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» 2014年05月29日 19時09分 公開

大復習! Haswell RefreshからDevil's Canyon、Intel 9シリーズチップセットを整理するCOMPUTEX TAIPEI 2014にむけてもう一度(2/3 ページ)

[本間文,ITmedia]

Broadwellにも対応したIntel 9シリーズチップセット

 インテルは、Haswell Refreshの投入にあわせて、プラットフォームの変更を図り、Intel 9シリーズチップセットを投入した。チップセットそのものは、従来のIntel 8シリーズと同じ“Lynx Point”(開発コード名)をベースとしており、ハードウェアの仕様的にはまったく変化がない。

 ただ、Intel 9シリーズチップセット搭載マザーボードでは、14ナノメートルプロセスルールを採用する第5世代Coreプロセッサー・ファミリー“Broadwell”(開発コード名)もサポートするほか、Rapid Storage Technology 1.3のサポートにより、M.2などのPCI Expressストレージに対応するようになった。これらの変更は、マザーボード設計の変更によるところが大きいが、将来的なアップグレードという意味では、かなり進歩したプラットフォームといえる。

Intel 9シリーズとIntel 8シリーズの主な仕様
仕様項目 Intel Z97 Intel H97 Intel Z87
プラットフォーム LGA 1150
Haswell Refreshサポート
Broadwellサポート ×
PCI Express 3.0グラフィックス x16 または x8×2 または x8+x4×2 x16 x16 または x8×2 または x8+x4×2
CPU内蔵グラフィックス出力 3 3 3
PCI Express 2.0 8 8 8
SATA3 6 6 6
SATA2
USB 3.0 6 6 6
USB 2.0 10 10 10
サポート可能な総USBポート数 14 14 14
Intel RST 1.3 1.3 1.2
PCI Expressストレージ (M.2) ×
Boot Guard ×

Intel Z97 Expressのブロックダイヤグラム(写真=左)と、Intel H97 Expressのブロックダイヤグラム(写真=右)

 Intel 9シリーズチップセットが予定している第5世代Coreプロセッサー・ファミリー“Broadwell”対応については、電源回路回りのこまかな仕様アップデートがあったと、マザーボードベンダーの関係者は明かしている。Intel 6シリーズチップセットが第3世代Coreプロセッサー・ファミリー(Ivy Bridge)にも対応したのと異なり、既存のIntel 8シリーズチップセット搭載プラットフォームでは、Broadwellをサポートすることは難しいだろうと語っている。

 一方、転送性能が大幅に向上するPCI Expressストレージのサポートは、Intel Rapid Storage Technology 1.3への対応が不可欠となる。インテルは、PCI Expressストレージとして現時点で「M.2」のみの対応を正式に表明しているが、マザーボードベンダー関係者によれば、「SATA Express対応SSDなどの検証が終われば、この規格もサポートできるようになる予定だ」とし、、すでにSATA Expressポートを搭載したマザーボードも存在する。

M.2のSSDには、PCI Express x2接続のものと、PCI Express x4接続の2タイプが存在する。近い将来にはPCI Express 3.0にも対応する。なお、Intel 9シリーズチップセットがサポートするのは、PCI Express 2.0 x2接続、または、Serial ATA接続となる(写真=左)。インテルは、PCI ExpressストレージとしてSATA Expressへの対応も視野に入れている(写真=右)

SATA Expressのサポートと使用レーンの関係

プレクスターのPCI Express 2.0 x2対応SSD「M6e」も、その中核はM.2モジュールだ

 このPCI Expressストレージのサポートにおいては、Intel 9シリーズチップセットのI/O Port Flexibilityと深く関係している。Intel 8シリーズとIntel 9シリーズチップセットでは、PCHとCPUを結ぶDMI 2.0の帯域が十分でないため、PCI Express 2.0やSerial ATA 6Gbps、USB 3.0といった高速インタフェースの有効にできる総数を最大18ポートまでと規定している。

 具体的には、ポート5とポート6をUSB 3.0とPCI Express 2.0 x1が共用しており、同じくポート13とポート14がPCI Express 2.0とSerial ATA 6Gbpsを共用扱いにしている。このため、これらのポートでは、USB 3.0かPCI Express、またはPCI ExpressかSerial ATA 6Gbpsのどちらかしか使えない。

 Intel 9シリーズマザーボードでは、このうちのポート5、6をPCI Expressストレージ用に利用しており、M.2やSATA ExpressでPCI Express 2.0 x2とSerial ATA 6Gbpsをシームレスに切り替えられるようにしている。また、このことは逆にIntel 9シリーズチップセット搭載マザーボードで、PCI Express 2.0接続のM.2 SSDを利用した場合、このポートと共用するSerial ATA 6Gbpsが利用できなくなるという制約がある(ただし、マザーボードやBIOS設計によって、使えなくなるポートは異なる)ことは、あらかじめ理解しておきたい。

Intel 9シリーズチップセットのI/O Port Flexibility(写真=左)。PCI Expressストレージを利用した場合のI/Oポート制約(写真=中央)。 SATA Express用にSATA3_4、SATA3_5のポートが割り当てられているのが確認できる(写真=右)

 PCI Expressストレージを有効にするIntel Rapid Storage Technology 1.3では、Intel Rapid Start Technologyとの連係を強化して、M.2や2.5インチSSDをキャッシュとして利用した場合、ディープスリープでシステムメモリのイメージをSSDキャッシュに書き込み、レジュームやスリープからの復帰を高速にできるという。また、この機能の恩恵は、Intel Smart Connect Technologyによる、メールやRSSなどの自動更新にも影響を及ぼす。

 Intel 9シリーズチップセットで追加した機能でもう1つ注目しておきたいのが、Intel Device Protection with Boot Guardだ。マルウェアや未知のソフトウェアが、OSのブート領域を書き換えることをハードウェアレベルで防ぐことが可能になっている。

 ゲームやコンテンツ制作などで、より高速なストレージ性能を求めたり、よりセキュアなハードウェア環境に価値を見いだすのであれば、Intel 9シリーズチップセットは、投資に値するプラットフォームといえる。むろん、2015年にはデスクトップ版を市場に投入する“Broadwell”へのアップグレードを考えているユーザーにとっても、選択肢の1つとなり得る。

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