5月11日に発売した“Haswell Refresh”こと、新しい第4世代Coreプロセッサー・ファミリーは、これまでのHaswellと何が違うのか? 最初に結論から書いてしまうと、Haswell RefreshとHaswellは、半導体的にはまったく同じCPUといってよい。
インテルがWebページで公開しているリビジョン情報は、従来のHaswellもHaswell Refreshも「C0ステップ」となっているので、半導体設計上の変更は加えられていないことが分かる。Haswell Refreshは基本的に従来のHaswellの高クロック版ということができる。
しかし、Haswell Refreshにも「個性」はある。従来のHaswellに比べて、Haswell Refreshでは下位モデルや低電力モデルが充実している。各CPUにおけるHaswell Refreshと従来製品を比較したのが、下の表だ。
最上位モデルの「Core i7 4790」は、Core i7 4970Kよりもベースクロック、TurboBoost有効時の最大動作クロックがともに100MHz高く、かつ、発表時の価格はCore i7 4970と同じ設定となっている。同様に、ほかのCPUについても、高クロック化を図りながら、価格は従来モデルに据え置くという、これまでのCPUのモデルチェンジと同じ手法を採っている。
唯一、機能面で大きく変わっているのは、Haswell Refresh版のPentiumとCeleronでは、「Intel Clear Video HD Technology」のサポートを追加したことだ。この機能は、CPU統合グラフィックスでHDビデオ再生時で画質を向上する再生支援機能をサポートするほか、Dolby TrueHDやDTS-HD Master Audioなどの高品位オーディオのサポートも追加している。
一方、省電力CPUに関しては、Core i7シリーズにTDP(Thermal Design Power:熱設計温度) 35ワットの「Core i7 4785T」を追加したほか、Core i5シリーズにも、エントリーモデルとなる「Core i5 4460T」を追加するなど、ラインアップを拡充している。特に、TDP 35ワット版のCore i5については、従来のCore i5 4570Tが、動作クロックは高いものの、2コア/4スレッド対応という特殊な仕様だっただけに、プロセスルールの成熟度が増した恩恵が省電力版Core i7/Core i5のラインアップ拡充をもたらしたとみることができるだろう。
とはいえ、エントリーモデルを除けば、Haswell Refreshの基本的な性能に関しては、従来の同価格帯製品と比べて100〜200MHzのクロックアップとなるだけなので、あとは従来モデルの仕様と価格を見比べて、よりコストパフォーマンスの高い製品を選びたいところだ。
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