dynabook KIRA Lは、明るく高精細な液晶ディスプレイを搭載していることも注目点の1つだ。画面サイズは13.3型ワイド、表示解像度は2560×1440ピクセル(WQHD)に対応し、画素密度は約221ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)に至る。画面を近くで見てもほとんどピクセルの粒が見えない精細な表示だ。
dynabook KIRA Vシリーズと同様に、液晶テレビのレグザシリーズで培った映像技術を生かし、最適な色味を実現するため、出荷時には1台1台色調整を行っているという。簡易カラーマネジメントソフト「Chroma Tune for TOSHIBA」が付属し、使用するアプリケーションや作業環境に合わせて、色温度やガンマを変更できるのはクリエイティブユースにおいて便利だ。
また、東芝独自の超解像技術(レゾリューションプラス)も導入しており、映像をフレームごとに分析して、シーンに応じた色補正や輪郭強調などの高画質化も行える。
液晶ディスプレイには10点マルチタッチ対応のタッチパネルを搭載しているほか、1024レベルの筆圧検知に対応したワコム製デジタイザを内蔵しており、ペンでの入力が可能な点も見逃せない。ペンは本体にスマートに収納できる細いペンと、持ちやすく太いペンの2種類が付属している。携帯用には邪魔にならない細いペン、しっかり書きたい場合は太いペンと使い分けられるのはありがたい。
東芝では、書き心地を決める4つの要素として「ペンの滑らかさ(適度な抵抗感)」「筆跡の追従性」「ペン先の表示位置」「筆圧応答(筆圧に応じて文字が太くなる)」を挙げており、これらにこだわって最適化している。確かにWindowsタブレットのペン入力機能としては、書き味がとてもよい。適度な抵抗感があって滑らかで、追従性も良好だ。
本体から取り外せるBluetoothキーボードは約450グラム(実測値で約464グラム)ある。本体同様アルミボディでガッチリした作りだ。キー間隔が離れたアイソレーションデザインを採用し、公称キーピッチは19ミリ、キーストロークは1.5ミリだ。実測でのキーピッチは、横が19ミリ、縦が17ミリ弱で、少しだけ縦が窮屈な印象はある。
キーボードの剛性感はしっかり確保され、強めにタイプをしても、たわむような感触はない。キートップには指が置きやすいよう緩やかなくぼみもついている。スイッチの感触も良好で、押下感は実に快適だ。キーボードにパームレストはないものの、薄型なので設置面をパームレスト代わりに使えるだろう。キーボードバックライトも抜かりなく内蔵している。
ポインティングデバイスには、標準的なタッチパッドではなく、スティック型の「アキュポイント」を搭載している。東芝のモバイルノートPCではかつて多くの機種に採用されていた実績あるポインティングデバイスだ。ホームポジションに手を置いたまま、軽く指に力を入れるだけでカーソル移動ができる。加速がつきすぎて止まれないということもなく、操作感は良好だ。
ただし、独自のユーティリティなどは導入されていない。Windows 8世代のジェスチャー操作などはタッチパッドを想定しているため、エッジスワイプでチャームを表示するなどの操作は、画面に直接タッチして行うか、キーボードショートカットを用いる。
取り外したBluetoothキーボードの公称バッテリー駆動時間は、待機時で約140時間、バックライト点灯時で約2.3時間、バックライト消灯時で約8時間だ。Bluetoothキーボードとしては少々短めと言える。PC本体に装着して充電する仕様で、充電時間は約3時間だ。
以上、dynabook KIRA L93/W9Mの特徴を一通りチェックした。次回はPCとしてのパフォーマンスやバッテリー駆動時間、動作音、発熱などを順にテストしていこう。
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