本来、HomePodでのこうした家電製品のコントロールは、Appleが推進する「HomeKit」というサービス上で行われるのが正しいあり方とされるが、いかんせん日本国内ではまだ対応機器の数が少ない。
その点、上記の手順は、スマートリモコンがSiriショートカットに対応している必要はあるが、他社のスマートスピーカーのようにスキルやアクションを登録しなくても、ものの数分で設定できてしまう。これまで他社のスマートスピーカーで四苦八苦していた人からすると、簡単すぎて拍子抜けするはずで、現時点では最適解と言えるだろう。
注意点としては、iPhoneの設定をデフォルトから変更していると、うまく動作しない場合があることだ。具体的には「iCloudキーチェーン」が有効になっていること、またパーソナルリクエスト機能が利用できる状態になっていることだ。
後者については、HomePodのセットアップの時点でオンにしているはずだが(前回の記事参照)、位置情報の共有元としてそのデバイスを指定していなければならない。うまく動かない場合は、まずこれらをチェックしてみるとよいだろう。
ただし、他社のスマートスピーカーにはない制限もいくつかある。その最たるものが、iPhoneの電源がオフの状態では利用できないことだ。iPhoneに登録されているショートカット設定を使うので当然といえば当然なのだが、HomePodは実質的にマイクの役割を果たすだけで、実体はiPhoneであることを理解しておく必要がある。
また、1つ1つの操作に対して「はい、完了しました」「分かりました」などと大声で返事をするのも困りものだ。例えば部屋の照明を消したあと、暗闇の中で大声で「はい、完了しました」と返事されるのは、もう少しインテリジェントにできないものかと思ってしまう。
これとも関連するが、HomePodのレスポンスが必ずしも速くないのも気になるところだ。「Hey,Siri」と呼びかけて反応するまでの間隔、また音声コマンドを発してから実際に家電が動作するまでの間隔、そのいずれもがかなり間延びしている。
前述のHomeKit経由であれば、これらのレスポンスは高速だという話もあるが(筆者は未確認)、いずれにせよ、現状はAmazon EchoやGoogle Homeと同じ感覚で使おうとすると、そのたどたどしさに少し面食らうのも事実だ。聞き取り性能は文句がないだけに、後継製品にはそのあたりの改善を期待したいところだ。
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