UQコミュニケーションズがネット上で騒動になっている。
UQコミュニケーションズがアピールする「制限ナシ」について、ユーザーが噛みついたのだ。
「制限ナシ」を訴求しておきながら、「3日間で3GB制限」があるのはおかしいとして、誇大広告を改めること、またユーザーに対して無償解約をできるようにしろと告発したのだった。
UQコミュニケーションズとしては「月間データ量制限ナシ」であり「速度制限はアリ」という意味合いであったのが、ユーザーには正しく伝わっていなかったようだ。
UQコミュニケーションズでは7月14日には声明を発表。広告は改善し、制限後の速度も緩和する方向であるとした。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年7月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。
また、同社の野坂章雄社長が、自分がパーソナリティを務めるラジオ番組「石川温のスマホNo.1メディア」に出演。「ユーザーのUQコミュニケーションズに対する期待値が高かったこと」また「データ量制限ナシ、速度制限ありといった用語が一般的な人からするとわかりにくかった」のが、騒動の原因だったようだとコメントした。
ユーザーから要望のある無償解約については「MVNOとして、量販店がプロバイダとなって、UQコミュニケーションズから卸を受けて、サービスを提供しているところもある。そのため、お客様によっては契約先が違う場合がある。
大きな原則は、今回、3日間で3GBというのを自分は聞いていたけど、明らかに勘違いしていた場合、実際にお話を聞いてみて、そうであるというのがわかれば、無償解約に応じないといけない。
でも、UQコミュニケーションズの直販はWebでは重要事項の説明が書いているので、見ていたか、見ていないかということになるが、ユーザーさんのお気持ちもありますので、そこは、よくお話を聞いてから判断したい」と、ユーザーとじっくり話し合って解決していく姿勢を見せた。
UQコミュニケーションズについては、免許を獲得する前から取材をしているが、やはり初代WiMAXのころの「固定代わりにもなる使い放題」が、インパクトが大きかっただけに、この状況をWiMAX2+になって、いかに終息させるかが難しかったように思える。
WiMAX2+が始まったときも「当初2年間は使い放題」として、使い放題問題を先送りにしつつ、2015年2月になって「データ量月間上限なし」に改定。広告では「ギガヤバ革命」というフレーズで、最高速度220Mbpsの「データ通信量月間上限ナシ」がアピールされたのだった。
この代わりに導入されたのが「3日間で3GB制限」であり、電波は有限であることを考えれば「仕方ない措置」と思える。
初代WiMAXのころに「使い放題」をアピールした手前、WiMAX2+が始まったことでいつかひずみが出てくるだろうとは思っていたが、ユーザーの告発という形で壁にぶつかった格好となった。
これまで、問題を先送りにしていただけに、こういったかたちで膿が出たのは、UQコミュニケーションズとしても、これで良かったように思えるし、ユーザーに伝わりにくいのであれば「使い放題」という言葉は改めてもいいのではないか。
ラジオ出演で野坂社長は「1日目にたとえば大量にダウンロードして50GB使ったとする。そうすると3GBを超えるので2日目から4日目は YouTube動画だと標準画質ぐらいの視聴で我慢することになる。
もちろん、メールやウェブを見るぐらいなら全く問題ない。5日目になるとカウンターがクリアされて、また50GBでも100GBでも使える。仮に4日ごとに50GBを8回使うと、月間で400GBくらい使えます。月に400GB使えて月額4380円なのはWiMAX 2+だけ」と語っている。
というのであれば、これからは「月100GBでも400GBも使えるWiMAX2+」という広告にすれば、インパクトはあるし、ユーザーからも突っ込まれない表現になるのではないか。
一般的なユーザーからすればスマホの7GBと比べても、料金の安さは圧倒的だ。こんな言われ方をすれば、1〜2GBで苦労している格安スマホユーザーとしても、格安スマホが「高い」と感じるのではないか。
さすがにすべてのユーザーに400GBも使われてしまってはUQコミュニケーションズとしてもたち行かなくなるだろうが、「使い放題」ではなく「月100GBでも使える」という言い方のほうが、「ギガヤバ革命」な感じがして良いと思うのだが。
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