ここからが本題だ。ROG ZEPHYRUS G14(GA401I)でベンチマークテストを実行して、Ryzen 9 4900HSの実力をチェックしていこう。
今回は比較対象として、筆者が約1年半前に購入した「ThinkPad X1 Extreme(2018年モデル)」の結果も掲載する。主なスペックは以下の通りだ。
まず、Maxthonの「CINEBENCH」でCPUの直接的な性能を計測する。今回は旧バージョン「R15」と、AVX2に対応してより高負荷なテストとなった新バージョン「R20」の両方をテストしている。
CINEBENCH R15の結果は以下の通りとなった。
一方、CINEBENCH R20の結果は以下の通りとなった。
通常(マルチコア)性能において、R15では約1.72倍、R20では約1.77倍の差を付けて、Ryzen 9 4900HSが圧倒している。8コア16スレッドならではの値で、デスクトップPC向けの第3世代Ryzen 7と比較しても遜色ない結果だ。
シングルコア性能についても、Ryzen 9 4900HSはCore i7-8750よりも優秀な結果となっている。
次に、ULのPC総合ベンチマークアプリ「PCMark 10」の計測結果を見てみよう。
総合スコアは、ROG ZEPHYRUS G14が5627、ThinkPad X1 Extremeが4407となった。特にDigital Content Creation(マルチメディアコンテンツの作成)では、ROG ZEPHYRUS G14が6836、ThinkPad X1 Extremeが3687と、約1.9倍の大差を付けている。一方、Essential(日常使い)では9588対9502とそれほど大きな差はない。
ともあれ、先に示したCINEBENCHの結果と合わせて考えると、Ryzen 9 4900HSはコア数の多さが性能に直結しやすいアプリケーション以外でも、オールラウンドで高い性能を発揮できることが分かる。
PCMark 10では、バッテリー稼働時間テスト「Modern Office Battery Life」も実施した。稼働時間はROG ZEPHYRUS G14は10時間21分、ThinkPad X1 Extremeが6時間だった。
ThinkPad X1 Extremeは消費電力がより大きい4Kディスプレイを搭載している上、ある程度使い込んでいるのでバッテリー自身も少し劣化した状態である。それを差し引いたとしても、ROG ZEPHYRUS G14(Ryzen 9 4900HS)のパフォーマンスとバッテリー稼働時間の両立ぶりは良好で、AMDがうたっている「電力効率の高さ」が伺える。
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