続いて後者、「有線LANルータ+NAS+外付けHDD」というグループに使用するUPSを選んでいこう。こちらは消費電力の合計が75Wということで、さきほどの10分の1以下となる。それほどハイスペックな製品でなくとも問題なさそうだ。
グループ2の機器構成と消費電力 | |||
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機器名 | 台数 | 消費電力 | 消費電力合計 |
有線LANルータ | 1台 | 5W | 5W |
NAS | 1台 | 50W | 50W |
外付けHDD | 1台 | 20W | 20W |
合計 | 75W | ||
容量の条件を満たして最も安価な製品ということであれば、APCでは「APC ES 550(BE550G-JP)」、オムロンでは「BZ35LT2」と、いずれもタップ型のUPSがヒットする。
価格はどちらも1万円台と安く、容量的にも問題はないのだが、ネックなのはこの2製品の出力波形が矩形波であることだ。今回の接続対象にはNASが含まれているため、きちんと動作確認が取れていない状況下で矩形波のUPSを選ぶのは少々不安だ。
それゆえ、正弦波の製品という条件で再度探すと、APCでは「APC RS 550(BR550G-JP)」、オムロンでは「BY35S」といった小型UPSがヒットする。100Wの場合は前者が26分、後者が15分と、いずれも十分なランタイムだ。この2製品で問題ないだろう。
なお、今回の機器構成にはNASが含まれているので、今回選んだUPSが、NASの持つUPS連動機能に対応するかどうかもチェックしておこう。
例えばNASがバッファローの「TS5400D」シリーズだった場合、製品ページのUPS対応表を見ると、今回候補として挙げた2製品はいずれも標準添付のケーブルで対応可能とされている。
つまり、UPSと接続することで、停電などの電源トラブル発生時に自動シャットダウンなどの機能が使えるようになるのだ。
最後になったが、UPSに搭載されているバッテリーには寿命があり、定期的に交換する必要がある。これを紹介して、連載の締めとしよう。
使い方にもよるが、UPSのバッテリーは短ければ2年、長くても4〜5年ほどで交換の必要が出てくる。逆に言うと、その頻度で買い替えが必要であることは、予算計画に盛り込んでおくべきだ。また、使い終えたバッテリーはメーカー側で引き取ってくれるので、対応をチェックしておくとよい。
バッテリーが寿命を迎えたことは、多くのUPSでは警告音のパターンなどで通知される。最近は本体の液晶モニタにその旨が表示される製品も増えており、例えば「APC RS 1000(BR1000G-JP)」であれば、以下のようにバッテリーの寿命が液晶モニタに表示されるので、交換のアラートが出れば速やかに交換する必要がある。
ちなみに、UPSの多くはバッテリーとして鉛電池を採用しているが、鉛電池はその特性上、常に満充電を保った状態のほうが長持ちする。未使用時にコンセントを抜いて放電するといった使い方を繰り返していると寿命が短くなり、UPSが役目を果たせなくなってしまうので注意したい。
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