もう1つ、聞き取り性能については、ざっと確認した限りでは、それほど変化はないようだ。マイク自体は2個から3個に増えているので、性能は向上しているはずだが、デスク上で普通に使っている限りでは変化は感じない。置き方や距離によって違いが出るかもしれないので、本稿での評価は「保留」としておく。
ところで個人的に困るのが、現段階で「ねぇ Google」という呼びかけに対応せず、海外仕様の「OK Google」にしか反応しないことだ。Google HomeはAmazonのAlexaのように、アプリ上でウェイクワードを指定する仕組みではなく、つまりデフォルトで対応していないことになる。サポートに問い合わせたところ多数の要望が来ており、アップデートで対応予定とのことなので、しばらく待つ必要がありそうだ(※編集部注:記事掲載時点で対応済み)。
音声アシスタント関連ではもう1つ、女性の声に加えて男性の声も9月から選択可能になったことが大きな変化だ。セットアップの過程で、女性か男性かどちらかを選ぶメニューが出てくる他、設定完了後もGoogleアシスタントアプリ上で変更できる。
ただし、この音声設定はデバイスではなくGoogleアシスタントにひもづいているため、変更すると同じアカウントに連携してGoogle Homeデバイスの音声が一斉に変更される。個人的には、本製品は男性の声、Nest Hub Maxは女性の声といった具合に、デバイス単位で分けられてこそ便利な機能だと思うのだが、Googleの考え方はそうではないようだ。
以上のように、見た目は従来モデルとそっくりで、追加/変更された機能も数だけ見ると多いわけではないが、従来モデルの欠点を確実に潰してきており、使い勝手は劇的に向上している。「見た目が同じ新製品ほど中身は大きく変わっている」という典型例だ。
新規ユーザーにはもちろんお勧めできるのだが、では従来モデルのユーザーは買い替えるべきか否か。これは個人の使い方によって異なる。例えば「本体を手の届く位置に置き、音量をタップで調整しながら使うことが多い人」や「音楽再生をよく行う人」、また「壁掛け設置をしたい人」は、恩恵を直接受けられるので、買い替えるメリットは大きい。
一方、従来モデルのユーザーでも、上記のポイントに当てはまらない人は、できる操作そのものには大きな違いがないだけに、焦って買い替える必要はない。以前と違って、今はディスプレイ搭載のNest Hubという選択肢もあるので、将来的に買い替える必要が生じた時に、それらも踏まえて候補の一つとして検討するとよいだろう。
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