このようにMADOSMAは、Windows Phone端末として最新バージョンのOSを利用できることが分かった。とはいえ、まだ購入を迷っている人にとって、Windows Phone 8.1というOSには注意すべき点も少なくない。
Windows Phoneに抱かれがちな「間違った期待」の筆頭に挙げられるのが、Windowsアプリの動作だ。PC向けWindows用に作られたデスクトップアプリは、Windows Phoneでは一切動作しない。
たしかにWindows Phone 8以降、OSのコア部分はPCとモバイルで統合が進んでいるものの、プロセッサやユーザーインタフェースは大きく異なる。この「デスクトップアプリが動作しない」という点は、Windows 10 Mobileになっても変わらないと考えてよいだろう。
Internet ExplorerやMicrosoft Officeの仕様も、Windows Phoneでは大きく異なる。Flashを利用したゲームやWebコンテンツは利用できない。また、Microsoft Officeを搭載するとはいえ、デスクトップ版とは異なるモバイル版であり、基本的な表示・編集機能のみを搭載する点に注意したい。
もしMADOSMAがWindows 10 Mobileへのアップデートに正式対応すれば、これらの制限の一部は緩和される可能性がある。マウスコンピューターはWindows 10 Mobileへの対応に向けて作業を進めており、今後のアナウンスが期待される。
次に、MADOSMAの通信方式を見ていこう。スペックシートでは、LTEはBand 1(2100MHz帯)/3(1800MHz帯)/19(800MHz帯)に対応するとしている。メーカーではNTTドコモやドコモ系のMVNOによるSIMカードの使用を推奨している。
国内向けのMADOSMAならではの機能として、手動でAPNを入力する以外にも、国内の主要な通信事業者のAPNがプリセットとして用意されている。iPhoneやAndroidとは異なり、まだWindows Phone用の設定マニュアルなどが少ないことを想定しての親切設計だ。また「みおふぉん」で知られるIIJmioは動作確認端末のリストにMADOSMAを追加するなど、MVNO側にもWindows Phoneを歓迎する姿勢がみられるのは嬉しい点だ。
ドコモのネットワークを利用する上で気になるのは、Band 21(1500MHz帯)に対応していない点だ。ただ、東京都内で使用した限りでは、高層階や地下鉄などでも大きな問題を感じることはなかった。音声通話はVoLTEのようなクリアな音声は得られないものの、標準的な使い心地と言えよう。
テザリングも問題なく利用できた。Windows PhoneはWi-Fiホットスポット機能に対応しており、さらにWindows Phone 8.1 Update 1では、Bluetoothによるテザリング機能も加わった。
実際に「ぷららモバイルLTE」のSIMカードでBluetoothテザリングを試したところ、下り0.8Mbps/上り1.4Mbpsと、Wi-Fiテザリングよりわずかに遅いものの、実用的な速度となった。
次回は、Windows Phoneアプリの現状や日本語ローカライズなど、MADOSMAが抱えている課題と思われる部分を中心に見ていきたい。
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