Macの画像管理/編集アプリといえば「iPhoto」。動作がもっさりしていて評判がイマイチだったアプリですが、今春新しく「Photos for OS X」(以下、Photos)に生まれ変わります。
さかのぼること8カ月前、アップルが主催する開発者向けイベント「WWDC 2014」にて、「OS X Yosemiteに『Photos』アプリが追加される。リリースは2015年前半」と発表がありました。その後、「iPhoto」とハイアマチュア向け画像管理・編集アプリ「Aperture」の開発が終了することもアナウンスされています。
それからしばらく音沙汰のない日々でしたが、米Appleは5日(現地時間)、「Photos」のプレビューページを公式サイトに公開。開発者向けにリリースした「OS X Yosemite 10.10.3」β版には「Photos」が搭載されています。
新しい「Photos」は、これまでの「iPhoto」と何が違うのでしょうか? プレビューページを見ると、3つの大きな特徴が分かりました。
1、iOS版のようなユーザーインタフェース
アイコンや「Photos」という名称からも分かるように、iOSに導入された「写真」アプリとインタフェースが統一されました。「iPhoto」に比べ見た目もスッキリし、使いやすそうな印象です。
また、動画サイトにアップされたハンズオン動画を見る限りでは、「iPhoto」に比べサクサク動いています。ついに「iPhoto」のもっさりが解決されるとは!
iPhoneやiPadの写真アプリに慣れている人にとっては、「iPhoto」よりも馴染みやすいアプリとなりそうです。
2、iOS版よりも高度な編集を初心者でも手軽に
画像の編集機能が強化されたiOS 8版と同じく、露出や彩度などをスライダーで調節できる「スマート編集」に対応します。さらにiOS版にはない高度な編集加工機能も搭載。プレビューページの編集画面では、確かにiOS版にはない絆創膏(ばんそうこう)のようなアイコンが見て取れます。開発を中止した「Aperture」の機能がこちらに搭載されればうれしいですね。
ほかにも、iOS版のハイクオリティなエフェクトを簡単にかけられたり、「M」キー押下で編集前/後の比較が可能だったりと、操作性も向上しています。これは加工が楽しくなりそう……。ライトな編集・加工であれば、「Photos」で十分対応できるのではないでしょうか。
3、「iCloudフォトライブラリ」を活用したシームレスな連携
「iPhoto」との最大の違いは、iCloudフォトライブラリとの連携です。「Photos」に取り込んだ画像はiCloudフォトライブラリに保存され、編集結果がすぐにiPhoneやiPadに反映されるなど、よりシームレスな連携が可能になります。
心配なのはiCloudの容量でしょうか。iCloudフォトライブラリを使ってiOS端末と連携するなら、無料ストレージの5Gバイトでは物足りない印象です。大量の写真をiCloud上で管理するなら、容量を増やす必要があるかも。有料プランは月額で、20Gバイトが100円、200Gバイトが400円、500Gバイトが1200円、1Tバイトが2400円。
その代わり、iCloudフォトライブラリに画像をアップロードしておけば、デバイスには最適化された画像が保存され、フル解像度の写真やビデオはクラウドに置くことができます。デバイスのストレージが少ないiPhoneやMacbook Airを使うユーザーには助かる仕様ですね。
「iCloudフォトライブラリ」で懸念点があるものの、iOS版の手軽さと軽快さ、OS X版ならではの高度な編集機能といいとこ取りをしたアプリとなりそうで、個人的にはかなり期待しています。今春のアップデートが楽しみ!
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