同日行われた製品発表会では、同社取締役 副社長の岡隆史氏がマーケットのトレンドや製品開発の背景を説明した。岡氏はスマートフォン、タブレット、PCそれぞれの販売台数予測(2013年〜2017年まで、IDC調べ)を示し、PCの成長率は1%である一方、スマートフォンやタブレットは13%、16%の成長が見込めると説明。特に新興国向けの低価格製品の売り上げが伸びているという。
今回発表した製品はすべてAndroid OSを採用している。世界的にはAndroid OSのデバイスの出荷台数が大きく伸びていることから、「今後はWindowsとAndroidのマルチOSでデバイスを展開していく」(岡氏)とアピールした。スマートフォンユーザーやライトユーザー向けにAndroid端末を開発しつつ、ビジネス用デバイスに向くWindowsタブレットも引き続き注力する。
とはいえ、Android端末は競合メーカーが多い。7型タブレットの「HP Slate7」については、日本への投入が遅れたために、ASUSの「Nexus 7 2013」や「MeMO Pad HD7」といった有力な競合製品が先に発表されてしまった。
岡氏はこの状況について「今はどのメーカーも苦しい時期にいると思う。世界的には安価な製品が売れているため、価格競争が激化している面もあるが、長くは続かないだろう。今後は途上国向けの安価な製品と、先進国向けの高付加価値な製品とで分けて開発することが求められる。HP Slate7は価格でアピールするという選択をした」と述べた。
タブレットやUltrabookをはじめとするさまざまなフォームファクタが生まれるなか、OSの選択肢も増えている。岡氏は「これからベンダーは大変になる。メーカーが用意するべき製品のバリエーションはどんどん増えており、対応するのが困難になった。しかし多数の製品を用意し、広くマーケットをカバーしないと事業規模を拡大(または維持)できない。製品開発コストをまかなう販売サイクルを作るのが難しくなった」と語るが、HPとしてはメジャーベンダーとして勝算がある考えだ。
「ベンダーはメジャー路線を進むかニッチ路線に進むのかを選択する時期に来ているのかもしれない。HPはあくまでメジャーなベンダーとして進んでいくつもりだ。マルチOS、マルチプラットフォームをコンセプトに掲げ、これからも市場のニーズにきめ細やかに対応した商品を提供していきたい」(岡氏)
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