以上を踏まえ、Microsoftが2019年に取り組むべきことを考えてみた。割と早急に対応すべきことであり、これは2020年以降へのステップアップともなる。
セキュリティ対策においてWindows Updateは重要な位置付けにあり、この信頼性を早急に回復することが何より重要だ。近年のMicrosoftは「Windows Updateにまつわるストレスを軽減する」ことに力を注いできたが、これと同時に「OSをこまめにアップデートする」ことの利点もきちんと提示する必要があると考える。
「大型アップデートで機能が大きく改善されないなら、別にアップデートする必要もない」と考える人も出てくるはずで、本当に「年2回」のアップデートが正しいのかも見直すべき時期に近付いていると考えている。
機能追加に気を取られるあまり、ユーザーのフィードバックを見逃して大事故を引き起こすなら、そもそもWindows Insider Programは存在する意味がない。開発スピードと信頼性のバランスを考え直すよいタイミングではないだろうか。
もう1つは、もはや専門家でないと理解できなくなりつつある機能の差異やサポートポリシーに関するルールの見直しだ。前述のUWPとデスクトップのアプリ対応も含め、対外的に見て分かりにくいサービス体系はマイナスにしか作用しない。
複雑化するポリシーも大規模ユーザーを想定してのものだが、それはすなわち現行のポリシーそのものが無理のあるものという証明でもあると考える。SACの仕組みが有名無実化しつつある昨今において、年2回の大型アップデートが妥当かも含め、いま一度ポリシーをシンプル化した方がいいのではないだろうか。
2019年はソフトウェア上の課題が山積する一方で、「HoloLens 2」やSurfaceを含む新しいハードウェアやフォームファクタへの動きが見られるなど、いろいろコンシューマー的には楽しい話題も控えている。
前述したAdDuplexのデータによれば、安価で軽量なデバイスの人気が高いという集計結果も出ており、新SoCを搭載したWindows on SnapdragonやSurface Goの次世代版などにも期待が集まる。いずれにせよ、2019年はMicrosoftの次への飛躍にとって重要な年であり、楽しみに観察していくつもりだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.