スマートスピーカー利用中に、消費電力量がどの程度変化するのかをチェックした。代表的な製品として、ここではEcho Dotを使用している。
まずシンプルな応答、例えば天気を尋ねるような場合だが、ウェイクワードを発した瞬間に、消費電力はそれまでの1.2W前後から2倍近くに跳ね上がる。ただし応答が始まると、元の1.5倍くらいの値へと下がり、さらに応答が終了するとすぐ元の状態に戻る。高い消費電力が応答終了後も長時間維持されるわけではない。
では音楽再生のように、長時間スピーカーから音を発し続ける場合はどうだろうか。音楽再生をリクエストした段階では、先ほどと同様に消費電力が2倍近くに上がり、その後音楽再生が開始されると、待機時の1.5倍程度の電力を消費する状態が続く。
どのくらい消費電力が上下するかは曲の種類(静かな曲か、騒々しい曲か)によっても異なり、また曲が終了して次の曲の再生が始まるまでの無音区間は、待機時とほぼ変わらないくらいまで消費電力が下がる。あくまでもスピーカーの音量に依存するようだ。
では、音量を上げるとどのような変化が出るだろうか。ここまでの実験は音量を「1」、つまり最小値にして行っているが、これを中間値の「15」まで上げると、それまで2〜5Wをウロウロしていた消費電力が、ピーク時で約7Wまで上がった。最大値である「30」に音量が近づけば近づくほど、消費電力は上がっていくと考えられる。
仮に、この状態で終日再生を続ければ、さきほどの2倍近い電気料金がかかる計算になるが、それでも1日1.2円が2.4円になるだけで、たかが知れている。バックグラウンドで何らかの処理をしているようなら話は別なのだが、今回試した限りでは、そのような心配はなさそうだ。あるとすれば、せいぜいオンラインアップデートの時くらいだろうが、これが連日に渡って何時間も続くことはちょっと考えにくい。
以上のように、待機時の電力については気にする必要はまずない。また電力消費は主に音量の大きさに依存しているため、どうしても気になる人は、音量を控えめにすることで省電力に努めた方がよいだろう。電源ごとオフにしていては、スマートスピーカーの利点そのものが失われてしまう。そうなっては本末転倒だ。
なお、本体の電源を投入してから数十秒間は、どの製品も、待機時の2倍近い電力を消費する状態が続く。つまりこまめにオン/オフすればするほど、この回数が増えるわけで、そうした意味からもお勧めしない。スマートスピーカーの電源オフは、旅行や出張で数日間自宅を離れるような状況でのみ、意味を持ってくるといえそうだ。
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