本格ゲーミングから普段使いまで お手頃価格が魅力の「ideacentre Y700」質感高し(4/4 ページ)

» 2016年04月15日 06時00分 公開
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気になるミドルレンジGPUの性能は?

 3D性能を計測する3DMarkでは、Direct X9相当テストのIce Stormで14万8143、Direct X10相当テストのCloud Gateが2万2448、Direct X11相当テストのFire Strikeで6561と、ミドルクラスのGeForce GTX 960(2GB)でありながら満足のできる結果となった。

3DMarkのスコア

 実際のゲームタイトルを用いたグラフィックス性能を評価するため、ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマークを試したところ、全ての設定で「非常に快適」となっている。DirectX 9での最高品質設定、1920×1080ピクセルフルスクリーンのスコアは9288、DiretX 11に変更しても7064と非常に滑らかな3D描写が可能であった。

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマークのスコア
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマークのスコア
解像度 画質設定 画面表示 FF14スコア 評価 DirectXバージョン
1920×1080 最高品質 フルスクリーン 7064 非常に快適 DirectX 11
1920×1080 最高品質 フルスクリーン 9288 非常に快適 DirectX 9
1280×720 最高品質 ウィンドウ 13258 非常に快適 DirectX 11
1280×720 最高品質 ウィンドウ 14991 非常に快適 DirectX 9

 ドラゴンクエストXベンチマーク(Ver1.4K)では、グラフィックス設定を最高品質の解像度1920×1080ピクセル、フルスクリーンだと1万8591、最高品質で解像度1280×720ピクセル、ウインドウモードでは1万9421となった。

ドラゴンクエストXベンチマークのスコア

 動画編集用途を考慮して、TMPGEnc Video Mastering Works 6による動画エンコード速度も確認した。MOVファイル(79.4MB/1920×1080/59.94fps)をMPEG-4 AVC/H.264形式(1920×1080/59.94fps)に変換したところ、良好な結果が得られた。

TMPGEnc Video Mastering Works 6による動画エンコード速度 TMPGEnc Video Mastering Works 6による動画エンコード速度
TMPGEnc Video Mastering Works 6の動画エンコードテスト結果
MOV→MPEG-4 AVC/H.264変換 所要時間
x264でエンコード 3分1秒

 続いて写真編集用途を想定したRAW現像テストだ。今回はRAWデータの写真100枚(計1.59GB)を用意し、Capture NX-Dを使ってJPEG形式に標準圧縮をかけ、バッチ処理した時間を計測した。こちらも満足できる高速な結果が得られた。同社のXeon搭載17.3型ノートPC「ThinkPad P70」と比較して約半分程度の時間で完了、さすがタワー型PCと言ったところ。

Capture NX-DのRAW現像テスト結果
RAW現像→JPEG出力 所要時間
RAW現像・RAWデータ100枚分計1.59Gバイト 7分30秒

 静音性能と温度管理も極めて優秀だ。FF14ベンチマークテストを2回以上走らせて騒音計(SMARTSENSOR、誤差±1.5dB)と放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付)で簡易計測した。測定方法は背面にあるCPUクーラーの通風口後ろ約10センチで計測している。

 PCを起動しない部屋の騒音は30.7デシベル、室温は19.0度。騒音はアイドリング時で約43.7デシベル、高負荷時は45.0デシベル。高負荷時でも騒音はほとんど変わらない。

 表面温度は本体天板中央部が22.6度前後である一方、サイドパネルを開けた状態での本体内部では、プロセッサ付近(AVC製ファンの上部)は24.9度、グラフィックスカード上部でも55.1度と安定していた。高負荷時でも、放熱性に優れた性能が確認ができる。

 ハードウェア情報ツールのHWiNFO64で確認した、CPU Packageの最高温度は46度。Core i7 6700のTcase温度71度までかなり余裕があった。ちなみに、フロントベゼルに配置された吸気用12センチ角ファンは最大872RPM、リアの排気用12センチ角ファンは最大870RPM、CPUファン(AVC製Z8UL06S012)は最大1300RPMでそれぞれ稼働していたようだ。

まとめ

 今回検証したideacentre Y700は、高次元でバランスのとれたPCだった。ボディーデザインは秀逸で、メンテナンス性は抜群によい。パフォーマンス面でもフルHDまでのFF14ベンチならあらゆる設定で“非常に快適”となる。動画エンコードやRAW現像などのクリエイティブ作業も軽々とこなす、ゲーム以外にも十分に活用できるマシンだ。

「ideacentre Y700」

 また高負荷の作業を長時間行う際には、PCの安定稼働が気になるところだが、クーリング性能と静音性も申し分ない。

 あえて改善点をあげれば、無線LANやBluetoothを備える一方で、キーボードやマウスを付属しない割り切った仕様となっているところ。ゲーミングユーザーはそれぞれこだわりの周辺機器を利用するため、仕方ないが、BTOによるカスタマイズメニューがあれば、無駄なくさらに期待通りの構成に仕上げることができるだろう。

 PCメーカー製ならではの標準保証(1年間引き取り修理)や延長保証も用意される「自作もできるが組み立てる手間を省きたい」「最高性能を長く安定して利用したい」「メーカー保証も欲しい」というユーザーにお勧めできる1台だ。

今回テストしたideacentre Y700のデバイスマネージャ画面
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