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(2)“Atomは遅い”はもう古い?――「Surface 3(4G LTE)」の性能を見極める
(3)Surface Pro 3より薄型軽量でもバッテリーは長持ち?――「Surface 3(4G LTE)」のスタミナを検証する
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「Surface」シリーズを象徴するアクセサリと言えば、豊富なカラーバリエーションが魅力の「Type Cover」を挙げる人は少なくないだろう。
ディスプレイを保護するカバーに物理キーボードが一体化したこのキーボードカバーは、タッチパネル搭載デバイスの弱点である“文字入力”の使い勝手を大きく向上させつつ、タブレットとその保護カバー、さらに外付けキーボードも一緒に持ち歩くという煩わしさからユーザーを解放した。
「これさえあれば、何もいらない」という大胆なキャッチコピーは、Surfaceシリーズ最大の特徴とも言えるType Coverの存在があればこそだ。Type CoverはSurface 3本体と別売だが、これはカラーバリエーションをユーザーに選択させるためであり、本体との同時購入が基本になっている。
Surface 3用のType Coverは、わずか4.9ミリという厚さの保護カバーに余裕あるサイズのQWERTY配列キーボードを搭載。閉じれば保護カバー、開けばキーボードとして機能する。Surface 3本体とは従来のモデル同様にマグネットで固定。本体とはBluetoothといった無線接続ではなく、キーボード奥に配置された専用端子で接続するため、ペアリングの手間がなく、電源も本体から供給される。この本体とType Coverの一体感は、キーボードドックなどを用いる他社製品にはない特筆すべき点だ。
カラーバリエーションはブラック、シアン、ブルー、レッド、ブライトレッドの全5色となる。2015年6月現在、既報の通りシアンは生産の遅れによって出荷停止中だ。
Surface Pro 3の画面サイズが12型(アスペクト比3:2)だったのに対し、Surface 3は10.8型(3:2)に小型化されたため、組み合わせるType Coverもサイズが一回り小さくなった。Surface Pro 3用Type Coverのサイズは295(幅)×217(奥行き)×4.8(高さ)ミリ、重量は実測で295グラムだ。Surface 3用Type Coverのサイズは268(幅)×188(奥行き)×4.9(高さ)ミリ、重量は実測で268グラムとなる。
主要キーのキーサイズは、Surface Pro 3用が実測で18(横)×18(縦)ミリ、Surface 3用が17.5(横)×17.5(縦)ミリだった。この0.5ミリの差でキータッチの変化は感じられず、気にしなくていいだろう。
最上段にあるファンクションとショートカットを兼用するキーは、それぞれ配置が変化している。Surface 3用では「Insert」と「PrintScreen」、「ディスプレイ輝度アップ・ダウン」が新設され、Surface Pro 3用にあった検索、共有、デバイス、設定へのショートカットは姿を消した。よりユーザーの使用頻度の高いものへと最適化している点は素直に評価できる。そして、これらはWindows 10を見据えた設計になっているとも考えられる。また、「Esc」キーと「Del」キーは若干小さくなっている。
また、ファンクションとショートカットの役割切り替えは、Surface Pro 3までは「Fn」キーと「Caps」キーを同時に押すことで実現していたが、Surface 3では「Fn」キーのみでトグルによる切り替えが可能となった。従来の設定方法は非常に分かりづらく、周知不足で存在を知らないユーザーも多く見受けられるので、歓迎すべき改善点だ。
キーボード下部に配置されたタッチパッドは、Surface Pro 3用が44(縦)×98(横)ミリ(実測)で、Surface 3用が37(縦)×77(横)ミリ(実測)と、本体サイズの縮小に合わせてこちらも小さくなった。若干窮屈な印象も受けるが、実際に使ってみるとポインティングデバイスとしてそこまで使い勝手が悪い印象は生まれない。個人的には他の標準的なWindowsノートに比べて感度が優れていると感じる。Windows 10で強化されるジェスチャー機能にも期待したいところだ。
Surface Pro 3用のType Coverから、マグネット内蔵のヒンジ部を折って本体に密着させることで、キーボードに傾斜をつけられるようになった。ただ、キーボードの下に空間が生まれるため、キーを打ったときに全体がたわみ、指に伝わる微妙な振動が気になることもあった。Surface 3用のType Coverは、小型化とともに剛性が向上したようで、キータッチ時の振動がかなり軽減されており、初めて触ったときに「おっ」と驚いた。強めにキーをたたくとまだたわみは感じられるが、ここは大きな改善点だと感じる。特に文字入力を重視するユーザーは注目すべきポイントだ。
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