(1)USBが2つ同時に使えるってホント?――「Surface 3(4G LTE)」をSurface Pro 3ユーザーがチェックした
(2)“Atomは遅い”はもう古い?――「Surface 3(4G LTE)」の性能を見極める
(3)Surface Pro 3より薄型軽量でもバッテリーは長持ち?――「Surface 3(4G LTE)」のスタミナを検証する
(4)Surface Pro 3と比較して気づいた進化点とは?――「Surface 3(4G LTE)」のType Coverに迫る
(5)Atom x7はゲームで“熱く”なる?――「Surface 3(4G LTE)」の3D描画性能と発熱をチェック
「Surface 3」の取り回しのよさは抜群だ。本体の重量は実測で639グラム、Type Coverを含めても実測907グラムとなっており、モバイルノートPCとして考えればかなり軽量な部類に入る。重量が1キロを切るというのは、頻繁に持ち運ぶモバイルPCを選ぶうえで重要な要素となり得る。
実際にSurface 3をバッグに入れて持ち運んでみても、重さという負担を感じること少ない。外出するときに「今日は出先でPCを使うだろうか……」と、一孝してから荷物にSurface 3を加えるか決めるのではなく、とりあえずバッグに入れておこうという気持ちになる。この持ち運びが負担にならない使い勝手はまさにタブレット感覚だ。ノートPCを軽快に持ち歩きたいというユーザーにとって魅力的に映るに違いない。
軽快さを感じる本体でありながら、中身はフルの64ビット版Windows 8.1を搭載し、Windowsの豊富なデスクトップアプリケーションが実用的なレベルで使えるのは、Surface 3最大の優位性と言える。
iPadやAndroidタブレットは、コンテンツを閲覧する分には高い使い勝手を発揮するが、文字を入力したり、何かを制作したりといった生産性においてはPCにかなわない。製品が登場しはじめた頃に比べれば、かなり実用度が向上してきているが、結局はモバイルOSの域を脱しておらず作業の仕上げはPCで、ということになりがちだ。深く使い込むユーザーほど、じれったい思いをしているはず。
Surface 3なら、使い慣れたWindowsのアプリケーションをそのまま使用できるので、タブレットでありながら1台で作業を完結できる。インタフェースにおいても、フルサイズのUSBポートやMini DisplayPortを搭載することで、Windowsに対応する周辺機器ならそのまま利用可能だ。この点は非常に大きなアドバンテージになる。
また、Surfaceの使い勝手を向上させているのが、2つの純正アクセサリである「Type Cover」と「Surfaceペン」だ。Surfaceを象徴するキーボード兼カバーのType Coverは、4.9ミリの厚さにキーボードを搭載することで、タブレットでありながらノートPCと同等の入力を実現している。カラーバリエーションは全5色を用意し、好みの色を選ぶこともできる。
また、以前お伝えしたように、Surface Pro 3のType Coverからキータッチが向上している。Surfaceの魅力の半分はこのType Coverと言っても過言ではない。
SurfaceペンはSurface Pro 3に引き続き採用されたN-trig製のデジタイザペンだ。256段階の筆圧を感知し、本格的な絵から手書き文字入力、ポインティングデバイスとして非常に有用だ。写真のレタッチなどにも活躍する。残念ながらSurface 3には付属しないが、手に入れて損はないアクセサリだ。
Surface 3はIntelのタブレット向け最新Atomプロセッサ「Atom x7-Z8700」(1.6GHz/最大2.4GHz、4コア/4スレッド対応)を採用している。Atomプロセッサは前評判がイマイチだったこともあり、動作に関して不安もあった。しかし、ふたを開けてみれば、Webブラウズや音楽、動画を始めとするメディア再生、Officeを使ったドキュメント作成など、一般的な使い方なら軽快にこなすことができる。
動作が軽快でありながら、ファンレスのため不快な動作音がしないのもありがたい。排気口が存在しないため、ファン内蔵のSurface Pro 3に比べてスッキリとした外観なのも好印象だ。
一方で重い動画編集やマルチタスク、3Dゲームといった用途に関しては力不足という結果となっている。そういった使い方を想定するなら、Core iシリーズを搭載するSurface Pro 3を選ぶか、Surfaceシリーズ以外のモデルを検討するべきだろう。
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