JEITA(電子情報技術産業協会)によるプリント用標準テストパターンを使った速度計測で、実際の出力スピードを計測してみた。計測した時間は、印刷画面で「OK」をクリックした瞬間から、最後の用紙が排出されるまでだ。プリンタドライバの設定は、標準のままとした。使用したPCは、Surface Pro 3(CPU:Core i5-4300U/システムメモリ:4Gバイト/OS:Windows 8.1 Pro)で無線LANでHP Officejet 7510と接続する。
なお、JEITA J1(Ver.2)は、Word 2013のテキストのみ文章(23Kバイト)、J9は図表を埋め込んだカラー文章Word2013(1024Kバイト)、J10はExcel 2013ファイル(978Kバイトの一部)のA3チャートシートを利用した。
コピーのテストには、プリントテストで出力した原稿をそのままコピー原稿に利用している。計測時間は、本体のスタートボタンを押した瞬間から最後の用紙が排出されるまで(テストはストップウォッチによる手動計測)。結果は下表の通りだ。
テスト内容 | テスト原稿 | カラー | 枚数 | 計測時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
プリント | J1(A4) | 黒 | 1枚 | 17秒09 | ファーストプリント |
プリント | J1(A4) | 黒 | 10部(10枚) | 53秒90 | ファーストプリントを含む |
プリント | J9(A4) | カラー | 1枚 | 30秒73 | ファーストプリント |
プリント | J9(A4) | カラー | 2部(10枚) | 2分37秒69 | ファーストプリントを含む |
プリント | J10(A3チャート) | 黒 | 1枚 | 30秒46 | ファーストプリント |
プリント | J10(A3チャート) | 黒 | 10部(10枚) | 2分3秒64 | ファーストプリントを含む |
プリント | J10(A3チャート) | カラー | 1枚 | 3分22秒23 | ファーストプリント |
プリント | J10(A3チャート) | カラー | 10部(10枚) | 32分04秒83 | ファーストプリントを含む |
スキャン | J1(A4) | 黒 | 1枚 | 32秒58 | ADF使用 |
スキャン | J1(A4) | 黒 | 10部(10枚) | 2分1秒15 | ADF使用 |
スキャン | J9(A4) | カラー | 1枚 | 30秒98 | ADF使用 |
スキャン | J9(A4) | カラー | 10枚 | 2分0秒26 | ADF使用 |
スキャン | J9(A4) | カラー | 1枚 | 28秒52 | 原稿台使用 |
コピー | J1(A4) | 黒 | 1枚 | 26秒30 | ADF使用 |
コピー | J1(A4) | 黒 | 10部(10枚) | 2分22秒57 | ADF使用 |
コピー | J1(A4) | 黒 | 1枚 | 15秒84 | 原稿台使用 |
コピー | J9(A4) | カラー | 1枚 | 28秒42 | ADF使用 |
コピー | J9(A4) | カラー | 2部(10枚) | 3分20秒07 | ADF使用 |
コピー | J9(A4) | カラー | 1枚 | 26秒54 | 原稿台使用 |
ファーストプリントとファーストコピーの時間を含めないプリント速度は、A4モノクロで4.09秒/枚、A4カラーで14.10秒/枚。A4モノクロ印刷の場合は公称値通り(約4秒/枚)であったが、カラー印刷では、かなり時間がかかっている。特に、A3カラー出力を多用するユーザーにとっては厳しい結果といえるだろう。
HP Officejet 7510で最も重要なのは、本体価格が1万9800円(税別)という、A3ノビの印刷が可能な複合機の中でも突出したコストパフォーマンスの高さだ。世界シェアNo.1のHP Inc.のスケールメリットでできたともいえるだろう。
価格を抑えたモデルでありながら、豊富な接続環境や、ADFの装備、全色顔料インクの採用、充実した専用アプリで使い勝手も良好だ。A3サイズでのコピーやスキャン、各サイズでの両面印刷ができないという弱点はあるが、“A3の印刷をすることがときどきある”という個人事務所やSOHOで設備導入の予算を抑えたい場合に、導入を検討しておきたいモデルだ。
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