「1.19キロ」「12.8ミリ」のウスカルボディでアップした「YOGA 3 Pro」の実力を検証するCore M“上位モデル”の性能は? (4/4 ページ)

» 2014年11月28日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

YOGA 3 Proの処理能力と表面温度をチェックする

 YOGA 3 Proの処理能力を検証すべく、今回実施したベンチマークテストは、PCMark 7、CINEBENCH R15、および、R11.5、ドラゴンクエストX ベンチマークソフト、ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編、CrystalDiskMark 3.0.3bだ。

PCMark 7

CINEBENCH R15(写真=左)とCINEBENCH R11.5(写真=右)

CrystalDiskMark 3.0.3b

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト

ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

 PCMark 7では、Creative Scoreが3000ポイントに迫るスコアを見せている。Creativeスコアはグラフィックス性能の影響が強いが、Broadwell-Y世代で大幅に強化したことがスコアでも実証している印象だ。ドラゴンクエストX ベンチマークソフト、およびファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編では、標準品質、1280×720ドット程度であればどちらも「普通」という評価だった。これを高画質に設定したり、あるいは解像度を上げてしまったりすると、「重い」「設定変更を推奨」となる。

 一方で、CINEBENCH R15はCore i5-4200U搭載のノートPCを下回る。動作クロック相当の結果といえるだろうか。Core M-5Y70も最大で2.6GHzまで上がるが、2コア/4スレッドを使い切るCINEBENCH R15では、比較的低いクロックで処理されていると考えられる。

 CrystalDiskMark 3.0.3では、シーケンシャルリードが521.5Mバイト/秒と高速な一方、シーケンシャルライトは250.4Mバイト/秒にとどまっている。いわゆるメインストリーム〜コストパフォーマンス向けSSDに相当するスコアだ。デバイスマネージャーで確認したところ評価した機材にはサムスン電子の「MZNTE512HMJH」を搭載していた。これは、M.2 SSDだが接続インタフェースはSerial ATA 6Gbpsを採用している。3200×1440ピクセル対応パネルの採用や、特殊なヒンジなど、YOGA 3 Proはコストの高い部材を取り入れているが、これに高性能なSSDを組み合わせれば、価格がかなり跳ね上がってしまうだろう。エントリークラスのSSDを採用したことで、製品価格を抑制したと思われる。

 バッテリー駆動時間の計測には、海人氏作のbbench 1.01を利用した。電源オプションを「バランス」に、ディスプレイ輝度を約40%、無線LAN(IEEE802.11ac)で常時接続し、60秒に1回Webページ(10種類)を巡回し、10秒おきにテキスト入力を行う条件で計測したが、満充電の状態から残り5%で休止状態に入るまでに4時間46分となった。

 また、PCMark 8を40分連続して実行したのちに、キーボード面を縦横3分割する線の交点となる9カ所と、底面を縦横3分割する線の交点となる9カ所のそれぞれで表面温度を放射式温度計で測定したところ、キーボード面液晶ディスプレイ側の中央が36度、その左右が30度前後、2列目は25度前後、3列目はそれ以下の温度になった。36度でもやや温かいかなという程度であり、ひざ上に置いても熱い印象はない。また、タイピングをする範囲のほとんどが30度未満に収まっているため、手に汗をかくこともなかった。

なにかと「独特」なYOGAワールド。目立つPCであることは間違いない

 YOGA 3 Proは、比較的安価なイメージのあるIdea Padブランドのなかでは高級なモデルだ。実売価格は税別で21万500円前後で、ThinkPad X1 Carbonと比べても高めの設定だ。ただし、スタイルや高級感ある外観、そして、薄く軽いといった特徴は、現在のPCの中でも個性が強く、最新のCore Mの採用などを総合すれば、納得できる価格といえるだろう。

 そして、“YOGA”シリーズノートで共通する4つのスタイルを使い分けできるギミックは、YOGA 3 Proでも評価したいポイントだ。YOGA 3 Proが、薄く軽くなったことで、タブレットスタイルがより実用的になったことも大きな進歩だ。ACアダプタも小さく軽量になったことで、可搬性もさらに高まった。PCをどこでもアクティブに活用したいユーザーには有力な購入候補となるだろう。

1.6キロや1.3キロを超えるデバイスでのタブレットスタイルは、なかなか厳しいものがあったが、1キロをわずかに超えるだけのYOGA 3 Proなら、タブレットスタイルも実用になる


関連キーワード

レノボ | YOGA TABLET | Core M | ノートPC | 2in1 | モバイルPC


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  7. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  10. レノボ、Ryzen Threadripper PRO 7000 WXシリーズを搭載したタワー型ワークステーション (2024年03月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー