レトロガジェット談義で盛り上がった読者参加イベント「ITmedia ガジェスポ!」リポートレアモノぞろぞろ(2/2 ページ)

» 2015年04月27日 19時06分 公開
[鈴木啓一ITmedia]
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読者参加 鑑定“談”「拝見! みんなのレトロガジェット」

 トークショーに続き、参加者が持ち寄った「レトロガジェット」を「鑑定」するコーナーで盛り上がった。

 当日集まった「レトロガジェット」は、以下の通りだ。

  • HP200LX
  • HP-41CV(HP社製プログラム電卓)
  • HP-48SX(HP社プログラム電卓)
  • PC-486 portable
  • Libretto 50
  • IBM Palmtop PC110(ドッキングステーション付属)
  • IBM Palmtop PC110(Canon カメラ付きPCカード)
  • チャンドラ NP-10J
  • IBM ChipCard TC-100
  • IBM ChipCard VW-200
  • WorkPad 8602-31J(PHS付き)
  • ThinkPad 555BJ
  • ThinkPad PowerSeries850
  • Apple PowerBook2400C
  • IBM PS/2 L40SX
  • 三菱 Pedion初期モデル
  • Linux Zaurus
  • DataScope

 などなど、登場当時人気だったPCやPDAから、大変レアなモデルまで、多種多様な機種が集まった。それら、1機種ずつのスライドや実機を見ながら、当時を振り返り、エピソードを参加者全員で共有した。

 HP-41CV、HP-48SXは、HP製のプログラム電卓だ。HP-41CVでは、“横スクロールゲーム”の実演も行った。当時雑誌に掲載していたBASICプログラムを、この電卓に移植したものだ。

HP製のプログラム電卓「HP-41CV」「HP-48SX」。HP-41CVで動作するゲームの実演も行った

 PC-486 portableは、1992年に登場したエプソンのPC-98互換サブノートPCで、本体とキーボードが分離する、2in1スタイルのユニークなモバイルPCだ。

PC-486 portableのエピソードについて紹介する参加者

 Palmtop PC 110、ThinkPad 555BJ、ThinkPad PowerSeries850、Apple PowerBook2400C、IBM PS/2 L40SX、三菱 Pedion初期モデルと、今回最もたくさんの、しかもレアなPCを持ち込んでくださったのが、自称「ThinkPadコレクター」の参加者。持参したのは膨大なコレクションのごく一部だったが、それでもレアなモデルが並ぶ。

Palmtop PC 110では、本体以上にPCカードスロットに差したキヤノンのPCカード型デジタルカメラ「PowerShot 30」シリーズに注目した。デバイスとセットでないと使えないあたりは、いまの「DSC-QX10シリーズ」に通じるものがある

IBM PS/2 L40SX。IBMが開発した最初のバッテリー駆動のクラムシェルタイプのPCだ。日本未発売。このモデルで導入した技術を基にして、このあとにThinkPadの最初のモデル「ThinkPad 700C」が登場する

ThinkPad PowerSeries850は、CPUにPowerPCを搭載した、これまたレアなThinkPadだ

 今回の鑑定会では、自慢のコレクションを持ち寄ってくださった参加者の皆さんに感謝しつつ、その中で印象に残ったデバイスには、「ゼロハリ教授賞」「kei_1賞」「ITmedia賞」が贈られた。

アワード 対象モデル 副賞
ゼロハリ教授賞 ゼロハリ教授でさえ詳しく知らなかったレアなモデル「PC-486 portable」 世界初のIBM USBメモリ(容量8Mバイト)(IBM 2001年の製品)
kei_1賞 学生時代に入手してから現在も現役で使っており、横スクロールゲームも動作したHP製プログラム電卓「HP-41CV/HP-48SX」 Pentium '92 キーホルダー
ITmedia賞 Palmtop PC 110&PCカード型デジタルカメラ「PowerShot 30」シリーズなどの膨大なThinkPadコレクション IBM ThinkPad 701のプラモデル

 ThinkPad 701は「バタフライキーボード」と呼ばれる、ユニークなキーボードを搭載したThinkPadで、本体のサイズは最小限に抑えつつ、打ちやすいキーピッチを確保するという、矛盾した要求に応えるため、本体のディスプレイ部を起こすと、メカニカルな機構の工夫で、2分割で収納しているフルサイズのキーボードが出てくる特殊なギミックが当時話題になった。そのプラモデルは、その機構の雰囲気を再現したもので、日本IBMが制作して、当時販促活動で配っていた。

IBM ThinkPad 701と、そのプラモデルに関するエピソードを解説する竹村氏の手にしているThinkPad 701のプラモデルは、この機構の考案者John Karidis氏のサインがはいっている、超レアもの


 以上のように、とてもとても濃い内容で盛り上がったITmedia ガジェスポ。その第1回目のテーマは「温故知新」だったと思う。過去に登場した製品でも、そのコンセプトや機能を調べると、その当時の背景でなぜこのような製品が生まれたのか、その結果、市場にどのように受け止められたのかが見えてくる。どの製品も売れて世の中の役に立つことを願って登場するのだが、ビジネスとして成功するには数々の難関を突破しなければならず、期待通りの評価を得ることなく消えていく製品も少なくない。それでも、メーカーは果敢に挑戦し続ける。そんなことの繰り返しだ。

 筆者は、ユーザー代表の立場で今回参加したが、実際にはメーカーの立場にいたこともあるので、ひとごとではない。メーカーは、ユーザーのニーズをよく知って製品に反映するだけではダメで、ユーザーが気づいていないようなことまで提案し、新たな価値を提供しなければ勝ち残れない。過去の製品の成功と失敗に学ぶことも悪くないのではないかと思う。

 そして、ユーザーとしては、思い出話も楽しい。鑑定“談”で筆者は、コメンテーターとして参加したが、そこでHP 200LXが登場したときに、“XJACK”を採用したFAXモデムカード「Megahartz」の話を、それから、Libretto 50のときには、HDD容量を増加するため“荒っぽい改造”のエピソードを紹介したが、どれも本当に楽しい懐かしい思い出だ。

 最後に、イベントに参加していただいた読者の皆さんに感謝の意を表したい。このような共通のテーマでともに楽しめる時間をまた過ごしたい、そう思えるイベントだった。

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