“コスパ抜群”のキーボード付きWindows 8タブレット――「Lesance TB」はSurface Proキラーか?4万9980円から(3/3 ページ)

» 2013年08月20日 21時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Windows 8タブレットとして文句ないパフォーマンス

 ここからは各種ベンチマークテストで実力をチェックする。改めてスペックをまとめると、Core i3-3227U(1.9GHz)、4Gバイトメモリ、CPU内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics 4000)、64GバイトSSD、64ビット版Windows 8という内容だ。

 今回は参考までに、10.6型Windows 8タブレット「Surface Pro」および8.1型Windows 8タブレット「Iconia W3-810」のスコアと比較した(一部テストはIconia W3-810で未計測)。

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、全体にSurface Proより少し低いが、プロセッサで「6.4」、プライマリハードディスクで「8」と高いスコアを出した。Atom Z2760(1.8GHz)搭載のIconia W3-810を大きく上回っており、Windows 8タブレットとしてはハイレベルなパフォーマンスを備えている。

 CrystalDiskMark 3.0.2の結果は、リード性能は高速だが、ライト性能は少し物足りない。それでもIconia W3-810などAtom Z2760(1.8GHz)搭載のWindowsタブレットが装備するeMMCよりは格段に高い性能だ。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(グラフ=左)。CrystalDiskMark 3.0.2のスコア(グラフ=右)

 CINEBENCH R11.5のスコアは、CPUで1.92pt、CPU(シングルコア)で0.72ptだった。さすがに、CGレンダリングやエンコードなどの作業を本格的に行うのには向かない。

 PCMark 7のスコアは、Iconia W3-810を約2.6倍上回る一方、Surface Proに比べて2割近く低い。Surface ProはCPUにCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)を搭載しており、このCPUの差のほか、SSDの性能差も影響している。3DMark系テストのスコアもIconia W3-810を圧倒しているが、Surface Proに比べて1〜1.5割程度低いスコアだ。CPUの差を考えれば、妥当なところだろう。

PCMark7 1.4.0のスコア(グラフ=左)。3DMark 1.1.0のスコア(グラフ=中央)。3DMark Vantage 1.1.2のスコア(グラフ=右)
ストリートファイターIVベンチマークのスコア(グラフ=左)。MHFベンチマーク【絆】のスコア(グラフ=右)

実際のバッテリー駆動時間、騒音と発熱は?

 バッテリー駆動時間はBBench 1.01(海人氏)を利用して測定した。無線LANで常時接続し、Bluetoothはオン、電源プランは「バランス」(ディスプレイの輝度40%)を使用し、輝度は固定した。BBench 1.01は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定。ブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定している。

BBench 1.01で計測したWebブラウズでのバッテリー駆動時間

 この条件でのテスト結果は、満充電から残り5%で休止状態へ移行するまで、本体のみで7時間15分、キーボード付きカバーを装着した状態で6時間48分と、公称値(約7.3時間)近くまで動作した。

 動作音に関しては、アイドル時や低負荷時は、意識して耳を近づけないとファンが動作しているかどうか分からないレベルだが、耳を近づけると、かすかにキーンという金属的な音がする。非常に静かな部屋では、気になる方もいるかもしれない。高負荷時はそれなりに動作音が上がる。

 ボディの発熱については、排気口がある上部にかなりの熱を持つ。最も熱くなるのは画面上部にある左側のフレーム部分だ。3DMark Vantageの実行中には室温28度の環境で、ボディの表面温度が最大46度まで上昇した。とはいえ、その辺りを持つ機会は、通常はほとんどないと思われる。横位置で持つ場合、自然に手が触れるのは左右のフレームの下部だが、そこを握って使うぶんには何も問題はない。

暗騒音32デシベル/室温28度の環境において、本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。室温28度の環境において、3DMark Vantageを実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=右)

Surface Proに対抗しうる性能志向で手ごろなWindows 8タブレット

 Windows 8タブレットは、Atom Z2760(1.8GHz)と32ビット版Windows 8を搭載した軽量志向の製品、Core iシリーズと64ビット版Windows 8を搭載した性能志向の製品という2つに分けられる。後者の代表格はもちろんSurface Proだが、このLesance TB(11TB3000-i3-VGM)は、また違った魅力のあるバランスのよい製品だ。

 Surface Proは、パフォーマンスやストレージ容量、液晶ディスプレイ(表示品質、解像度、デジタイザスタイラス対応)、64ビット版Windows 8 Pro、Office Home & Business 2013といった点で差をつけているが、バッテリー駆動時間はLesance TB(11TB3000-i3-VGM)のほうが長い。

 そして、より強調できるのがコストパフォーマンスだ。Surface Proの直販価格は、128Gバイトモデルで9万9800円、別売のType Cover(1万980円)も含めると合計で11万780円となる。対するLesance TB(11TB3000-i3-VGM)は、キーボードカバー付きで6万9980円と、価格が大幅に下がるのが見逃せない。スペックの差を十分補えるほど、インパクトのある値付けではないだろうか。

 このように価格まで考慮すると、Lesance TB(11TB3000-i3-VGM)は、Surface Pro対抗となる性能志向のWindows 8タブレットとして、非常に競争力の高い製品といえる。

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