正常進化形? リニューアルしたAmazon「Echo」の第3世代モデルをチェックした山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)

» 2019年10月17日 14時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

ソフトウェア側のアップデートもかなり消極的?

 では、ソフトウェア側については何か違いがあるのだろうか。

 設定画面を従来モデルと比較していくと、新しく追加されている項目が2つあることに気付く。1つは、音量を調整するためのスライダーで、もう1つは背面にあるAUX端子の入力と出力を切り替える項目だ。

 まず音量調節スライダーだが、これは見た通りの機能で、左右にスライドさせることで音量を1%刻みで設定できる。ただし本体側で音量を変更してもこのスライダー上での表示に反映されず(アプリを閉じて再度開くと初めて反映される)、細かい調整もしづらい上にミュート機能もない。あって困るわけではないが、実用性はいまひとつな印象だ。

 AUX端子の入出力切り替えは、イヤフォンなどを接続して外部に音を出す(出力)か、オーディオ機器とケーブルでつないで外部スピーカーとして使う(入力)かを選択する機能だ。既に第2世代Echo Plusでは実装済みで、以前に詳しくチェックしているので、参考にしてほしい。

 この2つの機能を除いては、ざっと見た限りでは違いは見られない。第2世代Echoの発売後にアップデートで新たに追加された、ステレオペアの設定機能やコミュニケーション機能、会話継続モードも引き続きサポートされている。ウェイクワードが「Alexa」を含めた4種類あり、項目の選択肢も違いはないようだ。

 以上のように、ハードウェアと同様、こちらも大きな相違点はない。AUX端子の設定についても、Echo Plusとのハードウェアの共通化によって対応を強いられただけで、積極的に追加された機能のようには見えない。

Amazon EchoAmazon Echo 「オーディオ」と書かれたスライダーが新たに追加されている。1%刻みで変更可能だが、細かな調節はしづらい(画面=左)。「AUXケーブル接続」は、Echo Plusには既にあった項目だが、Echoとしては初めてだ(画面=右)
Amazon EchoAmazon Echo 背面のAUX端子の機能は、入力もしくは出力のいずれかから選べる(画面=左)。おやすみモード、コミュニケーション、会話継続モードなどの機能も変わらず搭載する(画面=右)
Amazon EchoAmazon Echo ウェイクワードは従来通りの4択だ(画面=左)。リクエスト音はデフォルトではオフになっているので、必要に応じてオンにしておく(画面=右)
Amazon Echo イコライザー機能。今回は、なぜか初期設定でマイナスになっていたが、ゼロに戻しておいた方がよいだろう

順当なマイナーアップデートモデルか

 以上、新しい第3世代Echoの特徴について、従来モデルなどと比較しつつ駆け足で紹介した。今回はファーストインプレッションということで、音質の違いやマイク性能の違いはチェックしていないが、革新的な新機能が搭載されたフルモデルチェンジではなく、順当なマイナーアップデートという印象だ。

 他のAmazonのハードウェア、具体的にはKindleやFireがそうだが、ニューモデルでは基本性能こそ向上しているものの、むしろ部材の共通化などにより量産効率を向上させることが目的と思わせられるモデルチェンジが行われることがある。今回の第3世代Echoからも、そうした匂いを感じる。

 とはいえ、世代が1つ新しいEcho Plusがベースである以上、Echoと比べると基本性能は大きく向上していると考えられる。また従来よりもフットプリントを取るとはいえ、外周部が丸みを帯びたことで、デザイン的にも柔和な印象を与えるようになった。こちらのデザインの方が好みというユーザも多いのではないだろうか。

Amazon Echo リクエストに反応して本体外周部のライトリングが点灯する。Alexaデバイス共通の意匠だ

 次回は、本製品をもう少し時間をかけて使い込んだ上で、ステレオペア設定の挙動などについて、さらに踏み込んだレビューをお届けする予定だ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年03月21日 更新
  1. いよいよPCやプリンタに浸透する“AI活用” HPが年次イベントで80種類以上の新製品を一挙に発表 (2025年03月20日)
  2. 屋外で使える防雨仕様のスマートWi-Fiプラグ「MSS620」を試す 完成度は高く、スケジュール設定なども便利 (2025年03月21日)
  3. シリーズ初の「1kg切り」「2in1モデル」登場! 見どころたくさんのThinkPad 2025年モデルが日本上陸 3月18日から順次発売 (2025年03月18日)
  4. Windows 11の「セキュリティ更新」に不具合 「Microsoft Copilot」アプリが意図せず削除される恐れ (2025年03月19日)
  5. “普通すぎる”のがむしろいい! 1980円でUSBドングル+Bluetoothデュアル対応の「Xiaomi デュアルモード ワイヤレスマウス 2」を試す (2025年03月21日)
  6. Microsoft Excelで「ユニバーサル プリント」を使うと結果を出力できない可能性(暫定対応策あり) (2025年03月19日)
  7. 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年3月5日現在】 (2025年03月05日)
  8. 8年ぶりの新モデル、ロジクールのワイヤレス充電マウスパッド「POWERPLAY 2」は機能を省いて安価になった (2025年03月18日)
  9. 「テンキー」の売れ筋ランキング 数字入力の多い業務で活躍【2025年3月19日版】 (2025年03月19日)
  10. ゼンハイザー、バランスの取れたサウンドを実現する軽量設計の開放型ヘッドフォン (2025年03月19日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年