処理能力の検証に使うベンチマークテストは「PCMark 7」「3DMark」「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R11.5」「CrystalDiskMark 3.0.3」だ。比較機材としては、“Mullins”世代のAPUと搭載デバイスが競合する“Bay Trail”世代のAtom Z3795(1.59GHz/最大2.39GHz、4コア4スレッド、TDP 4.5ワット)を搭載する10.1型ディスプレイ搭載タブレット(システムメモリはLPDDR3-1066を4Gバイト、データストレージは64Gバイト eMMC)と、Atom Z3770(1.46GHz/最大2.39GHz、4コア4スレッド、TDP 4.5ワット)を搭載する8.3型ディスプレイ搭載タブレット(システムメモリはLPDDR3-1066を4Gバイト、データストレージは128Gバイト eMMC)用意した。
実際のアプリケーションを使ってPCの用途全般をシミュレートする「PCMark 7」では、総合スコアのPCMarksでAtom Z3700シリーズを搭載するタブレットに差をつけられているが、個別テストのスコアをチェックすると、LightWeightとProductivityで大きく上回る結果を残している。HP Stream 14が苦戦したのはCreativityとComputationで、特にComputationではAtom Z3795搭載タブレットの半分程度にとどまっている。
CINEBENCH R15とCINEBENCH R11.5もベース1GHz、最大1.6GHzのA4 Micro-6400Tは、同じ4コア4スレッド対応といえど、ベース1.59GHzで最大2.39GHzのAtom Z3795、同じくベース1.46GHzで最大2.39GHzのAtom Z3770のスコアには届かない。ただ、動作クロックの違いを考えれば、A4 Micro-6400Tはよく健闘しているともいえる。
ストレージデバイスの性能を評価するCrystalDiskMarkでは、シーケンシャルリード、512Kリード、そして512Kライトで良好なスコアを出している。一方で、シーケンシャルライトと4K関連テストのすべてで苦戦している。なお、評価したHP Steram 14では、eMMCとしてBHT WR202A1032G 6702を内蔵していた。
CPU関連テストやストレージ関連テストでAtom Z37xx搭載タブレットに苦戦していたHP Steram 14だが、グラフィックス処理能力を測定する3DMarkでは、頭ひとつ抜けたスコアを出している。総合スコアの3DMarksにしても個別スコアのGraphicsにしても、モバイル機器向けのICE Stormからメインストリーム機器(CPU統合グラフィックスコア)向けのCloud Gate、Direct X11対応のSky DiverまでAtom Z37xx搭載タブレットのスコアを大きく離している。ただし、物理演算能力を測定するPhysicsでは、Atom Z37xxタブレットのスコアを下回る結果となった。
14型という大画面ディスプレイを搭載し、天面にアルミニウムパネルを採用し、カラーバリエーションに“ネオンパープル”を用意し、ボディは最厚部でも20.5ミリに収まっている。一方で、システムメモリは2Gバイト、データストレージは32GバイトのeMMC、ディスプレイの解像度は1366×768ピクセルでプロセッサは動作クロックが1GHz(最大1.6GHz)の省電力タイプのAPUを採用する。
ハードウェア構成を考えると、「14型ディスプレイを搭載するタブレットにキーボードとノートPCに準じたインタフェースを用意してクラムシェルスタイルになったデバイス」というのが、HP Steram 14といえる。気になるCPUとしての処理能力はAtom Z37xxからやや下回るものの、グラフィックス性能は明らかに高く、オフィス利用を想定したベンチマークテストもAtom Z37xx搭載デバイスを上回る。
日本HPは、4万円を切る価格とオンラインストレージの利用が前提となる構成から、学生を主要なユーザーとして想定している。大学生などがリポート作成のためにオンラインアプリサービスでドキュメントを作成し、作成したデータをストレージで共有し、オフタイムには友人たちとゲームを楽しむ。そういう利用場面を考えた場合、HP Directplusなら3万9800円で購入できる14型ディスプレイを搭載するHP Stream 14は、若い世代のユーザーにとって高いコストパフォーマンスを有するモデルと評価できるだろう。
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