訪日外国人数の増加を受けて、主に訪日外国人向けに販売されるプリペイドSIMカードの取扱いが拡大している。
NTTコミュニケーションズは7月24日、成田空港第1ターミナル・第2ターミナルの到着ロビーにプリペイドSIMカードやスマートフォン、モバイルWi-Fiルーターを販売する自動販売機を設置した。同社は3月に同様の自動販売機を関西国際空港に設置しているが、首都圏の空港にプリペイドSIMカードの自動販売機が設置されるのは初。
販売するプリペイドSIMカードは税別3450円の7日間タイプと、同4950円の14日間タイプ。1日の通信量が100Mバイトを超えると通信速度が制限されるが、速度制限後も通信そのものは可能だ。
首都圏の主要空港にて気軽にプリペイドSIMカードが購入できるようになるのは、訪日外国人だけでなく、海外駐在や留学などで日本国内でのモバイルインターネット接続手段を持たない日本人にもメリットは大きい。
首都圏の空港以外では、札幌駅にもソネットのプリペイドSIMカード自動販売機が設置されており、プリペイドSIMカードが購入できる主要な空港や駅が広がってきている。
プリペイドSIMカードが入手可能な場所が広がっているのは歓迎したいが、自動販売機のみでの販売では、一般の訪日外国人客にとってスムーズにプリペイドSIMカードが購入可能な状況とは言い難いようだ。
実際に関西国際空港に設置されたプリペイドSIMカード自動販売機の様子を見ていると、知名度が徐々に上がってきたのか興味を持っている(購入を検討している)外国人客は少なくない。しかし購入するSIMカードをどれにするか迷っていたり、購入後に設定方法が分からなかったり、SIMカード取り出し用のSIMピンがなかったりと、利用開始までのハードルはやや高そうだ。
同社の自動販売機はパスポートを読み取ってSIMカードのアクティベーションを行うが、それ以外のアクティベーションが必要なプリペイドSIMカードは「インターネット接続のための申込をインターネット経由で行う」必要がある。
プリペイドSIMカード以外に何らかのインターネット通信手段(例えば無料のWi-Fiスポットなど)があれば特に問題ではないが、そもそもプリペイドSIMカードを購入するのはインターネット接続を行うためであり、「購入したSIMカードからアクティベーション用サイトには接続できる」といった改善に期待したい。
念のために付け加えてくと、日本を訪れる訪日外国人の上位を占める中国・韓国・台湾でもプリペイドSIMカードの購入またはアクティベーション時には本人確認が必要となっているため、これらの国に比べて日本のプリペイドSIMカード購入が著しく煩わしい仕組み、ということではない。
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