2019年の自作PC市場を促進させた要因として、Windows 7の延長サポート終了期間は外せない。終了期日の2020年1月14日を見据えて、19年1月中旬からは多くのPCパーツショップには自作PC応援キャラクター「窓辺ななみ」と「窓辺とおこ」の等身大風パネルが置かれるようになった。
Windows 7キャラの窓辺ななみ側には、「卒業まで○○○日」と数字だけ書き換えるタイプのボードが添えられており、店に立ち寄ればサポート期限が間近に迫っていることを自然と意識できるようになっている。「360」台から始まったパネルも、現在は10数日と迫っている。
こういった取り組みは、2014年3月にサポートが終了したWindows XPのときの混乱を避けるためとの見方がある。ただし、7の終了はパネル設置前から冷静に受け取る人が多かったようだ。2019年1月当時、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「Skylake(第6世代Core i)あたりからWindows 7がインストールしづらくなりましたし、ハードウェア的にも最新OSへの移行を促してきたところがありますから」と語っていた。
6月には、7がインストールできるSoCを搭載したマザーボードが登場して一部で話題になるなどしたが、大勢でいえば年末に至るまで問い合わせが殺到したり、7の駆け込み需要が起きたりといった混乱は見られない。それでも「7が使えなくなるから新しいマシンをというニーズは、ずっとあったように思います。縁の下の力持ち的な存在といえるかもしれませんね」(パソコンSHOPアーク)といったコメントを多く聞いたのも確かだ。
なお、主流がWindows 7から10に移り、自作市場におけるOS商品の売れ筋も変化している。現在多くのショップでは、USBメモリに32/64bit版をセットにした「Windows 10 Home」リテールパッケージが目立って売れているという。価格差がそれほどなくなったこともあり、光学ドライブが必要なDSP版を避けるユーザーが増えたと複数のショップで耳にした。また、Homeでも最大128GBのメモリまで対応するようになったことで(Windows 7 Home Premiumは最大16GB)、Proの優位性が薄くなったことも影響していると思われる。
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