こういった事態を受けて、という訳ではないが、EnmotusはFuzeDrive(StoreMI)のセットアップにあたり、UEFI/BIOSの設定において「Secure Boot」項目を「無効」(disable)設定にすることを奨励している。
だが、今回制作した5万円台スト5PCで使ったTUF B450M-PRO GAMINGでは、これを「無効」(disable)設定にしても、「有効」(enable)設定にしても、どちらでもうまくセットアップができなかった。
この「Secure Boot」項目に深く関連する設定項目に、UEFI BIOSにおいて旧来BIOSの振る舞いをエミュレーションする「CSM」(Compatibility Supported Module)モードの設定項目もあるが、これの「CSM:有効/無効」と「Secure Boot:有効/無効」の全組み合わせでセットアップを試してみたが、FuzeDrive(StoreMI)でハイブリッドストレージを組んだ直後の初回再起動でハングアップしてしまった。
筆者の周囲に、この一件について話してみたところ、「うまくセットアップできた」という声も一部に上がっていたため、「マザーボードとの相性」があると結論づけた。
この結論に到達するまでけっこう時間が掛かったのだが、結局、筆者はUEFI BIOSモードでのFuzeDrive(StoreMI)セットアップをあきらめ、旧来のBIOSモードでのセットアップに切り替えることにした。これはとても互換性の高い方法なので、たぶん、ほとんど全てのマザーボード環境で成功すると思う。
実際の手順だが、まずWindows 10のインストール前にBIOSの設定を確認しよう。
最初にチェックしたいのは「CSM」の項目で、従来のBIOSモードで起動させるために「CSMの起動」を「有効」化する。従来のBIOSとして振る舞わせるべく、「起動デバイスの制御」以下、全て「Legacy Only」と設定する。
続いて「セキュアブートメニュー」に入り、上で述べたように「セキュアブートの状態」を「無効」化する。セキュアブートとは、UEFI BIOSが「信頼できる起動プロセスだけを起動する」ように制御する仕組みで、マザーボードによっては、FuzeDrive(StoreMI)の起動プロセスを拒否してしまうようなのだ。
Windows 10の起動ドライブにFuzeDrive(StoreMI)をインストールすると、本来のWindows 10の起動プロセス前にFuzeDrive(StoreMI)の起動プロセスが実行されるので、どうやらシステムがこれを不正起動プロセスとして認定し、起動させない制御を行っているようだ。
ここを無効化できない場合は、「セキュアブートキー管理」に入り、「セキュアブートキーの削除」を実行する。
これで「セキュアブートの状態」は「無効」となるはずだ。
なお、マザーボードのメーカーや機種によって設定項目の名前は微妙に異なるだろうが、大体これと近い表示になっているはずなので参考にしてほしい。
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