この夏、日本上陸 Appleのスマスピ「HomePod」はどんな人向け?:ITはみ出しコラム

» 2019年07月28日 06時00分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 やっと夏らしい天気になってきました。Appleのスマートスピーカー「HomePod」が“この夏”日本で発売されます。Appleが昔、「Newton」の日本での発売時期について「泳げるころには発売する」と言ってたのを思い出しました。“この夏”というのは8月末までのことでしょうか。

HomePod 「HomePod」は“この夏”に日本で登場

 HomePodが米国で発表されたのは2017年6月でした。日本で発売されるまでに、2年ちょっとかかったことになります。

 ちなみに、スマートスピーカーというジャンルを切り開いた「Amazon Echo」の登場は2014年11月でした。日本での発売は3年後の2017年11月。「Google Home」の発表は2016年5月で、日本での発売は1年5カ月後の2017年10月です。

 日本に「スマスピ」なるものが到来してから約2年がたっています。新しもの好きの家庭には、既に行き渡ったのではないでしょうか。わが家にはディスプレイ付きのものも含めて「Echo Dot」をはじめ、「Google Home Mini」が2台、「Echo Spot」に「Google Nest Hub」、そして「Echo Show 5」と、6台もあります(Home Miniのうち1台はお蔵入りですが、他はそれぞれ現役です)。

smart speaker わが家のスマートスピーカー

 Appleはこれまでも大抵、既にあるカテゴリーを後から最高レベルの品質にして世に出してきており、HomePodも多分そうなんでしょう。何しろお値段も3万2800円(税別)と、他のスマスピとは次元が違います(Echoシリーズで一番高い「Echo Plus」でも税込み1万7980円)。

 でも、スマスピって、Appleが(ジョニー・アイブさんが)得意なデザインでの差別化は難しいカテゴリーです。AppleはHomePodのキャッチコピーを「新しい音と暮らそう。」にしていて、つまりウリは「音質」。

HomePod キャッチコピーは「新しい音と暮らそう。」

 これは売り込むには難しいです。だって、実際に聴いてみないと分からないし、聴いてみても違いが分からない人がたくさんいるし(私はよく分かりません)。

 先に発売された米国で実際にしばらく使ったというレビューを幾つか読むと、確かに音質については皆さん太鼓判を押しています。

 ただし、「Appleのエコシステム内にいる人にはお勧め」というが共通の評価です。何しろせっかく音質が良いのに、“HomePod単体”で音楽を流すには、月額980円の「Apple Music」のサブスクリプションが必要になります。

 iPhoneユーザーが皆、音楽サービスとしてApple Musicを選ぶわけではないでしょう。現に私の夫は「Macintosh Plus」からのApple製品ユーザーですが、音楽サービスはApple Musicから「Spotify」に乗り換えました(理由は後述)。

 Appleが1月に発表したApple Musicのサブスク数は5000万人(それ以降発表していません)、Spotifyは有料会員数が1億を超えたと4月に発表しています。HomePodを売りたければSpotifyもサポートすればいいのにと思いますが、HomePodをApple Musicを売るツールの1つとするなら当面サポートしないでしょう。

 HomePodでも一応、Spotifyを流せます。そのためには、「iPhone」+「AirPlay」が必要です。家の中でもiPhoneを肌身離さず持っているとしても、一手間多くなります。

AirPlay 「AirPlay」を使えば、Spotifyの音楽をストリーミング再生できますが、一手間多くなります

 HomePodをもっと売りたいならSpotifyなど他の音楽サービスに対応した方がいいし、Apple Musicの販促ツールにHomePodを使うなら、Apple Musicの使い勝手をもう少し改善した方がいいのかもしれません。

 夫がApple MusicからSpoifyに鞍替えした理由は、Apple Musicにサブスクライブした際、「iCloudミュージックライブラリ」をオンにするよう促されてオンにしたところ、ひどい目にあったから、だそうです。

 どういうことかというと、夫のように古いApple製品のユーザーは、過去に自分の手持ちCDをコツコツと「iTunes」(ローカルのHDD)に読み込ませています。iCloudミュージックライブラリをオンにすると、これらの楽曲がiCloudにも加わって、iTunesとiPhoneを個別に同期する面倒はなくなるのですが、おせっかいなことにAppleのAIがライブラリ内の楽曲と同じだと判断した楽曲はiTunes Storeの楽曲に置き換えてしまうのです。

 夫の場合は「ウェザーリポートの『HEAVY WEATHER』に入ってる『A Remark You Made』が、『8:30』に入ってるライブバージョンに勝手に変えられたのが決定打」だそうです。

 これはリッピングなどしたことがない最近のユーザーには関係ないと思いますが、他にもアーティスト別のプレイリストがないとか、「アンビエント」のプレイリストにちっともアンビエントじゃない曲が入ってるから、などの小さな不満があったそうです。ちなみに、洋楽アーティスト名が片仮名なのも不満ですが、これはSpotifyも、ついでにいうと「Google Play Music」も同じことです。

 Apple Musicがもっとすてきな音楽サービスになれば、「Apple MusicのためにHomePod買うか」という人が日本で出てくるかも。Apple MusicはAndroidアプリもありますが、今のままではAndroidユーザーの私は特に使おうとは思いません。

 夫は私よりは音質の違いが分かる人ですが、今のところHomePodは「別にいらない」そうです。Spotifyの音楽をいい音で聴きたければ、「iMac」につないだHarman Kardonのスピーカーか、iPhoneからAirPlay経由で「Apple TV」を付けているテレビにつないだBoseのスピーカーを使えばいいからです。

 そんなわけで、少なくともわが家には当面、HomePodは来ないようです。

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