では、ソフトウェア側については何か違いがあるのだろうか。
設定画面を従来モデルと比較していくと、新しく追加されている項目が2つあることに気付く。1つは、音量を調整するためのスライダーで、もう1つは背面にあるAUX端子の入力と出力を切り替える項目だ。
まず音量調節スライダーだが、これは見た通りの機能で、左右にスライドさせることで音量を1%刻みで設定できる。ただし本体側で音量を変更してもこのスライダー上での表示に反映されず(アプリを閉じて再度開くと初めて反映される)、細かい調整もしづらい上にミュート機能もない。あって困るわけではないが、実用性はいまひとつな印象だ。
AUX端子の入出力切り替えは、イヤフォンなどを接続して外部に音を出す(出力)か、オーディオ機器とケーブルでつないで外部スピーカーとして使う(入力)かを選択する機能だ。既に第2世代Echo Plusでは実装済みで、以前に詳しくチェックしているので、参考にしてほしい。
この2つの機能を除いては、ざっと見た限りでは違いは見られない。第2世代Echoの発売後にアップデートで新たに追加された、ステレオペアの設定機能やコミュニケーション機能、会話継続モードも引き続きサポートされている。ウェイクワードが「Alexa」を含めた4種類あり、項目の選択肢も違いはないようだ。
以上のように、ハードウェアと同様、こちらも大きな相違点はない。AUX端子の設定についても、Echo Plusとのハードウェアの共通化によって対応を強いられただけで、積極的に追加された機能のようには見えない。
以上、新しい第3世代Echoの特徴について、従来モデルなどと比較しつつ駆け足で紹介した。今回はファーストインプレッションということで、音質の違いやマイク性能の違いはチェックしていないが、革新的な新機能が搭載されたフルモデルチェンジではなく、順当なマイナーアップデートという印象だ。
他のAmazonのハードウェア、具体的にはKindleやFireがそうだが、ニューモデルでは基本性能こそ向上しているものの、むしろ部材の共通化などにより量産効率を向上させることが目的と思わせられるモデルチェンジが行われることがある。今回の第3世代Echoからも、そうした匂いを感じる。
とはいえ、世代が1つ新しいEcho Plusがベースである以上、Echoと比べると基本性能は大きく向上していると考えられる。また従来よりもフットプリントを取るとはいえ、外周部が丸みを帯びたことで、デザイン的にも柔和な印象を与えるようになった。こちらのデザインの方が好みというユーザも多いのではないだろうか。
次回は、本製品をもう少し時間をかけて使い込んだ上で、ステレオペア設定の挙動などについて、さらに踏み込んだレビューをお届けする予定だ。
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