを考えれば、家庭用のメインストリームノートPCとしてはやや高い部類に入る。とはいえ、タッチ操作に最適化したイーゼルヒンジや質感の高い金属ボディを考慮すれば納得できる範囲だ。
Windows 8が登場して以降、さまざまなコンバーチブルノートPCが出てきたが、ここまでWindows 8の使い勝手をよく考慮して開発されたギミックはほかに例を見ない。家庭用ノートPCでタッチ操作を楽しみたい人には、特にお勧めできる。
このイーゼルヒンジを搭載した薄型軽量のモバイルノートが出てこないものか――本機の魅力もさることながら、今後はイーゼルヒンジを採用した他製品の開発にも期待したい。
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