年初から春頃に目立ってきたトレンドには、“ゼロドライブ”化、あるいは“ゼロSATA”化がある。光学ドライブ用のベイを搭載しないケースが主流となり、M.2 NVMe SSDの容量単価も下がってきたことで、「ストレージはマザーに挿すだけで十分という人も増えています」(ドスパラ秋葉原本店)という。その結果、M.2 SSDの乗り換えも増え、外したSSDが再利用できる外付けケースも複数登場して、まずまずの人気を獲得している。
入力デバイスで目立っていたのは、ボディに細かな穴を開けて軽量化した“肉抜きマウス”だ。8月下旬に登場したFinalmouseの「Ultralight 2-Cape Town」がゲーマーを中心に大ヒットし、翌週に店頭に並んだGlorious PC Gaming Raceの「Model O」シリーズも続いた。
その後も11月下旬登場のXtrfy「Xtrfy M4 RGB」も品切れが連発するほどの反響を得て、12月下旬にはクーラーマスターからも「MasterMouse MM710」が登場している。「見た目もさることながら、軽さがすごいので、人気と実力で堅実にヒットを飛ばしている印象があります」(パソコンSHOPアーク)という。
そうした人気の広がり方なら、光モノやMOD PC関連のようにジャンルとして定着する可能性が高い。なにしろ、自作ユーザーの層は広がりをみせている。20〜30代で自作PCを始める人が増えているとの話は1年を通して複数のショップで耳にしている。実際、プライドライバーや静電気防止手袋、ネジ用小皿などをセットにしたアイネックスの「自作PC工具セット(TL-020)」も6月末の発売以来、初めて自作するユーザーの密かな定番になっているという。
そうやって自作PCを面白がる層が増えていけば、今後も新たな潮流が生まれるだろう。2020年の秋葉原にも、予想外のムーブメントを期待したい。
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