3DMarkに追加されたPCI Express feature testで見ると、Intel環境(PCIe Gen3)では毎秒13GB台、AMD環境(PCIe Gen4)では毎秒24GB台だった。確かに、AMD X570環境にRadeon RX 5700シリーズを挿せばPCIe Gen4によって帯域が拡大する。ただし、その他のベンチマークスコアの結果を見ての通り、影響はほぼなしというのが現状だ(唯一、World War Zが怪しいが……)。ドライバの最適化にせよ、次世代GPUにせよ、PCIe Gen4はまだ将来的なアップグレードパスという程度だろう。
この点では少し残念だが、PCIe Gen4が活躍する場はもう1つある。ストレージだ。M.2 NVMe SSDでPCIe Gen4を使えることも、AMD X570環境ではアドバンテージだ。性能がほぼ同等となると、ここが第3世代Ryzen+AMD X570チップセット搭載マザーボードの魅力といえるだろう。
この辺りのテストについては、記事を改めて取り上げたい。
Radeon RX 5700シリーズは、性能面で圧倒的というわけではない。ただしGeForce RTX 2060や2070クラスと性能面で並ぶシーンも多く見られ、Radeon RX 5700 XTはともかく、Radeon RX 5700は消費電力ではGeForce RTX 2060やRTX 2060 SUPER程度に収まっている。従来のRadeon RXなら電力効率でGeForceにかなりリードを許していた。そこが大きく改善されているのは高く評価できる。電力性能比のバランスはかなり改善された印象だ。
価格に関しては直前で変更があり、当初の想定よりは安価になった。ただ、まだ初値の段階であり、対するGeForce RTXは(SUPERシリーズを除けば)価格がこなれてきており特価品も多い。どちらかといわれると、Radeon RX 5700シリーズは多少決め手に欠ける印象もある。
第3世代Ryzenに合わせて、AMD X570搭載マザーボード、Radeon RX 5700シリーズでオールAMDの最新環境を構築すれば、一歩先を行くインタフェースや機能で将来的な安心感が得られるということはあるだろう。ビデオエンコード/デコード機能もアップグレードされ、メディアを扱う方はそうしたところに注目してみるのもよい。
全体的に第3世代Ryzenほどのインパクトはないが、Radeon RX 5700シリーズも十分に戦える性能を得たため、好きな方を選べばよいというユーザーにとっては安心して買える状況になったといえるのではないだろうか。
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