新iPhoneは「XI」か「11」か ローマ数字はやめた方がいい理由ITはみ出しコラム

» 2019年09月08日 06時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Appleの毎年恒例、秋の新製品発表会(Apple Special Event)が9月10日の火曜日(日本時間では水曜日の午前2時から)に開催されます。

iPhone XS 2018年9月に発表された「iPhone XS」と「iPhone XS Max」(昨年の発表会で流れた動画より)

 そこで発表される2019年の新型「iPhone」について、いつものようにいろんな予想が飛び交っています。iPhoneの背面カメラが増えて見た目がカッコ悪くなるとか、カラバリが増えるとか。日本で根強い「iPhone SE」復活説とか(これは2020年か)。

Spigen こちらは早くも発売された新型iPhone用ケース(Spigen)の画像。背面のカメラまわりがこれまでと大きく違います

 顔認証(Face ID)が嫌いな知人は、「一番心配なのはホームボタン(Touch ID)付きの最後のモデル、iPhone 8がディスコンになること」と言っていました。Androidで増えつつあるディスプレイ内指紋センサーをAppleが採用するかも、といううわさもありますが、まだ先のことのようなので、それまではホームボタン付きのモデルを使い続けたいそうです。

 iPhoneのラインアップの話をしていたら、2017年発売の「iPhone X」のせいで、各モデルの位置付けが混乱してしまったので、Appleのサポートページを参考に、これまでのiPhoneのモデルを整理してみました。

history iPhoneのモデル名と発表年まとめ(筆者作成)

 Appleは2007年の初代から、毎年iPhoneの新モデルを出しています。モデル名は、2010年の「iPhone 4」からしばらくは、数字だけの年と数字に「s」がつく年が交互になり、2014年からハイエンドモデル「Plus」が追加されました。

 毎年9月にイベントを開催して新モデルを発表するパターンになったのは2012年から。ただし、2016年3月に変則的に「iPhone SE」(Special Edition)が登場しました。2013年のメインモデル、「iPhone 5s」とほとんど見分けがつかず、「iPhone 5c」以来のお手頃iPhone的な位置付けでした。

 混乱の元である「iPhone X」は、「iPhone 8」と同時に2017年9月に発表されました。

iPhone X 「iPhone X」発表時のラインアップ。このときは「iPhone SE」の姿も……

 メインモデルに位置付けられるiPhone 8の上位モデルとしては「iPhone 8 Plus」も出ましたが、iPhone Xはそれよりもさらに上位の“プレミアムモデル”です。それまで採用してきた指紋センサーではなく、顔認証を採用したので、区別を付けたくてアラビア数字ではなく、ローマ数字で、しかもIX(9)を飛ばしてX(10)にしたようです。

 この時点でずいぶん、「次のメインモデルの名前はどうするんだろうねー」という話が出ました。「iPhone 9」ではXより後退する感じがするので、9は飛ばして「iPhone 10s」かな、など。

 結局、2018年のメインモデルは「iPhone XS」になりました。でも、上位モデルが「iPhone XS Plus」になるかと思いきや、「iPhone XS Max」に。上位モデルは「Plus」という歴史が幕を閉じました。さらに、お手頃モデルとしては三代目に当たる「iPhone XR」も登場しています。

 数字と「s」付き数字が交互に来るモデル名のルールは踏襲されましたが、「S」が何げなく小文字ではなく大文字になってます。恐らく、「XR」にそろえたんでしょう。AppleのWebサイトでは、iPhone XRのRとiPhone XSのSが小さく表示されていたり、四角で囲まれていたりしますが、正式な表記は大文字です。

iPhone XS 2018年、「iPhone XS」発表時のラインアップ

 そんなわけで、2019年のiPhoneラインアップは、シンプルに考えれば、ローマ数字での表記を引き継いで、「iPhone XI Max」「iPhone XI」「iPhone XIR」になります。

 でも、今回でローマ数字はやめ、さらにiPhoneに「Pro」が付くというウワサも。以下の3モデルになるとの予測もあります。

  • iPhone 11 Pro Max
  • iPhone 11 Pro
  • iPhone 11

 この場合、最上位モデルに「Max」が付いているので、「iPhone 11」がメインではなく、これがiPhone XRの後継になり、メインは「iPhone 11 Pro」ということになるんでしょう。

 いつもジョーク交じりに製品名称について説明してくれるクレイグ・フェデリギさんの言い訳を聞きたいところです。

federigi 米Appleソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギさん。毎回ジョークで楽しませてくれます

 ローマ数字をやめるのは賢明です。もしこのままiPhoneがずーっと毎年出るとしたら、例えば「iPhone 18」は「iPhone XVIII」に、「iPhone 88」は「iPhone LXXXVIII」になっちゃいます。

 もっとも、「iPad」や「MacBook」のように数字を完全に排除する可能性もあります。

 少なくとも2019年モデルの正式名称は、もうすぐ明らかになります。日本時間で9月11日午前2時からのライブストリーミングが楽しみです。

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