2019年後半から、AMDの「Ryzen Mobileプロセッサ」を搭載するノートPCのラインアップが充実してきている。
先日、Ryzen Mobileプロセッサの本命ともいえる「Ryzen Mobile 4000シリーズ」(開発コード名:Renoir)がついに発表された。Intelを圧倒する原動力となった、デスクトップ向け第3世代Ryzenプロセッサと同じ「Zen 2」アーキテクチャがもたらす高い性能はもちろんだが、Ryzen Mobile 4000シリーズではチップセット部分も7nm化されたことにより、省電力性でも大いに期待できる。
今回は、ASUSのゲーミングノートPC「ROG ZEPHYRUS G14(GA401I)」(を通してRyzen Mobile 4000シリーズにおける最上位プロセッサの1つ「Ryzen 9 4900HS」の実力をチェックしていく。
この記事でレビューしていく「ROG ZEPHYRUS G14(GA401I)」。厚さ17.9mm、公称重量約1.6kgのウルトラスリムゲーミングノートPCで、外部GPUとしてNVIDIAの「GeForce RTX 2060 with Max-Q Design」も搭載している。日本での発売は未定で、今回のレビューは米国英語キーボードを搭載したサンプル機を利用したRyzen 9 4900HSのCPU部分は8コア16スレッド構成で、動作クロック(周波数)は定格で3GHz、最大で4.3GHzとなっている。現行のノートPC向けCPUとしてはトップクラスのパワフルな仕様でありながら、TDP(熱設計電力)は35Wと、Intelの高性能ノートPC向けCPU(Hプロセッサ)の45Wを下回る。
Ryzen Mobile 4000シリーズにはVegaアーキテクチャのGPUを統合しており、Ryzen 9 4900HSも例外ではない。しかし、今回レビューするROG ZEPHYRUS G14では、外部GPUとしてNVIDIAの「GeForce RTX 2060 with Max-Q Design」(グラフィックスメモリ6GB)も搭載している。標準設定では、Webブラウザやオフィスアプリといった普段使いは内蔵GPU、3DゲームなどGPUに負荷がかかる処理を検知するとNVIDIAのGPU、と自動で切り替わるようになっている。もちろん、手動でどちらのGPUを使うか設定することも可能だ。
外部GPUとしてGeForce RTX 2060 with Max-Q Design(左)を搭載。APUに内蔵されたVegaアーキテクチャの「AMD Radeon Graphics」(右)も利用できる今回試用したROG ZEPHYRUS G14には、Intel製のSSD「Intel 660p」が搭載されていた。QLC NANDフラッシュメモリを用いたコストパフォーマンス重視のモデルだ。
読み書きの速度はハイエンドなSSDと比べると遅いが、Serial ATA接続のものと比べれば数倍は出る。
Intel 660p(1TB)を「CrystalDiskMark 7.0.0」で速度計測。ハイエンドなNVMe SSDと比べると読み書き速度は劣るが、Serial ATA接続のSSDと比べると十分に高速だ
Zen 2+Vega(7nmプロセス)=第3世代Ryzen Mobile
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