2フロア構成のMacworld/iWorld Asia 2013だが、展示で圧倒的に多かったのはやはりiPhoneケースだ(新型iPhoneの発売前で新製品もないからと、代わりにGalaxy S3用のケースを展示しているところも多かった。iWorldなのに……)。
Macworld/iWorldに出展し続けてきたラディウスの黄 經綸氏はその理由をこう説明する。「これまでの開催ではもう少し商品のバラエティに幅があり、iPhoneアクセサリの製造に必要な工作機械の展示も多かった。(中略)ただ、Macworld/iWorldにはB2B的な側面だけでなく、B2C向けの、つまりアップル好きの人に楽しんでもらいたいというお祭りイベントとしての役割もある。後者の点を考えると、中国市場の一般消費者が価格面で手を出しやすく馴染みもある、という理由でケースの展示が増えたのではないか」。
ちなみに工作機械の展示もあるにはあったが、日本のミマキエンジニアリングによるiPhoneケースへの印刷をまとめて行なえる機械「BBQ-100」やBeijing Kincolor Digital Technologyの製品など、ケース関連の機械ばかりだった。
さて、ケースに続いて多かったのが、携帯型外部バッテリー関連の展示だ。なぜか中国ではこうした商品を「パワー・バンク」(Power Bank)と呼ぶのが流行っているようで、英語圏で一般的に使われる英単語のようにやたらと「パワー・バンク」を繰り返していた。iPhoneのバッテリーを財布のお金とすると、外部バッテリーの電力は外に預けてあるお金という意味なのだろう。
「パワー・バンク」商品も非常にたくさんあるので、いかにして他社と差別化するかが大きな課題になりつつある。どのメーカーもハイエンドの商品は1万ミリアンペアアワー越えをしているが、重さを軽減するために工夫をする余地がなかなかない。そこで中容量の製品では、Lightning端子を標準で備えたり、キャラクターやちょっとした工夫で勝負をしたりと、技術やデザインで勝負する会社などが見受けられ面白かった。
ケースやパワーバンクと比べると製品数は激減するが、今後大きなトレンドとなりそうだったのがヘルスケア(健康管理)関連の製品だ。もっとも、本格的に関連展示を行なっていたのは米国シリコンバレーに本社を置き、アップルストアにも納品実績があるiHealthで、同社は巨大なブースで2つの新製品を展示していた。
1つはWireless Activity and Health Tracker。これは今や日本でも流行の昼夜両対応型の活動量計、つまり日中は歩数などの活動量を計り、就寝中は睡眠状態を記録する製品だ。そしてもう1つは指にクリップして脈拍を計るWireless Pulse Oximeterという製品。
活動量計市場は、日本で発売されているジョウボーンの「UP」やFitbitの「flex」などすでに多数の製品が競合する市場。そんな中、今後は同じヘルスケアのジャンルでも脈拍を計る製品が注目市場なのかもしれない。
今回のMacworld/iWorldが公式デビューとなった「W/Me」は、元々はクラウドファンディングサービス、Kickstarterで誕生した製品だ。いつでもどこへでも持ち歩けるアームバンド型で、空き時間にボタンを押して5秒間、脈拍と呼吸を計り、ストレスの度合いを調べられる。強いストレスを感じていると分かった場合にはヨガの呼吸トレーニングなども行なってくれる。
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