(1)USBが2つ同時に使えるってホント?――「Surface 3(4G LTE)」をSurface Pro 3ユーザーがチェックした
(2)“Atomは遅い”はもう古い?――「Surface 3(4G LTE)」の性能を見極める
(3)Surface Pro 3より薄型軽量でもバッテリーは長持ち?――「Surface 3(4G LTE)」のスタミナを検証する
(4)Surface Pro 3と比較して気づいた進化点とは?――「Surface 3(4G LTE)」のType Coverに迫る
(5)Atom x7はゲームで“熱く”なる?――「Surface 3(4G LTE)」の3D描画性能と発熱をチェック
「Surface 3」は、Intelのタブレット向け最新Atomプロセッサ「Atom x7-Z8700」(1.6GHz/最大2.4GHz、4コア/4スレッド対応)を採用する。前回は各種ベンチマークテストで基本性能のパフォーマンスを検証したが、今回はモバイルデバイスで避けては通れない“バッテリー”のスタミナについて検証してみよう。
メーカーの公称値では、利用シーンにより大きく異なるとしながらも、最大約10時間の動画再生を可能としている。フルのWindowsに対応しながら、iPadやAndroidのタブレットに匹敵する動作時間が確保されているのはかなり魅力的だが、実際はどうだろうか。
まずはバッテリー情報を参照できる「BatteryInfoView」(Nir Sofer氏・作)で、Surface 3に搭載されているバッテリーについて確認した。製造は台湾のバッテリーメーカー大手のSMP(Simplo Technology)製を搭載しており、容量は28ワットアワーとなっている。ちなみにSurface Pro 3は42ワットアワーのバッテリーを搭載している。
Surface 3はバッテリーの容量で劣るが、長時間の駆動を実現できているのは、SDP(特定シナリオを想定した電力指標)が2ワットと省電力なAtom x7-Z8700の恩恵だ。Surface Pro 3は最も省電力な第4世代Core i3モデルでも、SDPが6ワットに設定されている。
実際のバッテリー駆動時間をBBench 1.01(海人氏・作)で検証してみた。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフに設定、本体はワイモバイルの4G LTE接続オン、無線LANオフ、Bluetoothオン、キーボードバックライトオフ、電源プランは「バランス」で、バッテリー動作時のディスプレイの輝度は40%、照度センサーはオフに設定した。
この条件で、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態に移行するまで9時間27分だった。4G LTEに常時接続しながら軽いWebブラウズという用途なら、9時間以上バッテリーが持つということになる。ちなみに4G LTEをオフにして無線LAN接続(その他は同条件)にしたところ、9時間6分という結果になった。4G LTEと無線LANでは15分程度の差が開いたが、誤差の範囲だろう。常に持ち運ぶデバイスとして心強い結果となった。
余談だが、Surface Pro 3で同条件(無線LAN接続オン)にてバッテリー駆動時間を検証したところ、8時間58分という結果になった。
ただ、今回の結果はマシンへの負荷が比較的少ない使い方を想定している。筆者が音楽再生をしながらWebブラウジング、動画サイトの閲覧といった普段に近い使い方をしてみたところ、6時間ほどでバッテリー切れとなった。重いWebサイトの閲覧や負荷の掛かる作業では、やはり電源のある環境が理想だ。捉え方を変えれば、iOSやAndroidといったモバイルOSではなし得なかったPCとしての重い作業までできてしまうタブレットとも言える。
Surface 3はMicro USBからの充電に対応しており、汎用(はんよう)のMicro USBケーブルを使えるのがうれしい。Surface 3に付属するACアダプタの出力は13ワット(5.2ボルト/2.5アンペア出力)でSurface 3の満充電まで3時間程度かかるという。本体サイズは57(幅)×37(奥行き)×28(厚さ)ミリで、重量は実測で112グラム。本体と共にACアダプタを持ち運んでも、ほとんど負担にならないサイズ感が魅力的だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.